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十五章 メレディアと桔梗とヒジリとミチル
16.この場面においてのヒロインはミチル。
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(side ヒジリ)
俺はホントの性別はどうであれ、今まで男として暮らして来た。
見た目はどうであれ、
心は男。
俺は漫画から男の生きざまを学んできた。
といっても、今のお洒落な感じの少年漫画ではない。一昔前の(一昔前の! 大事なことだから二度言いました)少年漫画だ。
今の少年漫画って、主人公が弱虫だったり、どんくさかったり‥「共感できる」要素がある。だけど、昔の少年漫画はそうじゃない。主人公はそう泣き言を言わなかったし、泣き言をいう主人公に周りは叱咤激励をし、決してそれを許さなかった。そんな主人公に読者は憧れ、勇気を貰った。だから主人公は才能の多少はあろうが、みんな最終的に努力で何とかすることが求められていた。
そんな主人公。顔は二の次で(寧ろ決して美形ではなく)、美形キャラは「鼻持ちならない」とか「軟弱」って見られる風潮すらあった。そもそも、金持ちにしか美形は許されなかった(は、言い過ぎかもしれないけど‥そんな風潮はあった気がする)。主人公は、凛々しく、泥臭く‥が定番だった。(「巨人の●」しかり「ドラ●ンボール」しかり)
主人公も脇役もカッコよくて、女の子にキャーキャー言われるような要素は、昔の少年漫画にはなかった。
そんな感じ。
‥俺が馴染んできた‥俺が「これが男だ」って思って来たのはそんな男。
汗くさい!
熱血!
根性!
で、
友情が一番!
だけど
カワイ子ちゃんには弱い(だけど、悪魔怪獣「何でも来い」な頼もしい少年)
‥的な「愛すべき」少年。
俺はそういう少年を目指して少年時代を送ってきた。
今更「実は女なんですよ」って言われても、そのスタンスは変えられない。
ライバルである女の子(ナツミ)を倒すために、日々努力! 根性! 熱血!
だけど、実はそのライバルの事が憎いわけじゃなくって、それどころか好きだったりする(だけど好きだなんて言わないんだからな!! )思春期拗らせた「愛すべき」少年。
友達(ミチル)の助けによるレベルアップあり、師匠と呼べる存在との出会いあり(ナラフィス)
な、青春マンガ。
そういうのを俺は目指している。
‥今のところ俺がダメダメ過ぎて出来てない。
今のところは‥
ダメ過ぎて読者すら共感しかねる少年が、男前で「こいつが主役でいいんじゃね? 」な少年(ミチル)の力を借りスキルアップを目指すもなかなか思うように進まず‥、迷惑をかけるばかり。
ミチルや周りのレベル高すぎ「タカスギクン」たちのおんぶにだっこで日々醜態を晒すダメ主人公が主役のダメ漫画‥
ライバル(ナツミ)打倒は夢また夢の話‥
って感じ。
俺は、『ドラ●もん』の主人公みたいな感じだな。
ああ、あのマンガは主人公が「ドラ●もん」(ミチル)だったな。
の●太がライバル「ジャイ●ン」(ナツミ)に勝てないところも同じ。
だけど、主人公とジャイ●ンは敵なわけではない。力関係がはっきりした「友人」なんだ。映画なんかじゃその辺りが感動的に描かれている‥。
俺とナツミも「あの時は喧嘩したけど、別に憎いわけじゃない」って風になればいいのにな‥。
まあ‥(つらつらと前置きしたわけだけど)何が言いたいかって
俺は心は男で、男なら女の子には優しくしなけりゃならないけど、男には容赦なく戦いを挑め、って話だ。
「お前、誰だよ。
ってか、
ここにどうやって来た? 」
俺は、出来る限り凄んだ様な声で、超美形を睨みつけながら言った。
登場から台詞から‥こいつはそもそもツッコミどころ満載なんだけど‥
これをまず聞きたい。
「はは! 初めましてだね。国の災厄。ああ、勘違いしないで。僕たちは君のことそんな風に思ってない。ネルは君のこと心配してたよ」
美形は‥俺にひるむ様子なんかまるでなさそうだ。
それどころか、まるで俺のことなんて見ていない。視線は‥ミチルに一点集中って感じだ。
‥ネルは君のこと心配していたよ?
