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十九章 「皆が望むハッピーエンド」
9.夢じゃなくて、よかった。
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隣の芝生は青い。
他人の持ってるものが自分の持ってるものよりいいものに見えること。
だけど‥多くの場合、そう見えるだけで実際はそうでもない。
しかも、隣を羨んでも仕方がない。
だけど、人っていうのは他人が持ってるものが良く見えるし、羨んでしまうし‥自分の持ってるものの良さは分からない。‥否、自分の持ってるもの以上のものを他の人は持ってるって思ってしまう。
実際問題、僕は恵まれてるって思う。
天才って言われる頭脳。
‥自分では分からないけど、
「凡人とは発想が違う」「そこでさっと知識が出て来るのが凄い。そうやって知識が蓄積されてるから、応用できるんだろうな」
とか言われる。
リバーシだから時間に縛られない。
魔法は使えないが、魔道具を使えばまかなえるものもある。魔法と違って思い通りって訳にはいかないし、魔道具が無ければ実現不可能なのは‥残念だけど仕方がない。
でも、それを買うだけの資金がある。
それは、家が金持ちだからではなく、高給取りだからだってつい最近まで思ってたけど、今みたいにラルシュやサラージに認められる切っ掛けになったのは父親が王弟だったからだ。‥やっとこの頃それを認められるようになった。
所詮、僕一人の力ではここまで来れなかった。
恵まれてるんだ。僕は生まれつき。
そんな僕が隣の芝生を羨ましがるのはどうだって思われるかもしれないけど‥僕は、夜寝て朝起きて「昨日変な夢見たわ」「昨日の夢は覚えてないけど‥いい夢だった気がする」って皆が話しているのが‥羨ましかった。
自分の考え出したことじゃないまったく予測不能な出来事を見れるとか‥そんな羨ましいことある?
僕にそんな機会を与えてくれたんだったら、そこからもっと理論を展開させたりして新発見とか出来ちゃうかもしれないわけじゃない?
そんなことを思った。
だけど‥ホントはもっと純粋に興味があった。
あんなにほっこりした笑顔に成程楽しい夢ってどんなだろ。変な夢ってどんなの? 気になる!
分からないから‥気になるんだ。
分かってしまったらなあんだ、っていうものかもしれないけど‥分からないから気になるし、羨ましいんだ。
隣の芝生と一緒だ。
だけど、それ以上に‥
怖い夢を見て、うなされて‥目が覚めたら愛する人がいて‥心配してくれてる。それを見て「夢でよかった」って思う。
それが羨ましかったんだって‥今分かった。
「‥それは、それこそ夢のような世界だね。まるで普通の人のようだね」
って思わず言った僕に、
「夢のよう‥ですか? 」
マリアンが首を傾げる。
当たり前に持ってる人には分からないよ。
っていつもの様に思って‥こころの中で腐ろうとしてたら‥
マリアンはふわっと微笑んで
「‥私にとっては、今この瞬間すべてが夢みたいです。
タツキ様との生活。ヒジリ様に会えたこと、魔法学校が見れたこと。‥魔法学校の生徒が普通の生徒と変わらないって分かって驚いたこと。
私の今までにはなかったことばっかり。
しかも、それが「目が覚めたらなかったこと」にならないんですよ! 夢より凄いですよね! 」
って言ったんだ。
言っててちょっと興奮したのか‥頬を高揚させてるマリアンに僕を慰めようとか、「仕方がないじゃないか、そんなものお前が思うほど大したものじゃないって」って諦めさせようとかいう様子なんて全然見られなかった。
純粋に
今が夢なんかよりもっと素晴らしいって僕に伝えようとしてくれている。
僕といることが楽しいって言ってくれる。
それが嬉しかった。
そんな顔見てたら「それはそれなんだよな~」って反論するのも馬鹿らしい気になって来る。
それに‥さっき(※ 幼い頃のサラージやラルシュが出てきた例のあれ)のがホントに(長年憧れて来た)夢っていうものだったんだとしたら‥確かに「思うほど大したものじゃ」なかった。
しかも、後半覚えてないんだけど‥マリアンによるとうなされてたらしいし‥
あの後‥何があったんだろ。
どうせ、サラージがなんかしでかして三人で怒られた‥とかそういったことだろう。
夢なんて思った程、たいしたことじゃないのかもしれない。
そう思ったら‥笑えて来た。
あんな憧れてた夢があんなのだったの? なんだ‥がっかりって‥笑えて来た。
はは‥って力なく笑って
「僕は夢に希望を持ちすぎてた。勝手に、素晴らしいもんだって期待して、そんなのを毎日見ることが出来る皆に勝手に嫉妬してた。‥馬鹿みたいだよねえ。
‥でもね、それだけじゃないんだ。
僕は‥裏の世界に行っているとき‥身体が冷たくなっちゃうでしょ? 気持ち悪いよね。死体みたいだよね。‥死体と一緒に寝むれる人なんていない。
それは分かってるんだけど‥憧れてたんだ。愛する人と一緒に眠れたら‥きっと幸せだろうなって。子供みたいに他人を羨んで、‥ない物ねだりしてた」
目が覚めた時、愛する人が自分の腕の中にいる‥ことは無理でも(※ リバーシは皆、精神が抜けたときは、真っすぐ仰向けの状態になる。何故か分からないが、単純にうつ伏せになると息苦しい‥とかいう理由だろう。死後硬直‥じゃないけど、身体もその状態で固まってしまうらしい。しかも、死体以上に‥銅像かなんかか? って思うほど、全然動かせないらしい)すぐ横にいてくれたら‥。
ささやかだけど、切実な願い。決してかなうことのない‥実現不可能な願望。
‥家族でさえも、気持ち悪がって無理だったしね。母さんも父さんと一緒に眠ってなかった。父さんはその理由を
「仕事に熱中しちゃったら眠る時間がバラバラになるだろ? 母さんに悪いから」
って言ってたけど、絶対それだけが理由じゃないだろう。
リバーシには無理なんだよ。僕だけ、じゃなくてね!
そんなことを考えてたら、ふと‥昨日のデートのことを思い出した。
「外は寒いですけど、タツキ様と手を繋いだらあったかいです! お出かけ、楽しいです! 」
そう言ってたマリアン。
寒い時、肩を寄せ合って眠ってた(僕以外の)兄弟たち。(別に布団が足りないとかじゃない。ただ、一緒に寝てる方があったかいからだ。この国の冬は結構寒いからね。この頃は魔道具も一般に普及して来たけど、高価だし、需要に対して供給量が足りてる‥とはいえないからね)
‥まあ、そうじゃなくても、人肌ってあったかい。こころも身体もポカポカするよね。
そうか‥僕は‥愛する人に体温を分け与えることも出来ないんだ‥。
「‥ゴメン。忘れて」
って笑って「しんみりした話しちゃったね」って話をはぐらかし‥誤魔化そうとしたらマリアンが
「夏なら‥涼しくっていいかもしれないですよ? それに‥冬なら私が温めてあげます。いやいや‥そんな話じゃなくって‥
私が言いたいのは‥
気にしないでください。ってことです。そんなことで‥私と線を引かないでくださいって‥言いたいんです。
私がこう思うだろう‥って勝手に決めつけて‥勝手に傷つかないでください。
私、「冷たいからやだ」とか思わないです。見くびらないでください。
私は‥タツキ様が思ってるよりずっと、精神的に強いし、それに何より! タツキ様のことが好きです。
そもそも‥身体が冷たい状態だって‥タツキ様は死体じゃないじゃないですか。息もしてるし、呼吸もしてる。
私たちが眠っている状態とは違うってタツキ様は気にしておられるけど‥確かに実際にも違うんだろうけど‥私にとってはちっとも変わらないですよ?
タツキ様がここにいる。
その事実だけで、十分です」
真っすぐ僕を見つめて言った。
怒ってるマリアンに‥涙が自然とこぼれた。
嬉しかったんだ。
「マリアン‥」
‥涙声になっちゃった。恥ずかしいな。
そんな僕を抱きしめ、優しく微笑んだマリアンの暖かさ。
隣の芝生なんて、どうでもいい。隣の芝生は所詮他人のものだし、隣の芝生に気を取られて自分の庭の芝生を枯らしちゃったらそれこそ間抜けな話じゃないか。
そう思えた。
(side マリアン)
私の旦那様は、確かに普通の人とは違うかもしれないです。
だけど、皆どこか他の人と違うんです。
そもそも‥他の人とかどうでもいいです。タツキ様が私の「唯一の」旦那様なんだから。
静かに、でも今日も確かに心臓を動かして、呼吸して私のすぐそばで眠る私の最愛の人。朝が来て‥どんどん体温が戻って来て‥(体温が戻るのは徐々にだけど)急にかっと目を見開いて‥今日も驚いたような顔で私を見るタツキ様‥。(初めてかっと目が開く瞬間を見たときは正直驚いた。「うわ! 」って叫ばなかったのは‥今思ってもファインプレーだった)そして、(眠った振りしてる)私を見て「よかった‥嬉しい‥」って呟いて、ぎゅって抱きしめてくれる。そしたら、私も目を開けて「おはようございます」って言って二人顔を見合わせて‥微笑んでキスをして
「夢じゃなくてよかった! 」
って言って抱き合うんだ。
それが‥私の大好きな時間なんです。
他人の持ってるものが自分の持ってるものよりいいものに見えること。
だけど‥多くの場合、そう見えるだけで実際はそうでもない。
しかも、隣を羨んでも仕方がない。
だけど、人っていうのは他人が持ってるものが良く見えるし、羨んでしまうし‥自分の持ってるものの良さは分からない。‥否、自分の持ってるもの以上のものを他の人は持ってるって思ってしまう。
実際問題、僕は恵まれてるって思う。
天才って言われる頭脳。
‥自分では分からないけど、
「凡人とは発想が違う」「そこでさっと知識が出て来るのが凄い。そうやって知識が蓄積されてるから、応用できるんだろうな」
とか言われる。
リバーシだから時間に縛られない。
魔法は使えないが、魔道具を使えばまかなえるものもある。魔法と違って思い通りって訳にはいかないし、魔道具が無ければ実現不可能なのは‥残念だけど仕方がない。
でも、それを買うだけの資金がある。
それは、家が金持ちだからではなく、高給取りだからだってつい最近まで思ってたけど、今みたいにラルシュやサラージに認められる切っ掛けになったのは父親が王弟だったからだ。‥やっとこの頃それを認められるようになった。
所詮、僕一人の力ではここまで来れなかった。
