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十六章 ミチル争奪戦!
16.俺を誰だと思ってるんだよ。
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「マリアンちゃんの実家の伯爵家にご挨拶に行こうと思う」
「‥今その話をするか? 」
今日はサラージも混ざった「今後の予定」について議論を交わすメンバーを前に、ナラフィスは妙にキリリとした顔をして‥宣言した。
結界を解く、小休憩中に、だ。
結界を張ってると精神的に疲れるから、時々、息抜きが必要なんだ。
で、それにツッコミを入れたのは、幼馴染・サラージだった。
ナツカから受け取ったカップを机に置いて眉を顰め、ナラフィスを睨む。
「ちょっと皆頭を冷やした方がいいだろう‥と思って、ホットな話題を挟んでみた」
「‥ホットというか‥ちょっと話が読めません。誰でしたっけ、マリアンちゃん? 」
ヒジリが首を傾げる。
‥ってか、頭を「冷やせ」って言いながら「ホットな話題」とはいかに。
首を傾げたことで、ちょっと伸びた髪の毛がさらって揺れる。
細い綺麗なハニーブラウンの髪‥。この髪を過去にバッサリ切ったとか信じられないよな、なんて‥横に座るミチルが思ったことはそんなこと。(ナラフィスの話とか、正直そんなに興味ない)
ヒジリはその髪を、いつもは(きっと無造作に)髪ひもで一つに縛っているらしい。
胸をさらしでつぶして‥るのは変わりないけど、この頃は(以前の)男物のスーツじゃなしに、ユニセックスなデザインのパンツスーツを新調して出勤しているらしい。
相変わらず男には見えないが、でも、女かと言われると違うって感じ。
中性的な雰囲気が魅力の麗人って感じだ。
さらしでつぶしたりなんかして、胸の形悪くなったらどうするんだ~とか‥そういう不満はあるが‥そればっかりはね。ヒジリの「どうしても」だから仕方が無い。(それに、ヒジリはきっと「そういうこと」にはならないんだろう。なんせ、リバーシだから)
ヒジリにとって、聖はやっぱり男で、胸のある自分を「例え親しい人間にはそうと見えないとわかってはいるのだが」見せたくないんだろう。そういう気持ち分からんでもない。
まあ、「この頃なんか綺麗になった? 」って他の男が思うのも嫌だし、初めてヒジリを見る男が、ヒジリの胸のふくらみを見て「女か!? 」とか判断するのも、嫌だしな。
とも思ったり‥。
ヒジリはこの頃、なんか‥女らしくなったわけじゃないんだけど、今までみたいな「なんか違和感ある」ってのがなくなってきたような気がする。
女らしく、男らしく‥じゃなく、そういうものにたいする「こだわり」がなくなった‥感じ。
「「ふわふわ~ってしてて、優しくって~、ちっちゃくって~、目が大きくって~、笑顔が可愛くって~おっぱい大きい子」がみつかったのか? 」
ミチルがナラフィスを見る。
因みに、さっきの「ふわふわ~ってしてて、優しくって~、ちっちゃくって~、目が大きくって~、笑顔が可愛くって~おっぱい大きい子」ってのは、ナラフィスの「理想の女の子」のタイプだ。
正直、(ナラフィスの話とか)そんなに興味があるってわけでもないけど、まあ、この場の雰囲気を変えるのは必要だよね‥って感じだ。
俺がカタルの運命の相手‥とか、結構何回も口にされると腹立ってくるしね。
‥なんか、キモいし、ウザいわ‥。
「ん~そうね。そういう子を、城がわざわざ僕の為に探し出してくれたんだ。親切だよね。
で、会ってるうちに「可愛いな」が「愛おしい」に変わった‥ってわけ」
照れくさそうにナラフィスが笑う。
‥おお、流石にバレてたか。
サラージが苦笑いした。
‥さっき、伯爵家って言ったしね。‥そこ(マリアンの家柄)までバレてたってことか。
