52 / 89
51.図書室
しおりを挟む
イレリアは薬草の事しか知らなかったが、決して頭が悪いわけではなかった。
教えられた事はすぐに理解し、吸収することができたので、教師たちも驚いていた程だ。だが、唯一苦手としたのが文字の読み書きだった。
文字の読み書きは平民でも難しく、主に貴族が用いる文字は難解でイレリアには記号が羅列しているようにしか見えなかった。
平民の文字はそれをもっと簡略化したもので、それならイレリアも少しは読み書きすることができたのだが。
ただ、貴族の中でも読み書きのできない教養の低い者もそれなりにいたし、手紙や令状などは使用人が代筆する事がだと教えられて、イレリアは安堵したのを覚えている。
しかし――使用を許された侯爵家の図書室で、イレリアは手に照明を持ったまま困惑していた。
どれも難しい書体で書かれた本ばかりだった。
以前薬草の本を取りに来た時は、アレッツォと一緒に来て選んでもらったのだが、今日はイレリア一人だった。
アリッサを連れて来るのだったと、イレリアは後悔した。
マッケナー子爵家で貴族同等の教育を受けたアリッサは、よくよく観察してみると非常によくできた侍女だった。
読み書きはもちろん、手紙を綴ればその文字は美しく繊細な筆跡で、詩的とも思える文章は受け取る相手の心を癒した。
社交界でイレリアの評価が上がった一因はアリッサにあると言ってもおかしくはなかった。
そんな彼女ならイレリアの欲している本など造作もなく見つけ出して、その内容を読み聞かせてくれただろうに。
だが、アリッサが仕事を終えた後に、図書室に行こうと思い立ったのはイレリアだ。
明日まで待てばよかったが、明日はまたカインと過ごす約束をしているのだ。
明日の休みが終わればカインはしばらく戻らない。
寂しさがイレリアの心を吹き抜けた。カインとこんなに長い間離れ離れになるのは、カインが蟄居を命じられた時以来だ。
だが、二人の関係はあの時と比べようもないほど密度を高めた。その分切なさも同じだけ深くなっていた。
出会ったばかりの頃は、こんな風になるなんて思いもよらなかった。
カインが貴族だということは知っていたし、出会った瞬間から惹かれていた。
だが、身分が違いすぎた。まさか恋人になれるなんて思いもよらなかった。
イレリアは随分と久しぶりに当時を思い出した。
カインが毎日のようにイレリアに会いに来るのを察して、師匠はいつの間にか外に用事を作って出かけるようになっていた。
カインが帰った後にふらりと帰って来ては、その日カインと何を話してどう過ごしたかを父親のように聞いてくれたものだ。
と、言っても父親のような優しさは見えなかったが――それでも彼はイレリアの恩人だった。
イレリアが10歳の頃、貧民街にやってきたその男は空いていた住居跡を整え、いつの間にか薬屋を開いていた。
と言っても、貧民街に薬を買えるような者はいない。
町で薬を買えないような貧しい平民を相手に商売をしていたようだ。
5日に2度だけ店を開け、それ以外は薬草を採りに行ったり加工したりと、あまり店にはいないように見えた。
ある時、森で薬草を採っていたイレリアは薬師に遭遇した。青白く、神経質そうな顔で薬草を摘んでいるイレリアをじっと見ていた。
「おい、そこの子供。茶色い髪の――そう、お前だ。ちょっとこっちへ来い」
イレリアは薬草を採る手を止めて、恐る恐る薬師の近くへ寄った。
見た目は――話し方も――怖いけど、貧しい人々のために薬を作って売ってる人だもの。きっと優しい人に違いないわ。
イレリアは薬草の籠をぎゅっと握りしめながら、精一杯愛想よく見えるよう笑顔を作った。
「貧民街の捨てられ子だな。よく顔を見せろ――うん。悪くないな」
薬師はしゃがみこんでイレリアの顔を掴むと、ぶつぶつと独り言を言いながら懐からスクロールを一枚取り出した。
初めて見るスクロールにイレリアは驚いた。
スクロールは平民でも買える物から、貴族ですら買えないほど高価なものがあると、焚き木を売りに行った時にパン屋のおばさんが言っていた。
パン屋のおばさんは毎朝スクロールを使って窯に火を入れるのだと教えてくれたが、盗まれるのを恐れてか、スクロールそのものを見せてはくれなかった。
薬師がスクロールに魔力を込めてからイレリアの手に当てると、スクロールが紫色に発光したのをイレリアは見た。
それは一瞬だったが、小さく淡い光で、幼いイレリアはとてもきれいだと思ったのを今でも覚えている。
スクロールを胸元に仕舞うと薬師は、イレリアが抱えている籠を見て「これを売りに行くのか」と尋ねた。
「うん。この籠いっぱいで銅貨3枚で買い取ってくれるんだよ。そんで、いつも焚き木を買ってくれるおばさんが、パンを銅貨2枚にまけてくれるって」
イレリアは弾けるような笑顔で薬師に言った。
「――ふん。買いたたかれてるな。その籠いっぱいだと通常なら銅貨5枚だ」
薬師の言葉にイレリアの笑顔は消し飛んだ。薬師はイレリアの様子には目もくれず、籠の中を見て驚いた。
「雑草が混じっていない。お前は薬草を見分けられるのか?」
「――マルコじいさんが教えてくれたんだよ。毒草は薬草とよく似た形をしているものもあるから、ちゃんと見分けないと買い叩かれるって」
イレリアは唇をすぼめてそう言うと、薬師は立ち上がってイレリアの頭を軽く撫でた。
「私の仕事を手伝うか?最初は薬草を採るだけでいい。適正価格に色をつけてやる。教える手間が省けるのはありがたい事だ――お前が望むなら薬の調合も教えてやるぞ」
薬師の声が少しだけ優しさを帯びた気がして、イレリアはやっぱりこの人は優しい人だったんだと嬉しくなった。
二つ返事で承諾すると、薬師はさっそく籠いっぱいの薬草と銅貨5枚を交換してくれた。
薬師はイレリアが店で生活することは許さなかったが、その代わり石鹸をくれた。
清潔にすることや身だしなみを整え得ること、話し方や接客、茶の作法など必要な事を丁寧に教えてくれて、父親というものを知らないイレリアは子供心に薬師に父親を重ねて見ていた。
手にしたランタンの光が揺らいだ気がした。
このランタンには灯りのスクロールが埋め込まれているため、火のように揺らぐことはない。
なのに揺らいだとはどういう事だろう。スクロールは今日ヨルジュが入れ替えていたものだから、古くなっているわけでもない。
イレリアは不思議に思ってランタンを持ち直そうとした。
その時、足元の棚に一冊だけ装丁の質素な薄い本が置かれている事に気が付いた。
「何かしら――」
イレリアはその本を手に取ってみたが題名も何も書かれておらず、赤い革の装丁が施されただけの物だった。
気になって中をめくると、平民が使う簡易文字が繊細で美しい文字が綴られていた。
日付らしきものが書かれているところを見ると、日記だろうか。
イレリアが探している情報が載っているかもしれない。
ゆっくり見ようと、近くの読書台にランタンと本を置いたと同時に、図書室の扉が開く音が聞こえた。
「イレリア――?」
「カイン……」
悪い事をしているわけでもないのに、思いがけない場所でカインと出会ったせいで、イレリアの心臓は早鐘を打った。
「資料を返しにきたら君がいて驚いたよ――それは?」
イレリアの顔を見て嬉しそうなカインが、彼女の手にある赤い革の本を見た。
「よくわからないの。日記のようなんだけど――この下で見つけたのよ」
「日記?」
カインはその本を手に取ると、顔を曇らせた。
「母の字だ」
イレリアはカインの言葉を聞いて、自分が求めていた物はこれかもしれないと内心で喜んだ。