誰だ? ネル
「ネル‥組織の最年少リバーシの名前だね。同じリバーシとして気にしてた‥ってことかな? 」
にっこりと営業用スマイルなデキル主人公(しかもカッコイイ)ミチルの笑顔は‥でも、今日は何か緊張している‥というか、警戒している?
ミチルが警戒するような組織ってことは‥いつもラルシュたちと話してる「反政府組織」って奴ですか?
ナツミがメンバーになってるていう例の‥。
‥だからここにナツミもいるってことですか?
さっきは銀髪の超美形しか見えなかったけど、霧の中から更に二人の人物が現れた。
その一人がナツミだったってこと。
つまり、銀の髪の超美形も反政府組織のメンバーってこと。
組織の主要人物で、ここにこれちゃう様な能力を持つ男‥
ここにいるってことは、俺と同じように時を渡ってきたってこと。‥時が渡れるってことだ。
空間渡り‥その中でも特別な時渡りが出来る能力がある可能性があるのはリバーシだけだ。
空間渡りは実はリバーシなら誰でもできる。魔力量によってわたっていられる時間が変わってくるだけの違いしかない。だけど、時渡りとなるとその限りではない。きっと別な要素も必要だろうし‥必要となる魔力量もきっと半端じゃないだろう。
俺にどんな要素があって時渡りが出来たかは分からない。偶然‥かもしれないけど、俺は「誰かに意図的に呼ばれたんだろう」って思ってる。呼んだ相手には俺から時渡りに必要な能力を引き出せることが出来た‥ってことだ。
そして、この目の前の三人にもその能力があるってことになる。
ミチルを追って来た‥にしても、「追ってここに来るだけの能力があった」ってことだ。
さっきミチルはそこの超美形B(明らかに年少者)‥ええと、たしか「ネル」少年だ‥をリバーシだって言った。つまり‥
ネル‥リバーシ
ナツミ‥魔法使い(元から知ってる)
ってことだ。
じゃあ、‥この銀髪の超美形もリバーシかな? 二人リバーシがいれば可能‥なのかも。
二人いたところでなかなかできることじゃないけどね‥。
俺に対応する魔力量って‥(二人だとしても)なかなかすごいぞ。
絶対に「放っておけない」危険人物‥。
そんな危険人物のリバーシの一人が俺を「同じリバーシとして気にしてた」。
‥穏やかじゃないなあ。
「ふふ。この話は立ち話でする様な軽い話ではないよ。でも、この場所でネルとナツミが会いたがってた彼女にも、僕が会いたかった僕の特別な相手にも再会できた‥。こんな素晴らしい日はない」
超美形が、なんか‥物騒な感じの‥こう‥陶酔するようなっていうの? ウットリって感じなんだけど「惚れてる」って感じではない笑顔をミチルに対して浮かべてる。
‥なんてぇの?
