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「……着いたぞ」
アレクセイ様の低い声と共に、馬車が重々しい音を立てて停止した。
私はゴクリと唾を飲み込み、窓の外を見上げた。
そこにあるのは、断崖絶壁にへばりつくように建設された、巨大な石造りの建造物。
尖った塔、鉄格子の嵌まった窓、そして空を舞う謎の巨大な鳥(ワイバーン?)。
どう見ても『魔王城』だ。
あるいは『ラストダンジョン』だ。
(こ、ここで暮らすの……?)
私のスローライフ計画に、一抹の不安……いや、絶望がよぎる。
畑を耕す前に、魔物に食べられる心配をした方がいいのではないだろうか。
「降りろ。皆が待っている」
アレクセイ様が扉を開け、手を差し伸べてくる。
私はその手を握り(震えを止めるのに必死だった)、馬車から降り立った。
その瞬間。
「「「おかえりなさいませェェェッ!! 閣下ァァァァッ!!!」」」
地響きのような怒号が轟いた。
「ひぃっ!?」
私は思わずアレクセイ様の背中に隠れた。
恐る恐る顔を出すと、そこには異様な集団が整列していた。
全身傷だらけの大男。
眼帯をした隻眼の老人。
巨大な戦斧を背負ったメイド。
モヒカン頭の庭師。
(……山賊のアジト?)
いいえ、どうやら彼らがこの城の使用人らしい。
全員が全員、歴戦の猛者というオーラを放っている。
私の実家の使用人も強面揃いだったが、ここはレベルが違う。
『殺る気』の密度が濃い。
「……ただいま戻った。留守中、変わりはなかったか」
アレクセイ様が平然と問いかける。
「ハッ! 北の森からオーガの群れが出ましたが、全員でボコ……撃退いたしました!」
「東の岩山崩れも、気合で直しておきました!」
「夕食の熊も、いい感じに血抜きが終わっております!」
報告内容がワイルドすぎる。
ここは本当に貴族の屋敷なのだろうか。
すると、使用人たちの視線が一斉に、アレクセイ様の背後にいる私に向けられた。
数百の眼光が突き刺さる。
「……閣下。その後ろの小娘……いや、ご婦人は?」
眼帯の老執事が、鋭い目で私を値踏みしてくる。
私は恐怖で石になりかけた。
(殺される……! 『なんだその貧弱な女は! 閣下の隣にふさわしくねぇ!』って言われて、崖から突き落とされるんだわ!)
私は必死に、公爵令嬢としての威厳を保とうとした。
震える足をドレス(まだモンペ姿ではないが、泥は落ちている)の下で踏ん張り、顔を上げて彼らを見返す。
精一杯の虚勢だ。
(負けてはいけない。ここで目を逸らせば、食われる……!)
私は無言で、眼帯執事を睨み返した。
私の目は生まれつき三白眼で、緊張すると瞳孔が開いてさらに凶悪になる。
今の私は、おそらく『お前らの内臓を売り捌いてやろうか』くらいの目つきをしていたはずだ。
一秒、二秒、三秒。
沈黙が流れる。
やがて、執事の頬がピクリと引きつった。
そして、彼は感極まったように震え出した。
「……なんという……」
「え?」
「なんという眼力(メヂカラ)……! 閣下と渡り合えるほどの、凄まじい殺気……!」
「……は?」
「あのか細い体から、これほどの覇気を放つとは……! この方こそ、我らが『氷の閣下』の伴侶にふさわしいお方だァァァ!!」
「「「うおおおおおおおおっ!! 姐(あね)さん!! 一生ついていきます!!」」」
ドワッ! と歓声が上がった。
全員が地面に頭を擦り付けんばかりの最敬礼をしている。
(……え? 姐さん?)
私はポカンとした。
どうやら彼らの基準では、『目つきが怖い』=『強い』=『尊敬に値する』という図式が成り立つらしい。
実家の使用人と同じパターンだ。
類は友を呼ぶと言うが、強面は強面を引き寄せるのだろうか。
「……気に入られたようだな」
アレクセイ様が満足げに頷く。
「彼らは私の部下であり、家族だ。……見た目は少し怖いが、気はいい連中だ」
(少し……?)
