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52話、弟。
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「今日、誰と店に来たの?」
「同期のカナ。川口じゃないよ」
湯船に浸かりながら、姉ちゃんの胸をやわやわと揉む。姉ちゃんは俺に背中を向けて座るスタイルが気に入ったらしい。
姉ちゃんは二度目の入浴なので、のぼせないよう、ぬるめの湯温にしてある。
「ショウ」
「うん?」
「言いたくないなら言わなくてもいいけど、何か言っておきたいことがあったら……」
美郷店長とのことだ。
姉ちゃんのうなじが目の前にある。唇で触れると、少し震えている。寒いのではないだろう。緊張しているのは、姉ちゃんも同じか。
さて、どうしたものか。
バイトからの帰り道、姉ちゃんに美郷店長のことをどう伝えるか、ものすごく悩んだ。ぜんぶ話す? それとも、嘘をつく?
姉ちゃんはきっと、ぜんぶ知ったとしても、俺を嫌いになったりはしないだろう。でも、姉ちゃんが傷つくかもしれない。それが嫌だ。
結局、結論は出なかった。臆病な俺は、結論を出すのが怖かったのだ。
「姉ちゃんは、気づいているでしょ? 俺が、姉ちゃんが初めてではないって」
「まぁ、彼女たくさんいたしねぇ」
……ちょっと待って。
姉ちゃんはものすごい誤解をしていないか?
「俺、彼女がいたことなんてないんですけど」
「えっ? 中学のときのリエちゃんは?」
「……ただの友達」
「高校のときの、ミサコちゃんに、サクラちゃんに、タカコちゃんは?」
「……誰、それ?」
思わず、姉ちゃんがこちらを振り向く。二人して、疑問符だらけだ。
「えっ? ちょっと待って! じゃあ、ミチコちゃんは? ミスズ先生は?」
「……だから、俺は誰とも付き合ったことがないって」
「えっ、あっ、そうなの?」
姉ちゃんはどんな誤解をしていたのか。もしかして、ちょっと仲良くなった女の子たちとの仲を全員疑っていたということか? 我が姉ながら、それはちょっと幼稚すぎる。
「でも、みんな、私に宣戦布告してきた人たちばかりなんだけど……そっかぁ、付き合ってなかったんだぁ」
前言を撤回しよう。
姉ちゃんに悪意が向いていたことに気づかなかった俺が、一番馬鹿で幼稚だったんだな。
「ごめん、姉ちゃん、嫌がらせとかされてない?」
「あー、うん、まぁ、いろいろあったけど、平気だったよ」
「……ごめん」
やっぱり俺は馬鹿だったんだな。
姉ちゃんが大好きだったのに、姉ちゃんに被害が及んでいることに気づいていなかった。
今になってそれを知るなんて、本当に情けない。
「美郷店長から、何かされていない?」
「うん、それは大丈夫」
ぎゅうと裸の姉ちゃんを抱きしめる。触れるだけのキスをする。
腰を引き寄せ、姉ちゃんを俺の足の上に座らせる。少し勃ってしまったものを姉ちゃんのお尻に押し付ける。姉ちゃんは恥ずかしそうに目を伏せる。
もっとキスしてほしそうな姉ちゃんの唇に、舌を入れる。目の前にある乳首をつまんで扱く。
……あ、ダメだ。これ以上するとまた我慢できなくなってしまう。
とろんとした表情の姉ちゃんに軽くキスをして、頭をぽんぽんとたたく。高梨姉弟の、終わりの合図だ。
「長くなるから、お風呂から出て、髪を乾かしたあとでいい? じゃないと、のぼせるから」
「うん、いいよ。待つよ」
姉ちゃんは上機嫌だ。
誰とも付き合っていない、という事実が、姉ちゃんには大切だったのだろう。俺にはよくわからないけれど、初めての恋人、という響きには姉ちゃんにとっては嬉しい何かがあるのかもしれない。
「ねぇ、ショウ」
「うん?」
「私、ショウに触られるの好きだよ」
「俺も、姉ちゃんに触られるの、好き」
「良かった! じゃあ――」
姉ちゃんは湯船から出て、ボディタオルとソープを手に微笑んだ。
「今日も洗ってあげるね!」
俺、こんなに幸せでいいのかな。
「同期のカナ。川口じゃないよ」
湯船に浸かりながら、姉ちゃんの胸をやわやわと揉む。姉ちゃんは俺に背中を向けて座るスタイルが気に入ったらしい。
姉ちゃんは二度目の入浴なので、のぼせないよう、ぬるめの湯温にしてある。
「ショウ」
「うん?」
「言いたくないなら言わなくてもいいけど、何か言っておきたいことがあったら……」
美郷店長とのことだ。
姉ちゃんのうなじが目の前にある。唇で触れると、少し震えている。寒いのではないだろう。緊張しているのは、姉ちゃんも同じか。
さて、どうしたものか。
バイトからの帰り道、姉ちゃんに美郷店長のことをどう伝えるか、ものすごく悩んだ。ぜんぶ話す? それとも、嘘をつく?
姉ちゃんはきっと、ぜんぶ知ったとしても、俺を嫌いになったりはしないだろう。でも、姉ちゃんが傷つくかもしれない。それが嫌だ。
結局、結論は出なかった。臆病な俺は、結論を出すのが怖かったのだ。
「姉ちゃんは、気づいているでしょ? 俺が、姉ちゃんが初めてではないって」
「まぁ、彼女たくさんいたしねぇ」
……ちょっと待って。
姉ちゃんはものすごい誤解をしていないか?
「俺、彼女がいたことなんてないんですけど」
「えっ? 中学のときのリエちゃんは?」
「……ただの友達」
「高校のときの、ミサコちゃんに、サクラちゃんに、タカコちゃんは?」
「……誰、それ?」
思わず、姉ちゃんがこちらを振り向く。二人して、疑問符だらけだ。
「えっ? ちょっと待って! じゃあ、ミチコちゃんは? ミスズ先生は?」
「……だから、俺は誰とも付き合ったことがないって」
「えっ、あっ、そうなの?」
姉ちゃんはどんな誤解をしていたのか。もしかして、ちょっと仲良くなった女の子たちとの仲を全員疑っていたということか? 我が姉ながら、それはちょっと幼稚すぎる。
「でも、みんな、私に宣戦布告してきた人たちばかりなんだけど……そっかぁ、付き合ってなかったんだぁ」
前言を撤回しよう。
姉ちゃんに悪意が向いていたことに気づかなかった俺が、一番馬鹿で幼稚だったんだな。
「ごめん、姉ちゃん、嫌がらせとかされてない?」
「あー、うん、まぁ、いろいろあったけど、平気だったよ」
「……ごめん」
やっぱり俺は馬鹿だったんだな。
姉ちゃんが大好きだったのに、姉ちゃんに被害が及んでいることに気づいていなかった。
今になってそれを知るなんて、本当に情けない。
「美郷店長から、何かされていない?」
「うん、それは大丈夫」
ぎゅうと裸の姉ちゃんを抱きしめる。触れるだけのキスをする。
腰を引き寄せ、姉ちゃんを俺の足の上に座らせる。少し勃ってしまったものを姉ちゃんのお尻に押し付ける。姉ちゃんは恥ずかしそうに目を伏せる。
もっとキスしてほしそうな姉ちゃんの唇に、舌を入れる。目の前にある乳首をつまんで扱く。
……あ、ダメだ。これ以上するとまた我慢できなくなってしまう。
とろんとした表情の姉ちゃんに軽くキスをして、頭をぽんぽんとたたく。高梨姉弟の、終わりの合図だ。
「長くなるから、お風呂から出て、髪を乾かしたあとでいい? じゃないと、のぼせるから」
「うん、いいよ。待つよ」
姉ちゃんは上機嫌だ。
誰とも付き合っていない、という事実が、姉ちゃんには大切だったのだろう。俺にはよくわからないけれど、初めての恋人、という響きには姉ちゃんにとっては嬉しい何かがあるのかもしれない。
「ねぇ、ショウ」
「うん?」
「私、ショウに触られるの好きだよ」
「俺も、姉ちゃんに触られるの、好き」
「良かった! じゃあ――」
姉ちゃんは湯船から出て、ボディタオルとソープを手に微笑んだ。
「今日も洗ってあげるね!」
俺、こんなに幸せでいいのかな。
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