サイコパスが獲物を前にして浮かべそうな笑顔
‥そんな感じの笑顔。
ナツミが目を見開いて驚いてそのサイコな美形を見上げてるところを見ると(ナツミがこんなに驚いているところを俺は見たことはない。‥そこそこ付き合いは長いはずなのに、だ)彼は普段こんな感じではないのだろう。
きっと、見た目通り彼は普段冷静な感じの人物なんだろう。
そんな彼が興奮隠せませんって顔をする。それ程彼はミチルに会いたかった。なぜならミチルは彼にとって特別な相手だから。
だけど、それは「love」じゃない。そして‥彼にとってミチルは「狙った獲物」。
サイコパスな彼は、狙った獲物をきっと逃がしはしないんだろう。(そういうことがあの笑顔から容易に想像できる)
‥こわ~‥。
ミチルの顔色が‥蒼白通り越して、もう紙みたいになってる。(やっぱり俺の読みは正しかった。こいつはきっと危険な相手なんだろう)
大天使様の様な麗しく神々しい見掛け通りではなく、だ。
「カタル‥。俺はお前には一生会いたくなかったよ‥」
ミチルの声が若干震えている。
俺は、とっさにミチルを自分の背中に隠した。
俺はホントの性別はどうであれ、今まで男として暮らして来た。
見た目はどうであれ、
心は男。
俺は漫画から男の生きざまを学んできた。
といっても、今のお洒落な感じの少年漫画ではない。一昔前の(一昔前の! 大事なことだから二度言いました)少年漫画だ。
今の少年漫画って、主人公が弱虫だったり、どんくさかったり‥「共感できる」要素がある。だけど、昔の少年漫画はそうじゃない。主人公はそう泣き言を言わなかったし、泣き言をいう主人公に周りは叱咤激励をし、決してそれを許さなかった。そんな主人公に読者は憧れ、勇気を貰った。だから主人公は才能の多少はあろうが、みんな最終的に努力で何とかすることが求められていた。
そんな主人公。顔は二の次で(寧ろ決して美形ではなく)、美形キャラは「鼻持ちならない」とか「軟弱」って見られる風潮すらあった。そもそも、金持ちにしか美形は許されなかった(は、言い過ぎかもしれないけど‥そんな風潮はあった気がする)。主人公は、凛々しく、泥臭く‥が定番だった。(「巨人の●」しかり「ドラ●ンボール」しかり)
主人公も脇役もカッコよくて、女の子にキャーキャー言われるような要素は、昔の少年漫画にはなかった。
そんな感じ。
‥俺が馴染んできた‥俺が「これが男だ」って思って来たのはそんな男。
汗くさい!
熱血!
根性!
で、
友情が一番!
だけど
カワイ子ちゃんには弱い(だけど、悪魔怪獣「何でも来い」な頼もしい少年)
‥的な「愛すべき」少年。
俺はそういう少年を目指して少年時代を送ってきた。
今更「実は女なんですよ」って言われても、そのスタンスは変えられない。
ライバルである女の子(ナツミ)を倒すために、日々努力! 根性! 熱血!
だけど、実はそのライバルの事が憎いわけじゃなくって、それどころか好きだったりする(だけど好きだなんて言わないんだからな!! )思春期拗らせた「愛すべき」少年。
友達(ミチル)の助けによるレベルアップあり、師匠と呼べる存在との出会いあり(ナラフィス)
な、青春マンガ。
そういうのを俺は目指している。
‥今のところ俺がダメダメ過ぎて出来てない。
今のところは‥
ダメ過ぎて読者すら共感しかねる少年が、男前で「こいつが主役でいいんじゃね? 」な少年(ミチル)の力を借りスキルアップを目指すもなかなか思うように進まず‥、迷惑をかけるばかり。
ミチルや周りのレベル高すぎ「タカスギクン」たちのおんぶにだっこで日々醜態を晒すダメ主人公が主役のダメ漫画‥
ライバル(ナツミ)打倒は夢また夢の話‥
って感じ。
俺は、『ドラ●もん』の主人公みたいな感じだな。
ああ、あのマンガは主人公が「ドラ●もん」(ミチル)だったな。
の●太がライバル「ジャイ●ン」(ナツミ)に勝てないところも同じ。
だけど、主人公とジャイ●ンは敵なわけではない。力関係がはっきりした「友人」なんだ。映画なんかじゃその辺りが感動的に描かれている‥。
俺とナツミも「あの時は喧嘩したけど、別に憎いわけじゃない」って風になればいいのにな‥。
まあ‥(つらつらと前置きしたわけだけど)何が言いたいかって
俺は心は男で、男なら女の子には優しくしなけりゃならないけど、男には容赦なく戦いを挑め、って話だ。
「お前、誰だよ。
ってか、
ここにどうやって来た? 」
俺は、出来る限り凄んだ様な声で、超美形を睨みつけながら言った。
登場から台詞から‥こいつはそもそもツッコミどころ満載なんだけど‥
これをまず聞きたい。
「はは! 初めましてだね。国の災厄。ああ、勘違いしないで。僕たちは君のことそんな風に思ってない。ネルは君のこと心配してたよ」
美形は‥俺にひるむ様子なんかまるでなさそうだ。
それどころか、まるで俺のことなんて見ていない。視線は‥ミチルに一点集中って感じだ。
‥ネルは君のこと心配していたよ?
誰だ? ネル
「ネル‥組織の最年少リバーシの名前だね。同じリバーシとして気にしてた‥ってことかな? 」
にっこりと営業用スマイルなデキル主人公(しかもカッコイイ)ミチルの笑顔は‥でも、今日は何か緊張している‥というか、警戒している?
ミチルが警戒するような組織ってことは‥いつもラルシュたちと話してる「反政府組織」って奴ですか?
ナツミがメンバーになってるていう例の‥。
‥だからここにナツミもいるってことですか?
さっきは銀髪の超美形しか見えなかったけど、霧の中から更に二人の人物が現れた。
その一人がナツミだったってこと。
つまり、銀の髪の超美形も反政府組織のメンバーってこと。
組織の主要人物で、ここにこれちゃう様な能力を持つ男‥
ここにいるってことは、俺と同じように時を渡ってきたってこと。‥時が渡れるってことだ。
空間渡り‥その中でも特別な時渡りが出来る能力がある可能性があるのはリバーシだけだ。
空間渡りは実はリバーシなら誰でもできる。魔力量によってわたっていられる時間が変わってくるだけの違いしかない。だけど、時渡りとなるとその限りではない。きっと別な要素も必要だろうし‥必要となる魔力量もきっと半端じゃないだろう。
俺にどんな要素があって時渡りが出来たかは分からない。偶然‥かもしれないけど、俺は「誰かに意図的に呼ばれたんだろう」って思ってる。呼んだ相手には俺から時渡りに必要な能力を引き出せることが出来た‥ってことだ。
そして、この目の前の三人にもその能力があるってことになる。
ミチルを追って来た‥にしても、「追ってここに来るだけの能力があった」ってことだ。
さっきミチルはそこの超美形B(明らかに年少者)‥ええと、たしか「ネル」少年だ‥をリバーシだって言った。つまり‥
ネル‥リバーシ
ナツミ‥魔法使い(元から知ってる)
ってことだ。
じゃあ、‥この銀髪の超美形もリバーシかな? 二人リバーシがいれば可能‥なのかも。
二人いたところでなかなかできることじゃないけどね‥。
俺に対応する魔力量って‥(二人だとしても)なかなかすごいぞ。
絶対に「放っておけない」危険人物‥。
そんな危険人物のリバーシの一人が俺を「同じリバーシとして気にしてた」。
‥穏やかじゃないなあ。
「ふふ。この話は立ち話でする様な軽い話ではないよ。でも、この場所でネルとナツミが会いたがってた彼女にも、僕が会いたかった僕の特別な相手にも再会できた‥。こんな素晴らしい日はない」
超美形が、なんか‥物騒な感じの‥こう‥陶酔するようなっていうの? ウットリって感じなんだけど「惚れてる」って感じではない笑顔をミチルに対して浮かべてる。
‥なんてぇの?
サイコパスが獲物を前にして浮かべそうな笑顔
‥そんな感じの笑顔。
ナツミが目を見開いて驚いてそのサイコな美形を見上げてるところを見ると(ナツミがこんなに驚いているところを俺は見たことはない。‥そこそこ付き合いは長いはずなのに、だ)彼は普段こんな感じではないのだろう。
きっと、見た目通り彼は普段冷静な感じの人物なんだろう。
そんな彼が興奮隠せませんって顔をする。それ程彼はミチルに会いたかった。なぜならミチルは彼にとって特別な相手だから。
だけど、それは「love」じゃない。そして‥彼にとってミチルは「狙った獲物」。
サイコパスな彼は、狙った獲物をきっと逃がしはしないんだろう。(そういうことがあの笑顔から容易に想像できる)
‥こわ~‥。
ミチルの顔色が‥蒼白通り越して、もう紙みたいになってる。(やっぱり俺の読みは正しかった。こいつはきっと危険な相手なんだろう)
大天使様の様な麗しく神々しい見掛け通りではなく、だ。
「カタル‥。俺はお前には一生会いたくなかったよ‥」
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