主観のズレを感じつつも、とりあえず敵意がないことだけは分かった。
私はホッと胸を撫で下ろした。
「さあ、中へ。冷える」
案内された城内は、外観の禍々しさとは裏腹に、驚くほど快適だった。
まず、暖かい。
玄関ホールに入った瞬間、春のような陽気に包まれた。
「これは……魔導暖房?」
「ああ。地下の源泉熱と魔石を組み合わせて、城全体を温めている。……君が寒い思いをしないように、出かける前に出力を最大にしておいた」
「私のために……?」
「当然だ。……風邪を引かれては、看病が大変だからな」
素直じゃない。
でも、その配慮が心に沁みる。
通された客室(という名の私室)も豪華だった。
ふかふかの絨毯。
猫足の家具。
そして、窓からは雄大な雪山が一望できる絶景。
「荷物は適当に置いてくれ。……すぐに食事にする」
「はい!」
食事。
その言葉に、私の尻尾(幻覚)が大きく振られた。
いよいよ、あの熊肉シチューとご対面だ。
食堂へ移動すると、長いテーブルにはすでに料理が並べられていた。
そして、その横には、身長二メートル近い巨体の女性が立っていた。
メイド服を着ているが、筋肉の鎧を纏っているようにしか見えない。
背中にはなぜか巨大な中華鍋を背負っている。
「ようこそおいでやす。料理長のマーサだ」
「は、はじめまして……カトレアです」
「閣下から聞いているよ。食い……いや、健啖家のお嬢さんだってな」
マーサさんがニカッと笑う。
歯が白い。そして迫力がすごい。
「今日はとびきりの熊肉が入ったんだ。コトコト三日煮込んだ特製シチューだ。遠慮なく食いな」
ドンッ!
目の前に置かれたのは、洗面器サイズの皿に並々と注がれたシチュー。
湯気と共に、芳醇な香りが漂う。
私はスプーンを手に取った。
一口、スープを啜る。
「……っ!!」
衝撃が走った。
濃厚なデミグラスソースのようなコク。
しかし後味は驚くほど爽やかで、獣臭さは微塵もない。
そして、ゴロゴロと入っている肉の塊。
口に入れた瞬間、ホロホロと崩れて溶けていく。
「お、おいしい……!」
「だろ? こいつの脂は甘いんだよ」
「野菜も……これ、人参ですか? すごく甘い!」
「雪下人参だ。果物より甘いだろう」
止まらない。
私は公爵令嬢のマナー(一口三十回噛む)を完全に忘れ、リスのように頬を膨らませて食べ続けた。
パンを浸し、肉を頬張り、スープを飲み干す。
「……よく食うな」
向かいで見ていたアレクセイ様が、呆れたように、でもどこか嬉しそうに目を細めている。
「見ていて気持ちがいい」
「むぐ、申し訳ありまふぇん……あまりに美味しくて……」
「構わん。おかわりもある」
結局、私は三杯おかわりをした。
お腹がはち切れそうだ。
幸せすぎて、ここが魔王城だということを忘れそうになる。
食後。
私はふかふかのベッドにダイブした。
「ふあぁ……」
極楽だ。
王都では、夜会のためにダイエットを強要され、常に空腹だった。
冷たい視線に晒され、胃を痛めていた。
それがどうだ。
ここでは、温かい部屋で、美味しいご飯をお腹いっぱい食べられる。
使用人たちは(見た目は怖いが)私を「姐さん」と慕ってくれる。
そして、家主のアレクセイ様は、無口だけどやたらと餌付けしてくる。
「……ここ、天国かもしれない」
私は天井を見上げて呟いた。
「監禁生活って聞いてたけど……これ、ただの高級リゾートホテルでの療養生活じゃない?」
もしこれが『罰』や『責任』だと言うなら、私は喜んで受け入れよう。
一生ここで、熊肉を食べて暮らしたい。
「……あ、でも」
ふと、重大なことを思い出した。
「畑」
まだ耕していない。
アレクセイ様との約束(という名の私の欲望)である、農作業。
食べて寝るだけでは、ただの豚になってしまう。
働かざる者食うべからず。
「明日は早起きして、畑の場所を確認しなきゃ……」
決意を胸に、私は目を閉じた。
襲いくる睡魔。
意識が遠のく中、私は夢を見た。
地平線まで広がる畑で、アレクセイ様と一緒にジャガイモを掘る夢を。
しかし翌朝。
私が案内された「畑」が、想像を絶する代物であることを、この時の私はまだ知らなかった。
辺境の厳しさは、気候だけではなかったのである。
アレクセイ様の低い声と共に、馬車が重々しい音を立てて停止した。
私はゴクリと唾を飲み込み、窓の外を見上げた。
そこにあるのは、断崖絶壁にへばりつくように建設された、巨大な石造りの建造物。
尖った塔、鉄格子の嵌まった窓、そして空を舞う謎の巨大な鳥(ワイバーン?)。
どう見ても『魔王城』だ。
あるいは『ラストダンジョン』だ。
(こ、ここで暮らすの……?)
私のスローライフ計画に、一抹の不安……いや、絶望がよぎる。
畑を耕す前に、魔物に食べられる心配をした方がいいのではないだろうか。
「降りろ。皆が待っている」
アレクセイ様が扉を開け、手を差し伸べてくる。
私はその手を握り(震えを止めるのに必死だった)、馬車から降り立った。
その瞬間。
「「「おかえりなさいませェェェッ!! 閣下ァァァァッ!!!」」」
地響きのような怒号が轟いた。
「ひぃっ!?」
私は思わずアレクセイ様の背中に隠れた。
恐る恐る顔を出すと、そこには異様な集団が整列していた。
全身傷だらけの大男。
眼帯をした隻眼の老人。
巨大な戦斧を背負ったメイド。
モヒカン頭の庭師。
(……山賊のアジト?)
いいえ、どうやら彼らがこの城の使用人らしい。
全員が全員、歴戦の猛者というオーラを放っている。
私の実家の使用人も強面揃いだったが、ここはレベルが違う。
『殺る気』の密度が濃い。
「……ただいま戻った。留守中、変わりはなかったか」
アレクセイ様が平然と問いかける。
「ハッ! 北の森からオーガの群れが出ましたが、全員でボコ……撃退いたしました!」
「東の岩山崩れも、気合で直しておきました!」
「夕食の熊も、いい感じに血抜きが終わっております!」
報告内容がワイルドすぎる。
ここは本当に貴族の屋敷なのだろうか。
すると、使用人たちの視線が一斉に、アレクセイ様の背後にいる私に向けられた。
数百の眼光が突き刺さる。
「……閣下。その後ろの小娘……いや、ご婦人は?」
眼帯の老執事が、鋭い目で私を値踏みしてくる。
私は恐怖で石になりかけた。
(殺される……! 『なんだその貧弱な女は! 閣下の隣にふさわしくねぇ!』って言われて、崖から突き落とされるんだわ!)
私は必死に、公爵令嬢としての威厳を保とうとした。
震える足をドレス(まだモンペ姿ではないが、泥は落ちている)の下で踏ん張り、顔を上げて彼らを見返す。
精一杯の虚勢だ。
(負けてはいけない。ここで目を逸らせば、食われる……!)
私は無言で、眼帯執事を睨み返した。
私の目は生まれつき三白眼で、緊張すると瞳孔が開いてさらに凶悪になる。
今の私は、おそらく『お前らの内臓を売り捌いてやろうか』くらいの目つきをしていたはずだ。
一秒、二秒、三秒。
沈黙が流れる。
やがて、執事の頬がピクリと引きつった。
そして、彼は感極まったように震え出した。
「……なんという……」
「え?」
「なんという眼力(メヂカラ)……! 閣下と渡り合えるほどの、凄まじい殺気……!」
「……は?」
「あのか細い体から、これほどの覇気を放つとは……! この方こそ、我らが『氷の閣下』の伴侶にふさわしいお方だァァァ!!」
「「「うおおおおおおおおっ!! 姐(あね)さん!! 一生ついていきます!!」」」
ドワッ! と歓声が上がった。
全員が地面に頭を擦り付けんばかりの最敬礼をしている。
(……え? 姐さん?)
私はポカンとした。
どうやら彼らの基準では、『目つきが怖い』=『強い』=『尊敬に値する』という図式が成り立つらしい。
実家の使用人と同じパターンだ。
類は友を呼ぶと言うが、強面は強面を引き寄せるのだろうか。
「……気に入られたようだな」
アレクセイ様が満足げに頷く。
「彼らは私の部下であり、家族だ。……見た目は少し怖いが、気はいい連中だ」
(少し……?)
主観のズレを感じつつも、とりあえず敵意がないことだけは分かった。
私はホッと胸を撫で下ろした。
「さあ、中へ。冷える」
案内された城内は、外観の禍々しさとは裏腹に、驚くほど快適だった。
まず、暖かい。
玄関ホールに入った瞬間、春のような陽気に包まれた。
「これは……魔導暖房?」
「ああ。地下の源泉熱と魔石を組み合わせて、城全体を温めている。……君が寒い思いをしないように、出かける前に出力を最大にしておいた」
「私のために……?」
「当然だ。……風邪を引かれては、看病が大変だからな」
素直じゃない。
でも、その配慮が心に沁みる。
通された客室(という名の私室)も豪華だった。
ふかふかの絨毯。
猫足の家具。
そして、窓からは雄大な雪山が一望できる絶景。
「荷物は適当に置いてくれ。……すぐに食事にする」
「はい!」
食事。
その言葉に、私の尻尾(幻覚)が大きく振られた。
いよいよ、あの熊肉シチューとご対面だ。
食堂へ移動すると、長いテーブルにはすでに料理が並べられていた。
そして、その横には、身長二メートル近い巨体の女性が立っていた。
メイド服を着ているが、筋肉の鎧を纏っているようにしか見えない。
背中にはなぜか巨大な中華鍋を背負っている。
「ようこそおいでやす。料理長のマーサだ」
「は、はじめまして……カトレアです」
「閣下から聞いているよ。食い……いや、健啖家のお嬢さんだってな」
マーサさんがニカッと笑う。
歯が白い。そして迫力がすごい。
「今日はとびきりの熊肉が入ったんだ。コトコト三日煮込んだ特製シチューだ。遠慮なく食いな」
ドンッ!
目の前に置かれたのは、洗面器サイズの皿に並々と注がれたシチュー。
湯気と共に、芳醇な香りが漂う。
私はスプーンを手に取った。
一口、スープを啜る。
「……っ!!」
衝撃が走った。
濃厚なデミグラスソースのようなコク。
しかし後味は驚くほど爽やかで、獣臭さは微塵もない。
そして、ゴロゴロと入っている肉の塊。
口に入れた瞬間、ホロホロと崩れて溶けていく。
「お、おいしい……!」
「だろ? こいつの脂は甘いんだよ」
「野菜も……これ、人参ですか? すごく甘い!」
「雪下人参だ。果物より甘いだろう」
止まらない。
私は公爵令嬢のマナー(一口三十回噛む)を完全に忘れ、リスのように頬を膨らませて食べ続けた。
パンを浸し、肉を頬張り、スープを飲み干す。
「……よく食うな」
向かいで見ていたアレクセイ様が、呆れたように、でもどこか嬉しそうに目を細めている。
「見ていて気持ちがいい」
「むぐ、申し訳ありまふぇん……あまりに美味しくて……」
「構わん。おかわりもある」
結局、私は三杯おかわりをした。
お腹がはち切れそうだ。
幸せすぎて、ここが魔王城だということを忘れそうになる。
食後。
私はふかふかのベッドにダイブした。
「ふあぁ……」
極楽だ。
王都では、夜会のためにダイエットを強要され、常に空腹だった。
冷たい視線に晒され、胃を痛めていた。
それがどうだ。
ここでは、温かい部屋で、美味しいご飯をお腹いっぱい食べられる。
使用人たちは(見た目は怖いが)私を「姐さん」と慕ってくれる。
そして、家主のアレクセイ様は、無口だけどやたらと餌付けしてくる。
「……ここ、天国かもしれない」
私は天井を見上げて呟いた。
「監禁生活って聞いてたけど……これ、ただの高級リゾートホテルでの療養生活じゃない?」
もしこれが『罰』や『責任』だと言うなら、私は喜んで受け入れよう。
一生ここで、熊肉を食べて暮らしたい。
「……あ、でも」
ふと、重大なことを思い出した。
「畑」
まだ耕していない。
アレクセイ様との約束(という名の私の欲望)である、農作業。
食べて寝るだけでは、ただの豚になってしまう。
働かざる者食うべからず。
「明日は早起きして、畑の場所を確認しなきゃ……」
決意を胸に、私は目を閉じた。
襲いくる睡魔。
意識が遠のく中、私は夢を見た。
地平線まで広がる畑で、アレクセイ様と一緒にジャガイモを掘る夢を。
しかし翌朝。
私が案内された「畑」が、想像を絶する代物であることを、この時の私はまだ知らなかった。
辺境の厳しさは、気候だけではなかったのである。
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