64 / 89
63.自尊心
しおりを挟む
器を投げられ、石をぶつけられ、怒り猛る住民達に取り囲まれて、男達は内臓の煮物と血にまみれながら退路を断たれて立ち往生していた。
「どけ!卑しい貧民が!」
男の言葉に住民達は更に激昂した。
「俺らが卑しければ、イレリアを貶めようとしたお前らはなんだってんだ!」
農作業から帰ってきた男が、手にしていた鍬を振り上げて男達の荷車を叩き壊した。
車を牽いていたマーヴが怯えて逃げ出したが、止める者はいなかった。
荷車の切れ端や農具を持った住民達が、男達に詰め寄り、いよいよかというその時、篤志家の使いの者達が現れた。
「何をしているんです!」
品のいい壮年の男性が人混みを掻い潜って中央に躍り出ると、酷く汚れた男の集団がそこにいた。
住民達は、口々に「こいつらがイレリアを陥れようとしたんだ」と叫び、興奮は納まることはなかった。
「ひとまず落ち着いてください。――皆さん落ち着いて!」
――壮年の男性の声は集団の声にかき消されていった。
その時、広場に一気に大量の水がぶちまけられ、人々は水の勢いに足を取られ転んだり流されて人垣がまばらになった。
誰かが放水のスクロールを使ったのだろう。突然の事に全員が呆気にとられ、その隙に粗野な男達の集団は人混みをかき分けて走り去って行った――
侯爵邸でヨルジュから報告を聞いたイレリアは、思わずヨルジュを殴りそうになった。
「あれほど、皆の扱いは丁寧にと言っていたのに――暴動になるほど彼らを怒らせるなんて……」
イレリアの声は怒りで震えていた。
ヨルジュは仕事のできる男だ。それは侯爵も認めている。
使いの男も、おそらくは働き者で面倒見のいい者を選んだのだろう。
しかし、貧民街の住民に対し、尊厳をもって接することができる人間などいないのだ。
多くの人は嫌悪か侮蔑、よくて憐みの目で貧民街の者を見る。
ただ家や仕事がなく、貧しいというだけで生きる機会さえ与えられない。
運良く生き延びても飢えと渇きと死の恐怖がずっと付きまとう。
働ける者は一生懸命に働くが、幼いイレリアがそうだったように、賃金は叩かれその日食うすらままならない程度の小銭を一日かけて稼ぐ。
それでもその賃金すら得られず、犯罪に手を染める者も中にはいた。
その道を踏み外したわずかな者のために、貧民街は卑しく汚らわしい場所として扱われていたのだ。
だが、皆生きていたかっただけなのに。イレリアも、他の皆も――。
そんな中で、カインだけは自分を、皆を当たり前のように人として接してくれていた。
カインが特別だったのだ――いや、カインですら、イレリアがいなければどうだったかなどわからない。
貧民街の実情を聞いて胸を痛めて見せたのは優しさではない。イレリアに出会う前は貧民街など目も向けていなかったからだ。
イレリアがいたから、カインにとっても貧民街は「そこにあるもの」と認識されたが、そうでなかったら見ようともしないのが貴族だ。
貧民街とは、貧民とはそんなものなのだ。同じ人とすら見てもらえない。
イレリアはそれを誰よりもわかっていたのに、忘れていた自分に歯噛みした。
そして他の貴族達と同じように、屋敷の中から使用人に言いつけ、施したつもりになっていたのだ。
「一人にして頂戴」
イレリアは数日以内にこの状況をなんとかしなければと、頭を抱えた。
そう。カインが戻るまでに――
翌日はアバルト侯爵夫人から茶会に招待されていた。
イレリアは茶会どころではなかったが、断ることができず、重い頭を抱えたまま、アバルト侯爵家からの迎えの獣車に乗っていた。
ロメオの言った通り、アバルト侯爵夫人に気に入られたのか、度々茶会に呼ばれるようになっていた。
そして、その都度この豪華な客用の獣車を迎えに寄越してくれるのだ。
イレリアは、ジルダがカインと婚約した直後に、エスクード侯爵から獣車を贈られていた事をつい最近知った。
それも成長に合わせて3度も作り直しているという。
獣車は、それだけでも下級貴族の1年分の収入よりも高いと聞いた事がある。
イレリアはジルダを見送るカインの姿を思い出して、こみ上がる怒りが抑えきれそうになかった。
貴族というだけでカインの婚約者として侯爵から大事にされ、全てを与えられたジルダ。
なのに、その侯爵は同じ邸に住んでいてもイレリアには顔すら合わせようとしない。