恵まれてるんだ。僕は生まれつき。
そんな僕が隣の芝生を羨ましがるのはどうだって思われるかもしれないけど‥僕は、夜寝て朝起きて「昨日変な夢見たわ」「昨日の夢は覚えてないけど‥いい夢だった気がする」って皆が話しているのが‥羨ましかった。
自分の考え出したことじゃないまったく予測不能な出来事を見れるとか‥そんな羨ましいことある?
僕にそんな機会を与えてくれたんだったら、そこからもっと理論を展開させたりして新発見とか出来ちゃうかもしれないわけじゃない?
そんなことを思った。
だけど‥ホントはもっと純粋に興味があった。
あんなにほっこりした笑顔に成程楽しい夢ってどんなだろ。変な夢ってどんなの? 気になる!
分からないから‥気になるんだ。
分かってしまったらなあんだ、っていうものかもしれないけど‥分からないから気になるし、羨ましいんだ。
隣の芝生と一緒だ。
だけど、それ以上に‥
怖い夢を見て、うなされて‥目が覚めたら愛する人がいて‥心配してくれてる。それを見て「夢でよかった」って思う。
それが羨ましかったんだって‥今分かった。
「‥それは、それこそ夢のような世界だね。まるで普通の人のようだね」
って思わず言った僕に、
「夢のよう‥ですか? 」
マリアンが首を傾げる。
当たり前に持ってる人には分からないよ。
っていつもの様に思って‥こころの中で腐ろうとしてたら‥
マリアンはふわっと微笑んで
「‥私にとっては、今この瞬間すべてが夢みたいです。
タツキ様との生活。ヒジリ様に会えたこと、魔法学校が見れたこと。‥魔法学校の生徒が普通の生徒と変わらないって分かって驚いたこと。
私の今までにはなかったことばっかり。
しかも、それが「目が覚めたらなかったこと」にならないんですよ! 夢より凄いですよね! 」
って言ったんだ。
言っててちょっと興奮したのか‥頬を高揚させてるマリアンに僕を慰めようとか、「仕方がないじゃないか、そんなものお前が思うほど大したものじゃないって」って諦めさせようとかいう様子なんて全然見られなかった。
純粋に
今が夢なんかよりもっと素晴らしいって僕に伝えようとしてくれている。
僕といることが楽しいって言ってくれる。
それが嬉しかった。
そんな顔見てたら「それはそれなんだよな~」って反論するのも馬鹿らしい気になって来る。
それに‥さっき(※ 幼い頃のサラージやラルシュが出てきた例のあれ)のがホントに(長年憧れて来た)夢っていうものだったんだとしたら‥確かに「思うほど大したものじゃ」なかった。
しかも、後半覚えてないんだけど‥マリアンによるとうなされてたらしいし‥
あの後‥何があったんだろ。
どうせ、サラージがなんかしでかして三人で怒られた‥とかそういったことだろう。
夢なんて思った程、たいしたことじゃないのかもしれない。
そう思ったら‥笑えて来た。
あんな憧れてた夢があんなのだったの? なんだ‥がっかりって‥笑えて来た。
はは‥って力なく笑って
「僕は夢に希望を持ちすぎてた。勝手に、素晴らしいもんだって期待して、そんなのを毎日見ることが出来る皆に勝手に嫉妬してた。‥馬鹿みたいだよねえ。
‥でもね、それだけじゃないんだ。
僕は‥裏の世界に行っているとき‥身体が冷たくなっちゃうでしょ? 気持ち悪いよね。死体みたいだよね。‥死体と一緒に寝むれる人なんていない。
それは分かってるんだけど‥憧れてたんだ。愛する人と一緒に眠れたら‥きっと幸せだろうなって。子供みたいに他人を羨んで、‥ない物ねだりしてた」
目が覚めた時、愛する人が自分の腕の中にいる‥ことは無理でも(※ リバーシは皆、精神が抜けたときは、真っすぐ仰向けの状態になる。何故か分からないが、単純にうつ伏せになると息苦しい‥とかいう理由だろう。死後硬直‥じゃないけど、身体もその状態で固まってしまうらしい。しかも、死体以上に‥銅像かなんかか? って思うほど、全然動かせないらしい)すぐ横にいてくれたら‥。
ささやかだけど、切実な願い。決してかなうことのない‥実現不可能な願望。
‥家族でさえも、気持ち悪がって無理だったしね。母さんも父さんと一緒に眠ってなかった。父さんはその理由を
「仕事に熱中しちゃったら眠る時間がバラバラになるだろ? 母さんに悪いから」
って言ってたけど、絶対それだけが理由じゃないだろう。
リバーシには無理なんだよ。僕だけ、じゃなくてね!
