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本編
Ⅱ
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王太子であるルノワールは正妃、現在の皇后から産まれ、幼い頃から王太子として、学門、体術ともに秀でていた。しかし、第二妃から産まれた義弟エレオノールの産声を聞いた瞬間に、ふと思い出したのだ。
―――自分の前世を。
ルノワールは一般家庭で育った男だった。ライトノベルや乙女ゲームなどが好きな俗に言うオタクだった。
義弟の産声、そして義弟を産んだときに死んでしまった第二妃を悲しむ国王と皇后、王宮中のメイドや執事、貴族達。それらからいくつかの候補を絞り、こっそり王宮の図書室で読んだ貴族名簿の家名から、自分がライトノベルから乙女ゲームにまでなった、『華ひらく学園✾運命の相手は?』という通称『華ガク』というラノベ、もしくはゲームの世界だと確信を持った。
『華ガク』は平民のヒロインが王立アカデミーに入学して、女友達を作るも良し、男友達を作るも良し、百合をしても、逆ハーレムを作っても良し。というオールマイティーな乙女ゲームで、ラノベでは王太子であるルノワールと仲良くなり、結婚をするという話だった。そして、ラノベでもゲームでも悪役として公爵令嬢であるマリアネルがヒロインを虐めるという設定だった。しかし、マリアネルの言い分は間違っていないし、貴族がほとんどの王立アカデミーで平民であるヒロインは注意の対象であった。
ラノベでは、悪役である公爵令嬢と婚約破棄をした王太子とヒロインが結婚して王太子妃になってハッピーエンドで1巻目は終わった。だが、2巻目で悪役令嬢視点の俗に言うざまぁが出版されたときは、ファンが喜んだ。マリアネルを推しているファンは多く、重版まで決まっていた。そんな2巻では、王太子であるルノワールが悪役となり、婚約破棄後にルノワールが廃嫡され、マリアネルは第二王子であったエレオノールと婚約して王太子妃になるという話だった。
2巻で書かれていた話では、ルノワールがエレオノールを虐めていたという1巻からすると衝撃の展開が繰り広げられた。第二妃は皇后と親友で、共に同じ人(国王陛下)を好きになったので二人で仲良く嫁いだのだった。しかし、エレオノールの出産とともに死んでしまった第二妃。そして、親友の第二妃の分までエレオノールに手をかけて国王夫妻は育てたのだ。ルノワールを放置し気味で。
転生したからこそ分かる、ルノワールは両親をとられ、かまってほしかった、愛されたかったのだ。そして、自分はかまってもらえないのに、愛されているエレオノールが憎かったのだ。だからこそ、虐めたのだと分かる。
僕自身、ルノワールになりこの世界のシナリオを知っているのでチートができる!愛してもらえる!と思い出した当初は喜んだ。だが、ふと気付いてしまったのだ。沢山の読み漁ったラノベの中では、シナリオを変えようとして余計な死者を出したり、思わぬ方向に被害を出したりと、シナリオを変えようとした為の悲惨な途中経過をする主人公たちが何人かいた。所謂、強制力。テンプレだ。僕は、そんなあらぬ方向に被害を出すくらいならば、シナリオに従う事にした。
流石にエレオノールを虐めようとは思わなかった為、関わらないように、無視をするようにした。結果的には、僕は、エレオノールに嫌われているので大丈夫だと思った。そして、先程の婚約破棄でストーリーは、2巻に移るだろう。事実、僕には思いを寄せる女性なんかいないし、ヒロインの女生徒も友情エンドに進んだらしく、僕とは関わっていなかった。
―――そんなことを考えながら、廃嫡のために国王に呼ばれるのを自室で待っていた。
―――自分の前世を。
ルノワールは一般家庭で育った男だった。ライトノベルや乙女ゲームなどが好きな俗に言うオタクだった。
義弟の産声、そして義弟を産んだときに死んでしまった第二妃を悲しむ国王と皇后、王宮中のメイドや執事、貴族達。それらからいくつかの候補を絞り、こっそり王宮の図書室で読んだ貴族名簿の家名から、自分がライトノベルから乙女ゲームにまでなった、『華ひらく学園✾運命の相手は?』という通称『華ガク』というラノベ、もしくはゲームの世界だと確信を持った。
『華ガク』は平民のヒロインが王立アカデミーに入学して、女友達を作るも良し、男友達を作るも良し、百合をしても、逆ハーレムを作っても良し。というオールマイティーな乙女ゲームで、ラノベでは王太子であるルノワールと仲良くなり、結婚をするという話だった。そして、ラノベでもゲームでも悪役として公爵令嬢であるマリアネルがヒロインを虐めるという設定だった。しかし、マリアネルの言い分は間違っていないし、貴族がほとんどの王立アカデミーで平民であるヒロインは注意の対象であった。
ラノベでは、悪役である公爵令嬢と婚約破棄をした王太子とヒロインが結婚して王太子妃になってハッピーエンドで1巻目は終わった。だが、2巻目で悪役令嬢視点の俗に言うざまぁが出版されたときは、ファンが喜んだ。マリアネルを推しているファンは多く、重版まで決まっていた。そんな2巻では、王太子であるルノワールが悪役となり、婚約破棄後にルノワールが廃嫡され、マリアネルは第二王子であったエレオノールと婚約して王太子妃になるという話だった。
2巻で書かれていた話では、ルノワールがエレオノールを虐めていたという1巻からすると衝撃の展開が繰り広げられた。第二妃は皇后と親友で、共に同じ人(国王陛下)を好きになったので二人で仲良く嫁いだのだった。しかし、エレオノールの出産とともに死んでしまった第二妃。そして、親友の第二妃の分までエレオノールに手をかけて国王夫妻は育てたのだ。ルノワールを放置し気味で。
転生したからこそ分かる、ルノワールは両親をとられ、かまってほしかった、愛されたかったのだ。そして、自分はかまってもらえないのに、愛されているエレオノールが憎かったのだ。だからこそ、虐めたのだと分かる。
僕自身、ルノワールになりこの世界のシナリオを知っているのでチートができる!愛してもらえる!と思い出した当初は喜んだ。だが、ふと気付いてしまったのだ。沢山の読み漁ったラノベの中では、シナリオを変えようとして余計な死者を出したり、思わぬ方向に被害を出したりと、シナリオを変えようとした為の悲惨な途中経過をする主人公たちが何人かいた。所謂、強制力。テンプレだ。僕は、そんなあらぬ方向に被害を出すくらいならば、シナリオに従う事にした。
流石にエレオノールを虐めようとは思わなかった為、関わらないように、無視をするようにした。結果的には、僕は、エレオノールに嫌われているので大丈夫だと思った。そして、先程の婚約破棄でストーリーは、2巻に移るだろう。事実、僕には思いを寄せる女性なんかいないし、ヒロインの女生徒も友情エンドに進んだらしく、僕とは関わっていなかった。
―――そんなことを考えながら、廃嫡のために国王に呼ばれるのを自室で待っていた。
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