「そんなものは元に戻すんだ。他人の日記なんてろくなこと書いてないよ」
カインの言葉に、イレリアは思案した。
これが本当に侯爵夫人が書き残したものなら、イレリアが望むことが書かれているに違いないのだ。
教師が言っていた。
侯爵夫人は領地の貧しい人々のために、慈善事業を行っていたと。
そうであれば、貧民街での支援の手掛かりになるのではと、イレリアは考えていた。
「でも、読んでみたいわ。とても綺麗な字だし、簡易文字なら私も読めるもの」
イレリアが甘えるように言うと、カインは溜息をついた。
「貴族も私的な手紙や書き物は簡易文字を使うもんだよ。でも――君が人の日記を読むような悪趣味な人とは思わなかったよ」
カインは皮肉っぽく笑いながらイレリアの肩を抱いた。
「もういない人の日記よ?もしかしたら社交の勉強になるかもしれないし」
「君が読みたいというのなら止めはしないが、もしこの日記があの人が書いたものなら、君の助けになる事は何も書かれていないと思うけどな」
普段のカインとはまるで違う、皮肉めいた言い方にイレリアは胸が痛んだ。この人は――未だにお母様の仕打ちに傷ついているんだわ。
「それなら、カイン。一緒に読みましょう。明日は休みでしょ?少しくらい夜更かしをしてもいいんじゃない?」
イレリアの提案にカインは驚いた表情で彼女を見つめた。
「あなたはお母様と殆ど一緒に過ごしていなかったのでしょ?この日記がお母様の日記だとしたら、お母様の人となりや本音を知るいい機会じゃない?――それに、もしかしたらだけど、なぜ幼いあなたにだけ冷たくあたっていたのかわかると思うの」
イレリアの提案は完璧すぎて、カインは断る口実を探し切ることはできなかった。
教えられた事はすぐに理解し、吸収することができたので、教師たちも驚いていた程だ。だが、唯一苦手としたのが文字の読み書きだった。
文字の読み書きは平民でも難しく、主に貴族が用いる文字は難解でイレリアには記号が羅列しているようにしか見えなかった。
平民の文字はそれをもっと簡略化したもので、それならイレリアも少しは読み書きすることができたのだが。
ただ、貴族の中でも読み書きのできない教養の低い者もそれなりにいたし、手紙や令状などは使用人が代筆する事がだと教えられて、イレリアは安堵したのを覚えている。
しかし――使用を許された侯爵家の図書室で、イレリアは手に照明を持ったまま困惑していた。
どれも難しい書体で書かれた本ばかりだった。
以前薬草の本を取りに来た時は、アレッツォと一緒に来て選んでもらったのだが、今日はイレリア一人だった。
アリッサを連れて来るのだったと、イレリアは後悔した。
マッケナー子爵家で貴族同等の教育を受けたアリッサは、よくよく観察してみると非常によくできた侍女だった。
読み書きはもちろん、手紙を綴ればその文字は美しく繊細な筆跡で、詩的とも思える文章は受け取る相手の心を癒した。
社交界でイレリアの評価が上がった一因はアリッサにあると言ってもおかしくはなかった。
そんな彼女ならイレリアの欲している本など造作もなく見つけ出して、その内容を読み聞かせてくれただろうに。
だが、アリッサが仕事を終えた後に、図書室に行こうと思い立ったのはイレリアだ。
明日まで待てばよかったが、明日はまたカインと過ごす約束をしているのだ。
明日の休みが終わればカインはしばらく戻らない。
寂しさがイレリアの心を吹き抜けた。カインとこんなに長い間離れ離れになるのは、カインが蟄居を命じられた時以来だ。
だが、二人の関係はあの時と比べようもないほど密度を高めた。その分切なさも同じだけ深くなっていた。
出会ったばかりの頃は、こんな風になるなんて思いもよらなかった。
カインが貴族だということは知っていたし、出会った瞬間から惹かれていた。
