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二十章 新世界
3.魔法の発動には原動力が必要。さて、ヒジリの原動力とは?
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‥頭を整理しよう。
ビジネスに「出来る」から「する」は良くない。
そんなの分かってる。だけど、今はそんな「こころの問題」の話してる場合じゃなくない?
そもそもね、お見合いで結婚しても一緒に暮らしてたら情が移ってなんだかんだで好きになるもんだ‥って話よく聞くよ? それでよくない? 今は「ええい! 勢いだ! 」で結婚を決めてもその先のことは、そういうのじゃないじゃない? 俺、別に「この人と結婚してよかったのかな‥」とか後悔して過ごす気ないよ?! 「あの人と結婚してたら人生変わってた‥」とかそんな後ろ向きなこと考えないよ!?
諦めがいい、とかでもない。‥俺はね、そんなに物事を考えないんだ。
行き当たりばったり。その時その時出来ることに最善をつくす。その方が人生ずっと有意義だって思う。
だけどね。結婚は‥そういうものじゃない。今までよりずっと「こころ」が関与してくる。
想像がつかないってのもある。
今まで異性(今までは男だって思ってたから女の子? )付き合ったこともないし、好きな人も出来たことなかったから。それどころか多分、性欲すらなかったかも。
「彼女欲しい~! 」
っていう同級生に同感できなかった。
今思えば仮の身体だったからかも? って(すべてを知った今なら)思えるけど‥それでさえも想像だ。
だけど、何とか出来るって思ってた。今までも何事も「何とか」なってたから。
色々考えたら‥せっかく覚悟を決めたのに、また迷いそうになる。
結婚は勢いって言うじゃない? 正気に戻ったら‥「でも、遊ぶ時間減るしなあ」「自分の時間が持てないとか‥なあ」とかデメリットバッカリ考えちゃう‥っていうじゃない?
俺の折角の決心に水を差さないで欲しい。
「僕はね。別にセクハラや興味本位でこんなことをヒジリに言ってるんじゃない。
別に‥気持ちが伴わなくてラルシュに対して不誠実とか‥それもどうでもいい。
ただね。
ヒジリの場合‥言わないといけないことだから言ったんだ」
ナラフィス先生が俺を真っすぐに見つめて言った。
俺の場合?
「今までヒジリの教師の真似事をしてきてさ、ヒジリが独特だってことが分かったんだ」
ナラフィス先生の勿体ぶったような言い方が‥もどかしい。
「俺が‥独特? 」
ナラフィス先生の言葉を反芻すると、
「うん。
ヒジリは‥本心で思ったことしか出来ないよね? 」
ナラフィス先生が頷いて言った。
は?
思わず首を傾げた。
いや、さっきアンタ「ビジネスでするな」って言っただろ? 俺は、別に本心ではそう思ってなくても出来るぞ? 寧ろ本心が分からん位だぞ?
首を傾げたまま「何言ってんのかわからん~」って顔してたら、
「元々はね。ヒジリは単純な人間だったんだよ。
だから、スキルが使えてた。
だけどね。色々考えるようになって‥ヒジリはスキルが使えないようになってきた」
??
ホント、何言ってんのかわからん??
俺は首を傾げ過ぎて首が痛くなってきた。
「魔法やスキルを使うには、魔力だけじゃなくて‥プラス「何か」‥原動力的なものがいる。
普通であったら、それは誰か個人への愛であったり、博愛心だったり、僕だったら探求心だったり‥ラルシュだったら「国の為」とかかな。それが‥
ヒジリの場合もある。勿論のことながら」
う~ん? あるのかな?
あるんだろうけど‥
‥なんだろ??
「僕はそれが分からなかった。だけど、ずっとヒジリのこと見て来て‥分かったんだ。
ヒジリの原動力は‥」
そこで‥
言葉を区切るな。タメるな。‥勿体ぶるな‥っ!
「ええカッコしたい、だ」
ええ!? なんだって!? ええカッコしたいって!? 何言っちゃってんの??
「例えば昔全盛期だった時。
ヒジリは幼馴染のナツミにええカッコしたかった。
そして、ええカッコするためにヒジリは数々のスキルを開発した。ナツミに「凄い! 」って言われて有頂天になって、またええカッコするためにヒジリは新しいスキルを開発したり、ナツミの魔法もどきの練習に付き合った。
‥ナツミはなかなか頭がいい子だな。ヒジリの使い方をよくわかってる。
まあ‥それはそうと
本来のヒジリはおだてに弱かった。そして‥ヒジリの原動力はズバリ、「ええカッコしたい」って思う気持ち。
原動力が「ええカッコしたい」って子供かよ。男の子かよ」
呆れ顔のナラフィス先生に俺はちょっとイラっと来たのもあった。
「自己顕示欲ってことじゃないの? もしくは承認欲求。自分の存在を認めて欲しいとか、自分を知って欲しいとか‥別にそれは珍しいことじゃないじゃない? 」
俺も負けずに呆れ顔で言うと、ナラフィス先生は首を振る。
「いいや? ヒジリの場合は自分の存在をアピールしたいとか認めて欲しいとかじゃなくて、‥そのものズバリかっこつけたい。
アレだな。好きなあの子にカッコイイトコ見せたい。
だけど、ヒジリは‥昔もそういうところがあったのかは分からないけど‥今のヒジリは誰か一人に対してではなく皆に対してカッコイイトコ見せたいタイプって感じ。誰かの為の犠牲も全部「カッコよければそれで満足」って感じ」
ええ~??
俺そんな安っちい人間に見られてる?? 不本意~。
「まあ、それで。ヒジリのスキルを復活させる秘訣はズバリ。
ヒジリの「自分なんてどうせカッコよくない」っていう低くなった自己評価を捨てさせ、本来の「自分カッコイイ! このカッコイイ私を見て! 」なヒジリにもどすことだ」
‥ええ~。
ドン引きする俺に、
「さあ。ヒジリ。イメージトレーニングだ。
言ってみろ「私って世界一の美女だし~この美しさで世界は私に屈服するわ~」
はい、三四! 」
言ったのは、ミチル。
一見真剣で親切そうな表情だけど、それ、絶対面白がってるよな!?
「ヒジリ。言ってみて? 」
‥ラルシュ様‥。
「何事も試してみたらいいと思うぞ? 」
‥サラージ様も何気に真面目だよね?
だけど、ミチルの方法なんか、試す価値もないと思いますよ!?
盛大にため息をつく俺だった。
ビジネスに「出来る」から「する」は良くない。
そんなの分かってる。だけど、今はそんな「こころの問題」の話してる場合じゃなくない?
そもそもね、お見合いで結婚しても一緒に暮らしてたら情が移ってなんだかんだで好きになるもんだ‥って話よく聞くよ? それでよくない? 今は「ええい! 勢いだ! 」で結婚を決めてもその先のことは、そういうのじゃないじゃない? 俺、別に「この人と結婚してよかったのかな‥」とか後悔して過ごす気ないよ?! 「あの人と結婚してたら人生変わってた‥」とかそんな後ろ向きなこと考えないよ!?
諦めがいい、とかでもない。‥俺はね、そんなに物事を考えないんだ。
行き当たりばったり。その時その時出来ることに最善をつくす。その方が人生ずっと有意義だって思う。
だけどね。結婚は‥そういうものじゃない。今までよりずっと「こころ」が関与してくる。
想像がつかないってのもある。
今まで異性(今までは男だって思ってたから女の子? )付き合ったこともないし、好きな人も出来たことなかったから。それどころか多分、性欲すらなかったかも。
「彼女欲しい~! 」
っていう同級生に同感できなかった。
今思えば仮の身体だったからかも? って(すべてを知った今なら)思えるけど‥それでさえも想像だ。
だけど、何とか出来るって思ってた。今までも何事も「何とか」なってたから。
色々考えたら‥せっかく覚悟を決めたのに、また迷いそうになる。
結婚は勢いって言うじゃない? 正気に戻ったら‥「でも、遊ぶ時間減るしなあ」「自分の時間が持てないとか‥なあ」とかデメリットバッカリ考えちゃう‥っていうじゃない?
俺の折角の決心に水を差さないで欲しい。
「僕はね。別にセクハラや興味本位でこんなことをヒジリに言ってるんじゃない。
別に‥気持ちが伴わなくてラルシュに対して不誠実とか‥それもどうでもいい。
ただね。
ヒジリの場合‥言わないといけないことだから言ったんだ」
ナラフィス先生が俺を真っすぐに見つめて言った。
俺の場合?