そしてカインでさえ、あれだけ嫌っていたジルダへ何かしらの感情を抱き始めたように見えた。
貴族というだけで――イレリアはジルダへの憎しみを抑える事が出来なかった。
獣車が侯爵邸に到着すると、待ち構えていたようにロメオが笑顔で出迎えてくれた。
ブルーグレーの瞳がイレリアを見つめると、イレリアはそれまでの感情など全て消えてしまった。
やはりこの方だわ。もしカインに捨てられる事になっても、この方なら私を救ってくれるに違いない。
イレリアの胸にときめきが戻ってきた。
「お手をどうぞ」
獣車の下からロメオが手を差し出した。
その手を取ろうとして、イレリアは一瞬思いとどまった。
カインに抱かれて数日しか経っていないのに、ロメオに触れていいのか迷ったのだ。
だが、ただのエスコートなのだからと迷いを振り切ると、その手を取ってすっかり自然になった優雅な所作で獣車から降りた。
「昨日の事――聞きました。大丈夫ですか?」
茶会は庭園の東屋で行われるのだと、ロメオがそのままエスコートを申し出て、二人はゆっくりと庭園を歩いていた。
庭園の生け垣を超えたら東屋というところで、ロメオはイレリアに尋ねた。
「――何のことですか?」
イレリアは心臓が口から出そうなほど焦ったが、ロメオに気取られてはならないと、笑顔を作って見せた。
なぜロメオが昨日の事を知っているのだろう――。もう噂は広がっているのだろうか。ロメオが知っているのなら当然侯爵夫人も知っているに違いない。――いや、だとしたらなぜわざわざ迎えの獣車を寄越したのか。
もしや、貴婦人達の前でイレリアの愚かな罪を晒上げるつもりなのだろうか――
「あなたの名を騙った暴漢が貧民街の暴動を扇動したと」
ロメオの静かな声がイレリアの耳を震わせた。
噂はそのように広まっていたのか。
確かに、報告でも彼らが怒った理由は、ヨルジュの部下だった男がイレリアの名を騙ってイレリアを貶めようとしたと言う、住民達の勘違いによるものだと言っていた。
――それなら……
「名を――そうでしたの……私、昨日は頭痛が酷くて臥せっていたもので存じませんでしたわ」
イレリアは安心して力が抜けそうになったが、ロメオの腕にしっかりと掴まって弱弱しく微笑んで見せた。
「どけ!卑しい貧民が!」
男の言葉に住民達は更に激昂した。
「俺らが卑しければ、イレリアを貶めようとしたお前らはなんだってんだ!」
農作業から帰ってきた男が、手にしていた鍬を振り上げて男達の荷車を叩き壊した。
車を牽いていたマーヴが怯えて逃げ出したが、止める者はいなかった。
荷車の切れ端や農具を持った住民達が、男達に詰め寄り、いよいよかというその時、篤志家の使いの者達が現れた。
「何をしているんです!」
品のいい壮年の男性が人混みを掻い潜って中央に躍り出ると、酷く汚れた男の集団がそこにいた。
住民達は、口々に「こいつらがイレリアを陥れようとしたんだ」と叫び、興奮は納まることはなかった。
「ひとまず落ち着いてください。――皆さん落ち着いて!」
――壮年の男性の声は集団の声にかき消されていった。
その時、広場に一気に大量の水がぶちまけられ、人々は水の勢いに足を取られ転んだり流されて人垣がまばらになった。
誰かが放水のスクロールを使ったのだろう。突然の事に全員が呆気にとられ、その隙に粗野な男達の集団は人混みをかき分けて走り去って行った――
侯爵邸でヨルジュから報告を聞いたイレリアは、思わずヨルジュを殴りそうになった。
「あれほど、皆の扱いは丁寧にと言っていたのに――暴動になるほど彼らを怒らせるなんて……」
イレリアの声は怒りで震えていた。
ヨルジュは仕事のできる男だ。それは侯爵も認めている。
使いの男も、おそらくは働き者で面倒見のいい者を選んだのだろう。
しかし、貧民街の住民に対し、尊厳をもって接することができる人間などいないのだ。
多くの人は嫌悪か侮蔑、よくて憐みの目で貧民街の者を見る。
ただ家や仕事がなく、貧しいというだけで生きる機会さえ与えられない。
運良く生き延びても飢えと渇きと死の恐怖がずっと付きまとう。
働ける者は一生懸命に働くが、幼いイレリアがそうだったように、賃金は叩かれその日食うすらままならない程度の小銭を一日かけて稼ぐ。
それでもその賃金すら得られず、犯罪に手を染める者も中にはいた。
