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王都での騒動から数ヶ月後。
季節は巡り、辺境の短い夏が訪れていた。
雪解け水が小川を潤し、私が丹精込めて(物理的に岩を砕いて)開墾した畑には、青々とした野菜が茂っている。
そんな最高の季節に、その日はやってきた。
オーベルヌ公爵家と、ヴォルグ辺境伯家の結婚式である。
「……ねえ、マリー」
控室で純白のウェディングドレスに身を包んだ私は、窓の外を覗き見て、引きつった笑みを浮かべた。
「これ、結婚式よね? 『抗争の手打ち式』とかじゃないわよね?」
「お嬢様、言葉を慎んでくださいまし。……あくまで『披露宴』でございます」
侍女のマリーが私の髪を整えながら答える。
しかし、彼女の声も少し震えていた。
無理もない。
城の中庭には、参列者たちがずらりと並んでいるのだが、その光景が異様すぎた。
新郎側(ヴォルグ家)の参列者。
全員が黒の礼服に身を包んでいるが、その中身は元傭兵、元山賊、元暗殺者(噂)といった強面軍団だ。
顔に傷、眼帯、スキンヘッド、サングラス。
彼らが感動のあまりハンカチで涙を拭っている姿は、どう見ても「親分の出所祝い」か「組の継承式」にしか見えない。
一方、新婦側(オーベルヌ家)の参列者。
私の父、ヴォルフガング公爵を筆頭に、これまた目つきの悪い親族たちが勢揃いしている。
父に至っては、感極まって号泣しているのだが、その顔が鬼の形相すぎて、周囲の小鳥が気絶して落ちていた。
「……濃いわね」
「はい。混ぜるな危険、という言葉がこれほど似合う式もございません」
「でも、みんな笑ってるわ」
そう。
見た目は極悪だが、空気は温かい。
誰もが今日の良き日を心から祝ってくれているのだ。
「さあ、お嬢様。……いえ、今日からは『奥様』ですね」
マリーがベールを下ろす。
「行ってらっしゃいませ。……世界一、強くて美しい花嫁様」
「ありがとう、マリー」
私は深呼吸をした。
ドレスの下の腹筋に力を入れる。
今日のドレスは、マダム・ポンパドール渾身の作。
繊細なレースを使いつつ、私の筋肉質な体型を美しく見せ、かつ「食べ放題の披露宴」に耐えられるよう、ウエスト周りに特殊な伸縮素材が使われている。
完璧だ。
扉が開く。
そこには、父が待っていた。
「カトレア……」
父が私を見た瞬間、ブワッと涙を噴き出した。
「うおおおん! 綺麗だぞぉぉ! 行くなァ! やっぱり嫁になんかやらんぞォォ!」
「お父様、顔が怖いです。メイクが落ちますから泣かないで」
「うぐっ……! アレクセイの野郎、泣かせやがったらただじゃ置かん……! 軍隊を差し向けて更地にしてやる……!」
物騒なことを言いつつ、父は私の手を取り、エスコートしてくれた。
その手は大きく、温かかった。
バージンロード。
中庭に敷かれた赤い絨毯の上を歩く。
「姐さん! おめでとうございやす!」
「ううっ……姐さんが行っちまう……!」
「閣下とお幸せにな!」
「今日のご飯、楽しみにしてます!」
左右から飛ぶ野太い祝福の声。
私はベールの下で、満面の笑みを向けた(つもりだが、緊張で眼力が強まり、数人が「ひっ」とのけぞった)。
そして、祭壇の前。
彼が待っていた。
アレクセイ・フォン・ヴォルグ。
純白のタキシードに身を包んだ、私の夫となる人。
銀髪が陽光を浴びて輝き、アイスブルーの瞳が優しく私を迎え入れる。
(……かっこいい)
悔しいけれど、見惚れてしまう。
魔王のような威圧感は消え、そこにはただ、愛する女性を待つ一人の青年の顔があった。
「……カトレア」
父から私の手を受け取る時、アレクセイ様は小声で囁いた。
「見違えたぞ。……女神が降りてきたかと思った」
「褒めすぎです。……貴方様こそ、眩しくて直視できません」
「ふっ……。覚悟はいいか? 一度この手を取れば、もう二度と離さないぞ」
「望むところです」
私たちは祭壇の前に並んだ。
神父様が、ガタガタと震えながら聖書を開く。
(可哀想に、新郎新婦と最前列の父の威圧感に耐えきれないようだ)。
「あ、あー……。新郎、アレクセイ・フォン・ヴォルグ。汝、この者を妻とし……健やかなる時も、病める時も……」
「誓う」
アレクセイ様が食い気味に答えた。
声がデカい。
「命に代えても守り抜くことを、ここに誓おう。……神ではなく、私の誇りにかけて」
かっこいいけど、神父様の出番がない。
「え、あ、はい……。では新婦、カトレア・フォン・オーベルヌ……汝、この者を夫とし……富める時も、貧しき時も……」
私はアレクセイ様を見上げた。
貧しき時?
いいえ、この人と一緒なら、どんな時でも心は豊かだ。
たとえ食べるものが木の根っこになっても、きっと二人で「意外といけるな」と笑い合える気がする。
私は大きく息を吸い、ニッコリと笑って答えた。
「御意!!」
「えっ」
神父様が固まる。
会場が一瞬静まり返り、そして爆笑に包まれた。
「はははっ! 出た! 姐さんの『御意』だ!」
「そこは『はい』だろ! さすが姐さん!」
「ブレねえなぁ!」
アレクセイ様も、肩を揺らして笑っている。
「……くくっ。ああ、それでこそ私の妻だ」
彼はベールを上げ、私の頬に手を添えた。
「契約成立だ。……愛している、カトレア」
誓いのキス。
青空の下、強面たちに見守られながらの口づけは、今までで一番温かく、甘かった。
◇
そして、披露宴。
それはもう、宴(うたげ)というより「食の祭典」だった。
「肉だァァァァッ!!」
「酒を持ってこォォォイ!!」
庭園に並べられた長テーブルには、山のような料理が積まれている。
メインディッシュは、アレクセイ様が自ら狩ってきたという巨大な『ドラゴン(の亜種)』の丸焼きだ。
「さあ奥様! ファーストバイトだ!」
料理長のマーサさんが、巨大な剣のようなナイフを持ってくる。
ウェディングケーキ入刀……ではなく、『ウェディング・ドラゴン入刀』だ。
「これ、切れるのかしら……」
「大丈夫だ。二人でやれば」
アレクセイ様が私の背後から手を回し、一緒にナイフを握る。
「いくぞ、カトレア。……せーの!」
「せいッ!!」
ズドンッ!!
という音と共に、ドラゴンの肉が両断された。
私の腕力と彼に腕力が合わさり、台座のテーブルまで真っ二つにしてしまったが、ご愛嬌だ。
「うおおおおおっ! さすがご夫婦!」
「破壊力も二倍だ!」
乾杯の音頭と共に、宴が始まる。
私は高砂席で、アレクセイ様に次々と料理を取り分けられていた。
「ほら、あっちの肉も美味そうだぞ」
「こっちのパスタも食え」
「ドレスがきつくないか? まだ入るか?」
「大丈夫です! 今日は特注ですから!」
私は花嫁にあるまじき勢いで肉を頬張った。
美味しい。
みんなが笑っている。
お父様とお母様も、アレクセイ様の部下たちと酒を酌み交わしている。
「……幸せか?」
ふと、アレクセイ様が聞いてきた。
「はい」
私は即答した。
口元のソースをナプキンで拭い、彼を見る。
「王都にいた頃は、こんなに笑ったことありませんでした。……こんなに美味しくご飯を食べたことも」
「……そうか」
「アレクセイ様。私を見つけてくれて、連れ出してくれて、ありがとうございました」
私が礼を言うと、彼は照れくさそうに視線を逸らした。
「……礼を言うのは私の方だ。殺風景だったこの城に、色と笑いと……破壊音をもたらしてくれた」
「破壊音は余計です」
「ふっ。……これからも頼むぞ。私の最強のパートナー」
「御意!」
私たちはグラスを合わせた。
カチン、と澄んだ音が響く。
宴は夜まで続いた。
踊り、歌い、飲み、食らい。
まるで明日が来ないかのように騒ぐ、愛すべき野獣たち。
その中心で、私は心から思った。
悪役令嬢? 婚約破棄?
そんな肩書きはどうでもいい。
私は今、『氷の閣下』に溺愛され(餌付けされ)、辺境の荒野を耕す、世界一幸せな「食いしん坊な奥様」なのだから。
夜空に花火が上がる。
私の新しい人生は、この大輪の花火のように、派手で、騒がしく、そして最高に美しいものになるだろう。
……と、感動していたら。
「あ、カトレア。デザートのケーキだが……五段重ねにしておいたぞ」
「五段!?」
「もちろん、全部食えるな?」
「……望むところです!!」
やっぱり、色気より食い気。
それが私たち夫婦の愛の形なのだ。
季節は巡り、辺境の短い夏が訪れていた。
雪解け水が小川を潤し、私が丹精込めて(物理的に岩を砕いて)開墾した畑には、青々とした野菜が茂っている。
そんな最高の季節に、その日はやってきた。
オーベルヌ公爵家と、ヴォルグ辺境伯家の結婚式である。
「……ねえ、マリー」
控室で純白のウェディングドレスに身を包んだ私は、窓の外を覗き見て、引きつった笑みを浮かべた。
「これ、結婚式よね? 『抗争の手打ち式』とかじゃないわよね?」
「お嬢様、言葉を慎んでくださいまし。……あくまで『披露宴』でございます」
侍女のマリーが私の髪を整えながら答える。
しかし、彼女の声も少し震えていた。
無理もない。
城の中庭には、参列者たちがずらりと並んでいるのだが、その光景が異様すぎた。
新郎側(ヴォルグ家)の参列者。
全員が黒の礼服に身を包んでいるが、その中身は元傭兵、元山賊、元暗殺者(噂)といった強面軍団だ。
顔に傷、眼帯、スキンヘッド、サングラス。
彼らが感動のあまりハンカチで涙を拭っている姿は、どう見ても「親分の出所祝い」か「組の継承式」にしか見えない。
一方、新婦側(オーベルヌ家)の参列者。
私の父、ヴォルフガング公爵を筆頭に、これまた目つきの悪い親族たちが勢揃いしている。
父に至っては、感極まって号泣しているのだが、その顔が鬼の形相すぎて、周囲の小鳥が気絶して落ちていた。
「……濃いわね」
「はい。混ぜるな危険、という言葉がこれほど似合う式もございません」
「でも、みんな笑ってるわ」
そう。
見た目は極悪だが、空気は温かい。
誰もが今日の良き日を心から祝ってくれているのだ。
「さあ、お嬢様。……いえ、今日からは『奥様』ですね」
マリーがベールを下ろす。
「行ってらっしゃいませ。……世界一、強くて美しい花嫁様」
「ありがとう、マリー」
私は深呼吸をした。
ドレスの下の腹筋に力を入れる。
今日のドレスは、マダム・ポンパドール渾身の作。
繊細なレースを使いつつ、私の筋肉質な体型を美しく見せ、かつ「食べ放題の披露宴」に耐えられるよう、ウエスト周りに特殊な伸縮素材が使われている。
完璧だ。
扉が開く。
そこには、父が待っていた。
「カトレア……」
父が私を見た瞬間、ブワッと涙を噴き出した。
「うおおおん! 綺麗だぞぉぉ! 行くなァ! やっぱり嫁になんかやらんぞォォ!」
「お父様、顔が怖いです。メイクが落ちますから泣かないで」
「うぐっ……! アレクセイの野郎、泣かせやがったらただじゃ置かん……! 軍隊を差し向けて更地にしてやる……!」
物騒なことを言いつつ、父は私の手を取り、エスコートしてくれた。
その手は大きく、温かかった。
バージンロード。
中庭に敷かれた赤い絨毯の上を歩く。
「姐さん! おめでとうございやす!」
「ううっ……姐さんが行っちまう……!」
「閣下とお幸せにな!」
「今日のご飯、楽しみにしてます!」
左右から飛ぶ野太い祝福の声。
私はベールの下で、満面の笑みを向けた(つもりだが、緊張で眼力が強まり、数人が「ひっ」とのけぞった)。
そして、祭壇の前。
彼が待っていた。
アレクセイ・フォン・ヴォルグ。
純白のタキシードに身を包んだ、私の夫となる人。
銀髪が陽光を浴びて輝き、アイスブルーの瞳が優しく私を迎え入れる。
(……かっこいい)
悔しいけれど、見惚れてしまう。
魔王のような威圧感は消え、そこにはただ、愛する女性を待つ一人の青年の顔があった。
「……カトレア」
父から私の手を受け取る時、アレクセイ様は小声で囁いた。
「見違えたぞ。……女神が降りてきたかと思った」
「褒めすぎです。……貴方様こそ、眩しくて直視できません」
「ふっ……。覚悟はいいか? 一度この手を取れば、もう二度と離さないぞ」
「望むところです」
私たちは祭壇の前に並んだ。
神父様が、ガタガタと震えながら聖書を開く。
(可哀想に、新郎新婦と最前列の父の威圧感に耐えきれないようだ)。
「あ、あー……。新郎、アレクセイ・フォン・ヴォルグ。汝、この者を妻とし……健やかなる時も、病める時も……」
「誓う」
アレクセイ様が食い気味に答えた。
声がデカい。
「命に代えても守り抜くことを、ここに誓おう。……神ではなく、私の誇りにかけて」
かっこいいけど、神父様の出番がない。
「え、あ、はい……。では新婦、カトレア・フォン・オーベルヌ……汝、この者を夫とし……富める時も、貧しき時も……」
私はアレクセイ様を見上げた。
貧しき時?
いいえ、この人と一緒なら、どんな時でも心は豊かだ。
たとえ食べるものが木の根っこになっても、きっと二人で「意外といけるな」と笑い合える気がする。
私は大きく息を吸い、ニッコリと笑って答えた。
「御意!!」
「えっ」
神父様が固まる。
会場が一瞬静まり返り、そして爆笑に包まれた。
「はははっ! 出た! 姐さんの『御意』だ!」
「そこは『はい』だろ! さすが姐さん!」
「ブレねえなぁ!」
アレクセイ様も、肩を揺らして笑っている。
「……くくっ。ああ、それでこそ私の妻だ」
彼はベールを上げ、私の頬に手を添えた。
「契約成立だ。……愛している、カトレア」
誓いのキス。
青空の下、強面たちに見守られながらの口づけは、今までで一番温かく、甘かった。
◇
そして、披露宴。
それはもう、宴(うたげ)というより「食の祭典」だった。
「肉だァァァァッ!!」
「酒を持ってこォォォイ!!」
庭園に並べられた長テーブルには、山のような料理が積まれている。
メインディッシュは、アレクセイ様が自ら狩ってきたという巨大な『ドラゴン(の亜種)』の丸焼きだ。
「さあ奥様! ファーストバイトだ!」
料理長のマーサさんが、巨大な剣のようなナイフを持ってくる。
ウェディングケーキ入刀……ではなく、『ウェディング・ドラゴン入刀』だ。
「これ、切れるのかしら……」
「大丈夫だ。二人でやれば」
アレクセイ様が私の背後から手を回し、一緒にナイフを握る。
「いくぞ、カトレア。……せーの!」
「せいッ!!」
ズドンッ!!
という音と共に、ドラゴンの肉が両断された。
私の腕力と彼に腕力が合わさり、台座のテーブルまで真っ二つにしてしまったが、ご愛嬌だ。
「うおおおおおっ! さすがご夫婦!」
「破壊力も二倍だ!」
乾杯の音頭と共に、宴が始まる。
私は高砂席で、アレクセイ様に次々と料理を取り分けられていた。
「ほら、あっちの肉も美味そうだぞ」
「こっちのパスタも食え」
「ドレスがきつくないか? まだ入るか?」
「大丈夫です! 今日は特注ですから!」
私は花嫁にあるまじき勢いで肉を頬張った。
美味しい。
みんなが笑っている。
お父様とお母様も、アレクセイ様の部下たちと酒を酌み交わしている。
「……幸せか?」
ふと、アレクセイ様が聞いてきた。
「はい」
私は即答した。
口元のソースをナプキンで拭い、彼を見る。
「王都にいた頃は、こんなに笑ったことありませんでした。……こんなに美味しくご飯を食べたことも」
「……そうか」
「アレクセイ様。私を見つけてくれて、連れ出してくれて、ありがとうございました」
私が礼を言うと、彼は照れくさそうに視線を逸らした。
「……礼を言うのは私の方だ。殺風景だったこの城に、色と笑いと……破壊音をもたらしてくれた」
「破壊音は余計です」
「ふっ。……これからも頼むぞ。私の最強のパートナー」
「御意!」
私たちはグラスを合わせた。
カチン、と澄んだ音が響く。
宴は夜まで続いた。
踊り、歌い、飲み、食らい。
まるで明日が来ないかのように騒ぐ、愛すべき野獣たち。
その中心で、私は心から思った。
悪役令嬢? 婚約破棄?
そんな肩書きはどうでもいい。
私は今、『氷の閣下』に溺愛され(餌付けされ)、辺境の荒野を耕す、世界一幸せな「食いしん坊な奥様」なのだから。
夜空に花火が上がる。
私の新しい人生は、この大輪の花火のように、派手で、騒がしく、そして最高に美しいものになるだろう。
……と、感動していたら。
「あ、カトレア。デザートのケーキだが……五段重ねにしておいたぞ」
「五段!?」
「もちろん、全部食えるな?」
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