「今までヒジリの教師の真似事をしてきてさ、ヒジリが独特だってことが分かったんだ」
ナラフィス先生の勿体ぶったような言い方が‥もどかしい。
「俺が‥独特? 」
ナラフィス先生の言葉を反芻すると、
「うん。
ヒジリは‥本心で思ったことしか出来ないよね? 」
ナラフィス先生が頷いて言った。
は?
思わず首を傾げた。
いや、さっきアンタ「ビジネスでするな」って言っただろ? 俺は、別に本心ではそう思ってなくても出来るぞ? 寧ろ本心が分からん位だぞ?
首を傾げたまま「何言ってんのかわからん~」って顔してたら、
「元々はね。ヒジリは単純な人間だったんだよ。
だから、スキルが使えてた。
だけどね。色々考えるようになって‥ヒジリはスキルが使えないようになってきた」
??
ホント、何言ってんのかわからん??
俺は首を傾げ過ぎて首が痛くなってきた。
「魔法やスキルを使うには、魔力だけじゃなくて‥プラス「何か」‥原動力的なものがいる。
普通であったら、それは誰か個人への愛であったり、博愛心だったり、僕だったら探求心だったり‥ラルシュだったら「国の為」とかかな。それが‥
ヒジリの場合もある。勿論のことながら」
う~ん? あるのかな?
あるんだろうけど‥
‥なんだろ??
「僕はそれが分からなかった。だけど、ずっとヒジリのこと見て来て‥分かったんだ。
ヒジリの原動力は‥」
そこで‥
言葉を区切るな。タメるな。‥勿体ぶるな‥っ!
「ええカッコしたい、だ」
ええ!? なんだって!? ええカッコしたいって!? 何言っちゃってんの??
「例えば昔全盛期だった時。
ヒジリは幼馴染のナツミにええカッコしたかった。
そして、ええカッコするためにヒジリは数々のスキルを開発した。ナツミに「凄い! 」って言われて有頂天になって、またええカッコするためにヒジリは新しいスキルを開発したり、ナツミの魔法もどきの練習に付き合った。
‥ナツミはなかなか頭がいい子だな。ヒジリの使い方をよくわかってる。
まあ‥それはそうと
本来のヒジリはおだてに弱かった。そして‥ヒジリの原動力はズバリ、「ええカッコしたい」って思う気持ち。
原動力が「ええカッコしたい」って子供かよ。男の子かよ」
呆れ顔のナラフィス先生に俺はちょっとイラっと来たのもあった。
「自己顕示欲ってことじゃないの? もしくは承認欲求。自分の存在を認めて欲しいとか、自分を知って欲しいとか‥別にそれは珍しいことじゃないじゃない? 」
俺も負けずに呆れ顔で言うと、ナラフィス先生は首を振る。
「いいや? ヒジリの場合は自分の存在をアピールしたいとか認めて欲しいとかじゃなくて、‥そのものズバリかっこつけたい。
アレだな。好きなあの子にカッコイイトコ見せたい。
だけど、ヒジリは‥昔もそういうところがあったのかは分からないけど‥今のヒジリは誰か一人に対してではなく皆に対してカッコイイトコ見せたいタイプって感じ。誰かの為の犠牲も全部「カッコよければそれで満足」って感じ」
ええ~??
俺そんな安っちい人間に見られてる?? 不本意~。
「まあ、それで。ヒジリのスキルを復活させる秘訣はズバリ。
ヒジリの「自分なんてどうせカッコよくない」っていう低くなった自己評価を捨てさせ、本来の「自分カッコイイ! このカッコイイ私を見て! 」なヒジリにもどすことだ」
‥ええ~。
ドン引きする俺に、
「さあ。ヒジリ。イメージトレーニングだ。
言ってみろ「私って世界一の美女だし~この美しさで世界は私に屈服するわ~」
はい、三四! 」
言ったのは、ミチル。
一見真剣で親切そうな表情だけど、それ、絶対面白がってるよな!?
「ヒジリ。言ってみて? 」
‥ラルシュ様‥。
「何事も試してみたらいいと思うぞ? 」
‥サラージ様も何気に真面目だよね?
だけど、ミチルの方法なんか、試す価値もないと思いますよ!?
盛大にため息をつく俺だった。
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