その道を踏み外したわずかな者のために、貧民街は卑しく汚らわしい場所として扱われていたのだ。
だが、皆生きていたかっただけなのに。イレリアも、他の皆も――。
そんな中で、カインだけは自分を、皆を当たり前のように人として接してくれていた。
カインが特別だったのだ――いや、カインですら、イレリアがいなければどうだったかなどわからない。
貧民街の実情を聞いて胸を痛めて見せたのは優しさではない。イレリアに出会う前は貧民街など目も向けていなかったからだ。
イレリアがいたから、カインにとっても貧民街は「そこにあるもの」と認識されたが、そうでなかったら見ようともしないのが貴族だ。
貧民街とは、貧民とはそんなものなのだ。同じ人とすら見てもらえない。
イレリアはそれを誰よりもわかっていたのに、忘れていた自分に歯噛みした。
そして他の貴族達と同じように、屋敷の中から使用人に言いつけ、施したつもりになっていたのだ。
「一人にして頂戴」
イレリアは数日以内にこの状況をなんとかしなければと、頭を抱えた。
そう。カインが戻るまでに――
翌日はアバルト侯爵夫人から茶会に招待されていた。
イレリアは茶会どころではなかったが、断ることができず、重い頭を抱えたまま、アバルト侯爵家からの迎えの獣車に乗っていた。
ロメオの言った通り、アバルト侯爵夫人に気に入られたのか、度々茶会に呼ばれるようになっていた。
そして、その都度この豪華な客用の獣車を迎えに寄越してくれるのだ。
イレリアは、ジルダがカインと婚約した直後に、エスクード侯爵から獣車を贈られていた事をつい最近知った。
それも成長に合わせて3度も作り直しているという。
獣車は、それだけでも下級貴族の1年分の収入よりも高いと聞いた事がある。
イレリアはジルダを見送るカインの姿を思い出して、こみ上がる怒りが抑えきれそうになかった。
貴族というだけでカインの婚約者として侯爵から大事にされ、全てを与えられたジルダ。
なのに、その侯爵は同じ邸に住んでいてもイレリアには顔すら合わせようとしない。
そしてカインでさえ、あれだけ嫌っていたジルダへ何かしらの感情を抱き始めたように見えた。
貴族というだけで――イレリアはジルダへの憎しみを抑える事が出来なかった。
獣車が侯爵邸に到着すると、待ち構えていたようにロメオが笑顔で出迎えてくれた。
ブルーグレーの瞳がイレリアを見つめると、イレリアはそれまでの感情など全て消えてしまった。
やはりこの方だわ。もしカインに捨てられる事になっても、この方なら私を救ってくれるに違いない。
イレリアの胸にときめきが戻ってきた。
「お手をどうぞ」
獣車の下からロメオが手を差し出した。
その手を取ろうとして、イレリアは一瞬思いとどまった。
カインに抱かれて数日しか経っていないのに、ロメオに触れていいのか迷ったのだ。
だが、ただのエスコートなのだからと迷いを振り切ると、その手を取ってすっかり自然になった優雅な所作で獣車から降りた。
「昨日の事――聞きました。大丈夫ですか?」
茶会は庭園の東屋で行われるのだと、ロメオがそのままエスコートを申し出て、二人はゆっくりと庭園を歩いていた。
庭園の生け垣を超えたら東屋というところで、ロメオはイレリアに尋ねた。
「――何のことですか?」
イレリアは心臓が口から出そうなほど焦ったが、ロメオに気取られてはならないと、笑顔を作って見せた。
なぜロメオが昨日の事を知っているのだろう――。もう噂は広がっているのだろうか。ロメオが知っているのなら当然侯爵夫人も知っているに違いない。――いや、だとしたらなぜわざわざ迎えの獣車を寄越したのか。
もしや、貴婦人達の前でイレリアの愚かな罪を晒上げるつもりなのだろうか――
「あなたの名を騙った暴漢が貧民街の暴動を扇動したと」
ロメオの静かな声がイレリアの耳を震わせた。
噂はそのように広まっていたのか。
確かに、報告でも彼らが怒った理由は、ヨルジュの部下だった男がイレリアの名を騙ってイレリアを貶めようとしたと言う、住民達の勘違いによるものだと言っていた。
――それなら……
「名を――そうでしたの……私、昨日は頭痛が酷くて臥せっていたもので存じませんでしたわ」
イレリアは安心して力が抜けそうになったが、ロメオの腕にしっかりと掴まって弱弱しく微笑んで見せた。
219
あなたにおすすめの小説
私が行方不明の皇女です~生死を彷徨って帰国したら信じていた初恋の従者は婚約していました~
marumi
恋愛
「あら アルヴェイン公爵がドゥーカス令嬢をエスコートされていますわ」
「ご婚約されたと噂を聞きましたが、まさか本当だとは!」
私は五年前までこの国の皇女エリシアだった。
暗殺事件に巻き込まれ、幼なじみで初恋の相手だった従者――アルヴェイン公子と共に命からがら隣国、エルダールへ亡命した。
彼の「必ず迎えに来る」その言葉を信じて、隣国の地で彼を待ち続けた……。
それなのに……。
やっとの思いで帰国した帝国の華やかなパーティー会場で、一際目立っているのは、彼と、社交界の華と言われる令嬢だった――。
※校正にAIを使用していますが、自身で考案したオリジナル小説です。
※イメージが伝わればと思い、表紙画像をAI生成してみました。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
誓いを忘れた騎士へ ―私は誰かの花嫁になる
吉乃
恋愛
「帰ってきたら、結婚してくれる?」
――あの日の誓いを胸に、私は待ち続けた。
最初の三年間は幸せだった。
けれど、騎士の務めに赴いた彼は、やがて音信不通となり――
気づけば七年の歳月が流れていた。
二十七歳になった私は、もう結婚をしなければならない。
未来を選ぶ年齢。
だから、別の男性との婚姻を受け入れると決めたのに……。
結婚式を目前にした夜。
失われたはずの声が、突然私の心を打ち砕く。
「……リリアナ。迎えに来た」
七年の沈黙を破って現れた騎士。
赦せるのか、それとも拒むのか。
揺れる心が最後に選ぶのは――
かつての誓いか、それとも新しい愛か。
お知らせ
※すみません、PCの不調で更新が出来なくなってしまいました。
直り次第すぐに更新を再開しますので、少しだけお待ちいただければ幸いです。
どんなあなたでも愛してる。
piyo
恋愛
遠征から戻った夫の姿が変わっていたーー
騎士である夫ディーノが、半年以上の遠征を終えて帰宅した。心躍らせて迎えたシエラだったが、そのあまりの外見の変わりように失神してしまう。
どうやら魔女の呪いでこうなったらしく、努力しなければ元には戻らないらしい。果たして、シエラはそんな夫を再び愛することができるのか?
※全四話+後日談一話。
※毎日夜9時頃更新(予約投稿済)&日曜日完結です。
※なろうにも投稿しています。
大好きな旦那様はどうやら聖女様のことがお好きなようです
古堂すいう
恋愛
祖父から溺愛され我儘に育った公爵令嬢セレーネは、婚約者である皇子から衆目の中、突如婚約破棄を言い渡される。
皇子の横にはセレーネが嫌う男爵令嬢の姿があった。
他人から冷たい視線を浴びたことなどないセレーネに戸惑うばかり、そんな彼女に所有財産没収の命が下されようとしたその時。
救いの手を差し伸べたのは神官長──エルゲンだった。
セレーネは、エルゲンと婚姻を結んだ当初「穏やかで誰にでも微笑むつまらない人」だという印象をもっていたけれど、共に生活する内に徐々に彼の人柄に惹かれていく。
だけれど彼には想い人が出来てしまったようで──…。
「今度はわたくしが恩を返すべきなんですわ!」
今まで自分のことばかりだったセレーネは、初めて人のために何かしたいと思い立ち、大好きな旦那様のために奮闘するのだが──…。
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目の人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
私は彼に選ばれなかった令嬢。なら、自分の思う通りに生きますわ
みゅー
恋愛
私の名前はアレクサンドラ・デュカス。
婚約者の座は得たのに、愛されたのは別の令嬢。社交界の噂に翻弄され、命の危険にさらされ絶望の淵で私は前世の記憶を思い出した。
これは、誰かに決められた物語。ならば私は、自分の手で運命を変える。
愛も権力も裏切りも、すべて巻き込み、私は私の道を生きてみせる。
毎日20時30分に投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる