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第2.5話 金庫職人と国王
王子誕生
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ヘッポコ7世と王女は、晩年になるまで子供に恵まれなかった。しかしその年にとうとう子供が産まれた。
しかもその子供が男の子だったものだから7世と王女は大喜び、国中の人達も我がことのように王子の誕生を喜んだ。そう一人をのぞいて。
国王と王女の間にこのまま子供が産まれなければ国法に従いワルザラース大臣が次期国王になる予定だったからだ。
ワルザラースはすでに国王になった気でいて、自分の親衛隊には内緒で『ワルザラース次期国王』と呼ばせていたし、ワルザラース国王陛下が王の椅子に座った姿を毎晩想像していた。
だから日に日に育っていく王子を見るたびに焦りがつのり、王子がすくすく育つのに合わせてワルザラースのなかの黒い欲望も少しずつ育っていった。
ある日、それは起こるべくして起こった。ワルザラース大臣は自身の親衛隊に命じ王子を軟禁し、ヘッポコ7世と王女を牢に閉じ込めてしまった。後に語られるポコステン王国『ワルザラースの乱』である。
ワルザラースは国王を牢屋に入れると、王子を人質に、自分に王位をゆずるようにおどした。
ポコステン王国には、ポコステン超合金というダイヤモンドより硬い金属をつくる唯一無二の技術があり、王国でつくられるポコステン超合金によって国はうるおっていた。そしてそのポコステン超合金の製法は国王しか知らなかったのだ。
つまりポコステン超合金の製法は、国王のみに代々継承され、ポコステン超合金をつくれることこそが国王の証しといっても良かった。
当然、ワルザラース大臣は王子の命と引き換えにポコステン超合金の製法を王に要求したが、ヘッポコ7世は何時間も頑なにそれに応じなかった。
製法をききだしたワルザラース大臣が王子を生かしておくとは、とても思えなかったからだ。
しかもその子供が男の子だったものだから7世と王女は大喜び、国中の人達も我がことのように王子の誕生を喜んだ。そう一人をのぞいて。
国王と王女の間にこのまま子供が産まれなければ国法に従いワルザラース大臣が次期国王になる予定だったからだ。
ワルザラースはすでに国王になった気でいて、自分の親衛隊には内緒で『ワルザラース次期国王』と呼ばせていたし、ワルザラース国王陛下が王の椅子に座った姿を毎晩想像していた。
だから日に日に育っていく王子を見るたびに焦りがつのり、王子がすくすく育つのに合わせてワルザラースのなかの黒い欲望も少しずつ育っていった。
ある日、それは起こるべくして起こった。ワルザラース大臣は自身の親衛隊に命じ王子を軟禁し、ヘッポコ7世と王女を牢に閉じ込めてしまった。後に語られるポコステン王国『ワルザラースの乱』である。
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つまりポコステン超合金の製法は、国王のみに代々継承され、ポコステン超合金をつくれることこそが国王の証しといっても良かった。
当然、ワルザラース大臣は王子の命と引き換えにポコステン超合金の製法を王に要求したが、ヘッポコ7世は何時間も頑なにそれに応じなかった。
製法をききだしたワルザラース大臣が王子を生かしておくとは、とても思えなかったからだ。
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