ま‥そりゃそうだよね。
「じゃあ、従兄弟の結婚式に俺たちはいかないといけないな」
ふ、とサラージが笑う。
「おや、バレてたか。僕の素性」
ナラフィスが肩をすくめる。
「‥俺達を何だと思ってるんだよ‥」
サラージが眉を寄せる。
そんなサラージとナラフィスを見比べながら、
「え? 従兄弟? サラージ様と‥誰が? 」
ヒジリが目を見開いている。
「話の流れ的に、ナラフィスだな」
くく、ってミチルが笑う。
「ええ?? 」
「なるほどね~、平民が王子たちのご学友ってなかなかないことかな~って思ってたら‥そういうことだったんだね~」
驚いて目を白黒させてるヒジリと、なんだか納得したような顔しているミチル。
そんなミチルを
「別に俺はナラフィスが平民だろうが関係ないぞ」
ってサラージが睨みつけた。
「気になるわ~見たいわ~、リアル「ふわふわ~ってしてて、優しくって~、ちっちゃくって~、目が大きくって~、笑顔が可愛くって~おっぱい大きい子!」」
ふわふわと夢みたいに可愛い笑顔を浮かべてリアル「ふわふわ~ってしてて、優しくって~、ちっちゃくって~、目が大きくって~、笑顔が可愛くって~おっぱい大きい子!」を想像するヒジリ。
考えてることはアレだけど、顔は間違いなく可愛い。
考えてることが何となく想像できる‥って分を差し引いても、十分可愛い。
それをチラ見するサラージと、
ガン見するミチル、
そして
「お祝いしないといけないね」
ってにこにこナラフィスに話しかけてるラルシュ。
ラルシュ様! そこ! そこで出遅れない!
そこは、
「ミチル、ヒジリは私の婚約者ですからね」
とかくぎを刺すところ!!
のんびりナラフィス様になんか話しかけてる場合じゃないです!!!
ナラフィス様に先を越されるとかあり得なくないですか!? 婚約期間は貴女の方が長いんですよ!?
もう、いっそ
「じゃ、いっそ一緒に結婚式あげます? 」
とかでいいんじゃないですか??
もどかしいナツカだった。
「‥今その話をするか? 」
今日はサラージも混ざった「今後の予定」について議論を交わすメンバーを前に、ナラフィスは妙にキリリとした顔をして‥宣言した。
結界を解く、小休憩中に、だ。
結界を張ってると精神的に疲れるから、時々、息抜きが必要なんだ。
で、それにツッコミを入れたのは、幼馴染・サラージだった。
ナツカから受け取ったカップを机に置いて眉を顰め、ナラフィスを睨む。
「ちょっと皆頭を冷やした方がいいだろう‥と思って、ホットな話題を挟んでみた」
「‥ホットというか‥ちょっと話が読めません。誰でしたっけ、マリアンちゃん? 」
ヒジリが首を傾げる。
‥ってか、頭を「冷やせ」って言いながら「ホットな話題」とはいかに。
首を傾げたことで、ちょっと伸びた髪の毛がさらって揺れる。
細い綺麗なハニーブラウンの髪‥。この髪を過去にバッサリ切ったとか信じられないよな、なんて‥横に座るミチルが思ったことはそんなこと。(ナラフィスの話とか、正直そんなに興味ない)
ヒジリはその髪を、いつもは(きっと無造作に)髪ひもで一つに縛っているらしい。
胸をさらしでつぶして‥るのは変わりないけど、この頃は(以前の)男物のスーツじゃなしに、ユニセックスなデザインのパンツスーツを新調して出勤しているらしい。
相変わらず男には見えないが、でも、女かと言われると違うって感じ。
中性的な雰囲気が魅力の麗人って感じだ。
さらしでつぶしたりなんかして、胸の形悪くなったらどうするんだ~とか‥そういう不満はあるが‥そればっかりはね。ヒジリの「どうしても」だから仕方が無い。(それに、ヒジリはきっと「そういうこと」にはならないんだろう。なんせ、リバーシだから)
ヒジリにとって、聖はやっぱり男で、胸のある自分を「例え親しい人間にはそうと見えないとわかってはいるのだが」見せたくないんだろう。そういう気持ち分からんでもない。
まあ、「この頃なんか綺麗になった? 」って他の男が思うのも嫌だし、初めてヒジリを見る男が、ヒジリの胸のふくらみを見て「女か!? 」とか判断するのも、嫌だしな。
とも思ったり‥。
ヒジリはこの頃、なんか‥女らしくなったわけじゃないんだけど、今までみたいな「なんか違和感ある」ってのがなくなってきたような気がする。
女らしく、男らしく‥じゃなく、そういうものにたいする「こだわり」がなくなった‥感じ。
「「ふわふわ~ってしてて、優しくって~、ちっちゃくって~、目が大きくって~、笑顔が可愛くって~おっぱい大きい子」がみつかったのか? 」
ミチルがナラフィスを見る。
因みに、さっきの「ふわふわ~ってしてて、優しくって~、ちっちゃくって~、目が大きくって~、笑顔が可愛くって~おっぱい大きい子」ってのは、ナラフィスの「理想の女の子」のタイプだ。
正直、(ナラフィスの話とか)そんなに興味があるってわけでもないけど、まあ、この場の雰囲気を変えるのは必要だよね‥って感じだ。
俺がカタルの運命の相手‥とか、結構何回も口にされると腹立ってくるしね。
‥なんか、キモいし、ウザいわ‥。
「ん~そうね。そういう子を、城がわざわざ僕の為に探し出してくれたんだ。親切だよね。
で、会ってるうちに「可愛いな」が「愛おしい」に変わった‥ってわけ」
照れくさそうにナラフィスが笑う。
‥おお、流石にバレてたか。
サラージが苦笑いした。
‥さっき、伯爵家って言ったしね。‥そこ(マリアンの家柄)までバレてたってことか。
ま‥そりゃそうだよね。
「じゃあ、従兄弟の結婚式に俺たちはいかないといけないな」
ふ、とサラージが笑う。
「おや、バレてたか。僕の素性」
ナラフィスが肩をすくめる。
「‥俺達を何だと思ってるんだよ‥」
サラージが眉を寄せる。
そんなサラージとナラフィスを見比べながら、
「え? 従兄弟? サラージ様と‥誰が? 」
ヒジリが目を見開いている。
「話の流れ的に、ナラフィスだな」
くく、ってミチルが笑う。
「ええ?? 」
「なるほどね~、平民が王子たちのご学友ってなかなかないことかな~って思ってたら‥そういうことだったんだね~」
驚いて目を白黒させてるヒジリと、なんだか納得したような顔しているミチル。
そんなミチルを
「別に俺はナラフィスが平民だろうが関係ないぞ」
ってサラージが睨みつけた。
「気になるわ~見たいわ~、リアル「ふわふわ~ってしてて、優しくって~、ちっちゃくって~、目が大きくって~、笑顔が可愛くって~おっぱい大きい子!」」
ふわふわと夢みたいに可愛い笑顔を浮かべてリアル「ふわふわ~ってしてて、優しくって~、ちっちゃくって~、目が大きくって~、笑顔が可愛くって~おっぱい大きい子!」を想像するヒジリ。
考えてることはアレだけど、顔は間違いなく可愛い。
考えてることが何となく想像できる‥って分を差し引いても、十分可愛い。
それをチラ見するサラージと、
ガン見するミチル、
そして
「お祝いしないといけないね」
ってにこにこナラフィスに話しかけてるラルシュ。
ラルシュ様! そこ! そこで出遅れない!
そこは、
「ミチル、ヒジリは私の婚約者ですからね」
とかくぎを刺すところ!!
のんびりナラフィス様になんか話しかけてる場合じゃないです!!!
ナラフィス様に先を越されるとかあり得なくないですか!? 婚約期間は貴女の方が長いんですよ!?
もう、いっそ
「じゃ、いっそ一緒に結婚式あげます? 」
とかでいいんじゃないですか??
もどかしいナツカだった。
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