だが、身分が違いすぎた。まさか恋人になれるなんて思いもよらなかった。
イレリアは随分と久しぶりに当時を思い出した。
カインが毎日のようにイレリアに会いに来るのを察して、師匠はいつの間にか外に用事を作って出かけるようになっていた。
カインが帰った後にふらりと帰って来ては、その日カインと何を話してどう過ごしたかを父親のように聞いてくれたものだ。
と、言っても父親のような優しさは見えなかったが――それでも彼はイレリアの恩人だった。
イレリアが10歳の頃、貧民街にやってきたその男は空いていた住居跡を整え、いつの間にか薬屋を開いていた。
と言っても、貧民街に薬を買えるような者はいない。
町で薬を買えないような貧しい平民を相手に商売をしていたようだ。
5日に2度だけ店を開け、それ以外は薬草を採りに行ったり加工したりと、あまり店にはいないように見えた。
ある時、森で薬草を採っていたイレリアは薬師に遭遇した。青白く、神経質そうな顔で薬草を摘んでいるイレリアをじっと見ていた。
「おい、そこの子供。茶色い髪の――そう、お前だ。ちょっとこっちへ来い」
イレリアは薬草を採る手を止めて、恐る恐る薬師の近くへ寄った。
見た目は――話し方も――怖いけど、貧しい人々のために薬を作って売ってる人だもの。きっと優しい人に違いないわ。
イレリアは薬草の籠をぎゅっと握りしめながら、精一杯愛想よく見えるよう笑顔を作った。
「貧民街の捨てられ子だな。よく顔を見せろ――うん。悪くないな」
薬師はしゃがみこんでイレリアの顔を掴むと、ぶつぶつと独り言を言いながら懐からスクロールを一枚取り出した。
初めて見るスクロールにイレリアは驚いた。
スクロールは平民でも買える物から、貴族ですら買えないほど高価なものがあると、焚き木を売りに行った時にパン屋のおばさんが言っていた。
パン屋のおばさんは毎朝スクロールを使って窯に火を入れるのだと教えてくれたが、盗まれるのを恐れてか、スクロールそのものを見せてはくれなかった。
薬師がスクロールに魔力を込めてからイレリアの手に当てると、スクロールが紫色に発光したのをイレリアは見た。
それは一瞬だったが、小さく淡い光で、幼いイレリアはとてもきれいだと思ったのを今でも覚えている。
スクロールを胸元に仕舞うと薬師は、イレリアが抱えている籠を見て「これを売りに行くのか」と尋ねた。
「うん。この籠いっぱいで銅貨3枚で買い取ってくれるんだよ。そんで、いつも焚き木を買ってくれるおばさんが、パンを銅貨2枚にまけてくれるって」
イレリアは弾けるような笑顔で薬師に言った。
「――ふん。買いたたかれてるな。その籠いっぱいだと通常なら銅貨5枚だ」
薬師の言葉にイレリアの笑顔は消し飛んだ。薬師はイレリアの様子には目もくれず、籠の中を見て驚いた。
「雑草が混じっていない。お前は薬草を見分けられるのか?」
「――マルコじいさんが教えてくれたんだよ。毒草は薬草とよく似た形をしているものもあるから、ちゃんと見分けないと買い叩かれるって」
イレリアは唇をすぼめてそう言うと、薬師は立ち上がってイレリアの頭を軽く撫でた。
「私の仕事を手伝うか?最初は薬草を採るだけでいい。適正価格に色をつけてやる。教える手間が省けるのはありがたい事だ――お前が望むなら薬の調合も教えてやるぞ」
薬師の声が少しだけ優しさを帯びた気がして、イレリアはやっぱりこの人は優しい人だったんだと嬉しくなった。
二つ返事で承諾すると、薬師はさっそく籠いっぱいの薬草と銅貨5枚を交換してくれた。
薬師はイレリアが店で生活することは許さなかったが、その代わり石鹸をくれた。
清潔にすることや身だしなみを整え得ること、話し方や接客、茶の作法など必要な事を丁寧に教えてくれて、父親というものを知らないイレリアは子供心に薬師に父親を重ねて見ていた。