そんなことを考えてたら、ふと‥昨日のデートのことを思い出した。
「外は寒いですけど、タツキ様と手を繋いだらあったかいです! お出かけ、楽しいです! 」
そう言ってたマリアン。
寒い時、肩を寄せ合って眠ってた(僕以外の)兄弟たち。(別に布団が足りないとかじゃない。ただ、一緒に寝てる方があったかいからだ。この国の冬は結構寒いからね。この頃は魔道具も一般に普及して来たけど、高価だし、需要に対して供給量が足りてる‥とはいえないからね)
‥まあ、そうじゃなくても、人肌ってあったかい。こころも身体もポカポカするよね。
そうか‥僕は‥愛する人に体温を分け与えることも出来ないんだ‥。
「‥ゴメン。忘れて」
って笑って「しんみりした話しちゃったね」って話をはぐらかし‥誤魔化そうとしたらマリアンが
「夏なら‥涼しくっていいかもしれないですよ? それに‥冬なら私が温めてあげます。いやいや‥そんな話じゃなくって‥
私が言いたいのは‥
気にしないでください。ってことです。そんなことで‥私と線を引かないでくださいって‥言いたいんです。
私がこう思うだろう‥って勝手に決めつけて‥勝手に傷つかないでください。
私、「冷たいからやだ」とか思わないです。見くびらないでください。
私は‥タツキ様が思ってるよりずっと、精神的に強いし、それに何より! タツキ様のことが好きです。
そもそも‥身体が冷たい状態だって‥タツキ様は死体じゃないじゃないですか。息もしてるし、呼吸もしてる。
私たちが眠っている状態とは違うってタツキ様は気にしておられるけど‥確かに実際にも違うんだろうけど‥私にとってはちっとも変わらないですよ?
タツキ様がここにいる。
その事実だけで、十分です」
真っすぐ僕を見つめて言った。
怒ってるマリアンに‥涙が自然とこぼれた。
嬉しかったんだ。
「マリアン‥」
‥涙声になっちゃった。恥ずかしいな。
そんな僕を抱きしめ、優しく微笑んだマリアンの暖かさ。
隣の芝生なんて、どうでもいい。隣の芝生は所詮他人のものだし、隣の芝生に気を取られて自分の庭の芝生を枯らしちゃったらそれこそ間抜けな話じゃないか。
そう思えた。
(side マリアン)
私の旦那様は、確かに普通の人とは違うかもしれないです。
だけど、皆どこか他の人と違うんです。
そもそも‥他の人とかどうでもいいです。タツキ様が私の「唯一の」旦那様なんだから。
静かに、でも今日も確かに心臓を動かして、呼吸して私のすぐそばで眠る私の最愛の人。朝が来て‥どんどん体温が戻って来て‥(体温が戻るのは徐々にだけど)急にかっと目を見開いて‥今日も驚いたような顔で私を見るタツキ様‥。(初めてかっと目が開く瞬間を見たときは正直驚いた。「うわ! 」って叫ばなかったのは‥今思ってもファインプレーだった)そして、(眠った振りしてる)私を見て「よかった‥嬉しい‥」って呟いて、ぎゅって抱きしめてくれる。そしたら、私も目を開けて「おはようございます」って言って二人顔を見合わせて‥微笑んでキスをして
「夢じゃなくてよかった! 」
って言って抱き合うんだ。
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