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十七章 お試し「乙女ゲーム」
4.全然考えないでおくってことは結構大変
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(side ヒジリ)
考えないでイイって言われた。
なんて素晴しいんだ!! って思う。
俺にとって、恋愛なんて「今まで無縁だったもの」で、考えないでイイって言われたら、普通~に、考えないと思う。
ほら、よく
意識するなって言われたら、余計に意識してしまう‥って言うじゃない? 。
例えば、ここにはオバケなんていない‥って思えば思うほど、オバケがいるような感じがするって奴。
あの茂みに潜んでる気がするし、あの天井のシミは人の顔に見えるし、風の音が人のうめき声に聞こえる‥。
そういうことは往々にしてよくあるけど、こと恋愛のことについては、考えないでイイって言われたら「お言葉に甘えて! 」って言える自信がある。
考えるのも嫌だ‥って毛嫌いしているわけでは無い。考える必要も無い程俺の人生にとって無駄なこと‥だとは思わない。
そういうことも、人生にとっては大事なことだってわかる。
好きな子をただ純粋に好きって言える‥好きの先に何もない‥何も考えないでイイ「子供」でいられたなら、どんなに楽か。
俺は子供にしか許されないそんな「楽しいだけの恋愛」をしてこなかったことを‥今になって悔やんでいるんだ。
「マリアンちゃんはどんな子供だった? 」
「女学校行ってたんだ! 女学校ってどんなこと学ぶの? 」
「地球の学校はね~」
マリアンちゃんと他愛もない会話をする。
ナラフィス先生は「マリアンちゃんと女子トークでも楽しんでみたら☆」なんて言うけど、女子トークって何だろう。‥そういうのはよくわからないけど、マリアンちゃんとの会話は楽しい。
ミチルとの馬鹿話とはちょっと違う、なんか、心が洗われる‥とは違うけど‥なんか後味さっぱりって感じなんだ。馬鹿話をした後は「あ~面白かった」って思う反面「俺、何話してんだよ‥恥ずかしいな」って思う時もあるもんな。
ミチルとしたのは、中学や高校、大学の時の話が多かったかな。
高校の頃、コッソリピザを買いに行って部室で映画上映会をしてたのが先生にバレて怒られたこと、先生の教科書にこっそり「エロい写真」を挟んだ‥のが何故か俺たちの仕業だってバレてやっぱり怒られた‥こととか、先生が車に乗るのを影で待ち構えて、乗り込んだ瞬間仲間で取り囲んで車を持ち上げたり‥とか、卒業式の日に散々怒られたその先生に花を送って泣かれた‥とか‥
ほんっと馬鹿なことばっかりしてた話。
俺たちの学校って結構「馬鹿ばっかり」揃ってたからそんなのばっかりなんだ。
女子もいたはずなのに、俺たちの周りは女っ気なんか全然なくって女子たちに「あいつら、ホント馬鹿‥」って呆れた顔されてた。
って話をした。
同じ男子高生だったはずのミチルは‥全然そんな高校生活送ってなくって、「ん? 」って思ったっけ。
‥普通の、「モテてた男子高生生活」送ってて、「別世界‥」って思ったな~。
俺らって一体‥恥ずかしい‥って思ったもんだ。
だけど、それだけ。
ミチルがモテてたってことに、嫉妬したりしたことは‥そういえばなかったな。
俺、ミチルの事好きなのかも‥って思ってたけど、ホントに好きなら嫉妬したりしたんじゃないのかな。
付き合ってた女の子の話聞きたくないって思ったり‥したんじゃないかな。
‥そういえば、ミチルの彼女とかち合わせたこともあったな~。あの時、彼女は俺のこと彼女だって勘違いして、怒ってたし‥悲しんでた。
恋愛って‥そういうもんじゃないだろうか。
多分ね‥よくわかんないけど。
俺が恋愛音痴だから‥じゃなくって、俺のミチルに対する「好き」が恋愛感情じゃなかった‥ってこと‥?
「マリアンちゃん‥。俺‥ミチルの事好きだって思ってた。だけど、ね‥
俺のミチルに対する「好き」は恋愛感情の「好き」じゃなかった‥」
マリアンちゃんは、俺に紅茶を淹れてくれていた手を止めて、きちんと俺を見て話を聞いてくれた。
「ミチルといて楽しい。一生一緒に居たいって思う。だけど、ミチルの恋愛‥俺以外の人といるミチルを想像しても、俺は驚くほど冷静‥何も感じないんだ。寧ろ、誰かと幸せになってくれたらいい‥って思ってる。
俺は‥」
ミチルは俺のこと、恋愛感情って意味で好きだって言ってくれてるのに‥俺は‥
誰か別の人を好きになってくれることを望んでる。
‥ミチルはその別の人と結婚して幸せになって欲しいって思ってる。
俺は‥!
マリアンちゃんは俺に何も言わない。
「ズルいね」
とも
「恋愛のこと、今は考えないでおこうって言ったでしょ? 」
とも。
そうだよ‥焦って考えたってなにもいいことは無いんだ。
今は、考えないで、気持ちを切り替える時間なんだ。
それは分かってる‥頭では分かっているのに、
無理に考えないでいるってことは‥凄く大変なことなんだ。
考えないでイイって言われた。
なんて素晴しいんだ!! って思う。
俺にとって、恋愛なんて「今まで無縁だったもの」で、考えないでイイって言われたら、普通~に、考えないと思う。
ほら、よく
意識するなって言われたら、余計に意識してしまう‥って言うじゃない? 。
例えば、ここにはオバケなんていない‥って思えば思うほど、オバケがいるような感じがするって奴。
あの茂みに潜んでる気がするし、あの天井のシミは人の顔に見えるし、風の音が人のうめき声に聞こえる‥。
そういうことは往々にしてよくあるけど、こと恋愛のことについては、考えないでイイって言われたら「お言葉に甘えて! 」って言える自信がある。
考えるのも嫌だ‥って毛嫌いしているわけでは無い。考える必要も無い程俺の人生にとって無駄なこと‥だとは思わない。
そういうことも、人生にとっては大事なことだってわかる。
好きな子をただ純粋に好きって言える‥好きの先に何もない‥何も考えないでイイ「子供」でいられたなら、どんなに楽か。
俺は子供にしか許されないそんな「楽しいだけの恋愛」をしてこなかったことを‥今になって悔やんでいるんだ。
「マリアンちゃんはどんな子供だった? 」
「女学校行ってたんだ! 女学校ってどんなこと学ぶの? 」
「地球の学校はね~」
マリアンちゃんと他愛もない会話をする。
ナラフィス先生は「マリアンちゃんと女子トークでも楽しんでみたら☆」なんて言うけど、女子トークって何だろう。‥そういうのはよくわからないけど、マリアンちゃんとの会話は楽しい。
ミチルとの馬鹿話とはちょっと違う、なんか、心が洗われる‥とは違うけど‥なんか後味さっぱりって感じなんだ。馬鹿話をした後は「あ~面白かった」って思う反面「俺、何話してんだよ‥恥ずかしいな」って思う時もあるもんな。
ミチルとしたのは、中学や高校、大学の時の話が多かったかな。
高校の頃、コッソリピザを買いに行って部室で映画上映会をしてたのが先生にバレて怒られたこと、先生の教科書にこっそり「エロい写真」を挟んだ‥のが何故か俺たちの仕業だってバレてやっぱり怒られた‥こととか、先生が車に乗るのを影で待ち構えて、乗り込んだ瞬間仲間で取り囲んで車を持ち上げたり‥とか、卒業式の日に散々怒られたその先生に花を送って泣かれた‥とか‥
ほんっと馬鹿なことばっかりしてた話。
俺たちの学校って結構「馬鹿ばっかり」揃ってたからそんなのばっかりなんだ。
女子もいたはずなのに、俺たちの周りは女っ気なんか全然なくって女子たちに「あいつら、ホント馬鹿‥」って呆れた顔されてた。
って話をした。
同じ男子高生だったはずのミチルは‥全然そんな高校生活送ってなくって、「ん? 」って思ったっけ。
‥普通の、「モテてた男子高生生活」送ってて、「別世界‥」って思ったな~。
俺らって一体‥恥ずかしい‥って思ったもんだ。
だけど、それだけ。
ミチルがモテてたってことに、嫉妬したりしたことは‥そういえばなかったな。
俺、ミチルの事好きなのかも‥って思ってたけど、ホントに好きなら嫉妬したりしたんじゃないのかな。
付き合ってた女の子の話聞きたくないって思ったり‥したんじゃないかな。
‥そういえば、ミチルの彼女とかち合わせたこともあったな~。あの時、彼女は俺のこと彼女だって勘違いして、怒ってたし‥悲しんでた。
恋愛って‥そういうもんじゃないだろうか。
多分ね‥よくわかんないけど。
俺が恋愛音痴だから‥じゃなくって、俺のミチルに対する「好き」が恋愛感情じゃなかった‥ってこと‥?
「マリアンちゃん‥。俺‥ミチルの事好きだって思ってた。だけど、ね‥
俺のミチルに対する「好き」は恋愛感情の「好き」じゃなかった‥」
マリアンちゃんは、俺に紅茶を淹れてくれていた手を止めて、きちんと俺を見て話を聞いてくれた。
「ミチルといて楽しい。一生一緒に居たいって思う。だけど、ミチルの恋愛‥俺以外の人といるミチルを想像しても、俺は驚くほど冷静‥何も感じないんだ。寧ろ、誰かと幸せになってくれたらいい‥って思ってる。
俺は‥」
ミチルは俺のこと、恋愛感情って意味で好きだって言ってくれてるのに‥俺は‥
誰か別の人を好きになってくれることを望んでる。
‥ミチルはその別の人と結婚して幸せになって欲しいって思ってる。
俺は‥!
マリアンちゃんは俺に何も言わない。
「ズルいね」
とも
「恋愛のこと、今は考えないでおこうって言ったでしょ? 」
とも。
そうだよ‥焦って考えたってなにもいいことは無いんだ。
今は、考えないで、気持ちを切り替える時間なんだ。
それは分かってる‥頭では分かっているのに、
無理に考えないでいるってことは‥凄く大変なことなんだ。
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