手にしたランタンの光が揺らいだ気がした。
このランタンには灯りのスクロールが埋め込まれているため、火のように揺らぐことはない。
なのに揺らいだとはどういう事だろう。スクロールは今日ヨルジュが入れ替えていたものだから、古くなっているわけでもない。
イレリアは不思議に思ってランタンを持ち直そうとした。
その時、足元の棚に一冊だけ装丁の質素な薄い本が置かれている事に気が付いた。
「何かしら――」
イレリアはその本を手に取ってみたが題名も何も書かれておらず、赤い革の装丁が施されただけの物だった。
気になって中をめくると、平民が使う簡易文字が繊細で美しい文字が綴られていた。
日付らしきものが書かれているところを見ると、日記だろうか。
イレリアが探している情報が載っているかもしれない。
ゆっくり見ようと、近くの読書台にランタンと本を置いたと同時に、図書室の扉が開く音が聞こえた。
「イレリア――?」
「カイン……」
悪い事をしているわけでもないのに、思いがけない場所でカインと出会ったせいで、イレリアの心臓は早鐘を打った。
「資料を返しにきたら君がいて驚いたよ――それは?」
イレリアの顔を見て嬉しそうなカインが、彼女の手にある赤い革の本を見た。
「よくわからないの。日記のようなんだけど――この下で見つけたのよ」
「日記?」
カインはその本を手に取ると、顔を曇らせた。
「母の字だ」
イレリアはカインの言葉を聞いて、自分が求めていた物はこれかもしれないと内心で喜んだ。
「そんなものは元に戻すんだ。他人の日記なんてろくなこと書いてないよ」
カインの言葉に、イレリアは思案した。
これが本当に侯爵夫人が書き残したものなら、イレリアが望むことが書かれているに違いないのだ。
教師が言っていた。
侯爵夫人は領地の貧しい人々のために、慈善事業を行っていたと。
そうであれば、貧民街での支援の手掛かりになるのではと、イレリアは考えていた。
「でも、読んでみたいわ。とても綺麗な字だし、簡易文字なら私も読めるもの」
イレリアが甘えるように言うと、カインは溜息をついた。
「貴族も私的な手紙や書き物は簡易文字を使うもんだよ。でも――君が人の日記を読むような悪趣味な人とは思わなかったよ」
カインは皮肉っぽく笑いながらイレリアの肩を抱いた。
「もういない人の日記よ?もしかしたら社交の勉強になるかもしれないし」
「君が読みたいというのなら止めはしないが、もしこの日記があの人が書いたものなら、君の助けになる事は何も書かれていないと思うけどな」
普段のカインとはまるで違う、皮肉めいた言い方にイレリアは胸が痛んだ。この人は――未だにお母様の仕打ちに傷ついているんだわ。
「それなら、カイン。一緒に読みましょう。明日は休みでしょ?少しくらい夜更かしをしてもいいんじゃない?」
イレリアの提案にカインは驚いた表情で彼女を見つめた。
「あなたはお母様と殆ど一緒に過ごしていなかったのでしょ?この日記がお母様の日記だとしたら、お母様の人となりや本音を知るいい機会じゃない?――それに、もしかしたらだけど、なぜ幼いあなたにだけ冷たくあたっていたのかわかると思うの」
イレリアの提案は完璧すぎて、カインは断る口実を探し切ることはできなかった。
252
あなたにおすすめの小説
私が行方不明の皇女です~生死を彷徨って帰国したら信じていた初恋の従者は婚約していました~
marumi
恋愛
「あら アルヴェイン公爵がドゥーカス令嬢をエスコートされていますわ」
「ご婚約されたと噂を聞きましたが、まさか本当だとは!」
私は五年前までこの国の皇女エリシアだった。
暗殺事件に巻き込まれ、幼なじみで初恋の相手だった従者――アルヴェイン公子と共に命からがら隣国、エルダールへ亡命した。
彼の「必ず迎えに来る」その言葉を信じて、隣国の地で彼を待ち続けた……。
それなのに……。
やっとの思いで帰国した帝国の華やかなパーティー会場で、一際目立っているのは、彼と、社交界の華と言われる令嬢だった――。
※校正にAIを使用していますが、自身で考案したオリジナル小説です。
※イメージが伝わればと思い、表紙画像をAI生成してみました。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
誓いを忘れた騎士へ ―私は誰かの花嫁になる
吉乃
恋愛
「帰ってきたら、結婚してくれる?」
――あの日の誓いを胸に、私は待ち続けた。
最初の三年間は幸せだった。
けれど、騎士の務めに赴いた彼は、やがて音信不通となり――
気づけば七年の歳月が流れていた。
二十七歳になった私は、もう結婚をしなければならない。
未来を選ぶ年齢。
だから、別の男性との婚姻を受け入れると決めたのに……。
結婚式を目前にした夜。
失われたはずの声が、突然私の心を打ち砕く。
「……リリアナ。迎えに来た」
七年の沈黙を破って現れた騎士。
赦せるのか、それとも拒むのか。
揺れる心が最後に選ぶのは――
かつての誓いか、それとも新しい愛か。
お知らせ
※すみません、PCの不調で更新が出来なくなってしまいました。
直り次第すぐに更新を再開しますので、少しだけお待ちいただければ幸いです。
どんなあなたでも愛してる。
piyo
恋愛
遠征から戻った夫の姿が変わっていたーー
騎士である夫ディーノが、半年以上の遠征を終えて帰宅した。心躍らせて迎えたシエラだったが、そのあまりの外見の変わりように失神してしまう。
どうやら魔女の呪いでこうなったらしく、努力しなければ元には戻らないらしい。果たして、シエラはそんな夫を再び愛することができるのか?
※全四話+後日談一話。
※毎日夜9時頃更新(予約投稿済)&日曜日完結です。
※なろうにも投稿しています。
大好きな旦那様はどうやら聖女様のことがお好きなようです
古堂すいう
恋愛
祖父から溺愛され我儘に育った公爵令嬢セレーネは、婚約者である皇子から衆目の中、突如婚約破棄を言い渡される。
皇子の横にはセレーネが嫌う男爵令嬢の姿があった。
他人から冷たい視線を浴びたことなどないセレーネに戸惑うばかり、そんな彼女に所有財産没収の命が下されようとしたその時。
救いの手を差し伸べたのは神官長──エルゲンだった。
セレーネは、エルゲンと婚姻を結んだ当初「穏やかで誰にでも微笑むつまらない人」だという印象をもっていたけれど、共に生活する内に徐々に彼の人柄に惹かれていく。
だけれど彼には想い人が出来てしまったようで──…。
「今度はわたくしが恩を返すべきなんですわ!」
今まで自分のことばかりだったセレーネは、初めて人のために何かしたいと思い立ち、大好きな旦那様のために奮闘するのだが──…。
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目の人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
私は彼に選ばれなかった令嬢。なら、自分の思う通りに生きますわ
みゅー
恋愛
私の名前はアレクサンドラ・デュカス。
婚約者の座は得たのに、愛されたのは別の令嬢。社交界の噂に翻弄され、命の危険にさらされ絶望の淵で私は前世の記憶を思い出した。
これは、誰かに決められた物語。ならば私は、自分の手で運命を変える。
愛も権力も裏切りも、すべて巻き込み、私は私の道を生きてみせる。
毎日20時30分に投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる