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第一章 帰還と波乱
第三十三話 お母様達はどこへ?(フィオナ視点)
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人間界の常識を学びなさいというお母様達からの指示の元、勉強を始めて一週間。私は、ようやく、お母様達の姿が見えないことに気づきました。
「ミーシャさん、お母様達は、どこへ行かれたのですか?」
「……随分今更ではありますが、そうですね……私も、どこに行くのかまでは教えてもらえませんでしたね」
「そうですか……まぁ、いつものこと、だとは思うんですけど……」
「いつも?」
そう尋ねるミーシャさんに、私はうなずきます。実を言うと、お母様がどこかへ行って、中々帰ってこないのは今に始まったことではありません。ただ、一応私やラルフにはどこに何をしに行くとか、何日帰ってこないとか、色々と伝えてはくれるのですが……私は、わりと聞き逃していることが多かったために、今は、ラルフに言付けることが多いのです。
「年に一回の結婚記念旅行とか、物質研究会への出席とか、ただのデートとか、色々なんですけど、あの二人が離れることは滅多にないので、私達を連れていけない場合は、必然的に留守番でしたね」
そう言いながら、ラルフに詳しく聞かなければならないかなぁと思って歩いていると……ふいに、お母様とお父様、そして、ルクレチア叔母様の気配が消失する。
「「!??!?!!」」
それを察知できるのは、神である私達のみ。この世界から、お母様達の気配が感じられないという事態に、私だけでなく、ミーシャさんも取り乱してしまう。
「なっ、お姉様の気配が!?」
「ちょっ、嘘、ですよね? え? 他の世界に行くとかなら、いくら何でも聞かされているはずですよ!?」
世界の移動は、簡単に行えるものではありません。そして、私やラルフは、お母様達が居るからこそ、人間界へ降りる許可が出たのです。それなのに、私達を置いていくなど、普通では考えられません。
「ミーシャ! フィオナちゃん!」
と、そこへ、星妖精という種族のセイさんがやってきました。彼もまた、お母様達の気配の消失を確認したのでしょう。その顔は完全に青ざめています。
「ユレイラが!」
それとほぼ同時に、鋼さんも駆けてきます。そこから少し遅れて、愛しのラルフも。
「フィオナぁ、ユレイラ様がっ、イリアス様がっ、ルクレチア様がっ!!」
「ラルフ……まずは、ラルフの知っていることを教えてください」
何か、不測の事態があったのは間違いないです。そう思って、ラルフに尋ねたものの、ラルフは首を傾げます。
「僕は、フィオナから話を聞こうと思ってたんだけど……?」
私達の食い違いを前に、その場の全員が青ざめるのは、すぐのことだった。
「ミーシャさん、お母様達は、どこへ行かれたのですか?」
「……随分今更ではありますが、そうですね……私も、どこに行くのかまでは教えてもらえませんでしたね」
「そうですか……まぁ、いつものこと、だとは思うんですけど……」
「いつも?」
そう尋ねるミーシャさんに、私はうなずきます。実を言うと、お母様がどこかへ行って、中々帰ってこないのは今に始まったことではありません。ただ、一応私やラルフにはどこに何をしに行くとか、何日帰ってこないとか、色々と伝えてはくれるのですが……私は、わりと聞き逃していることが多かったために、今は、ラルフに言付けることが多いのです。
「年に一回の結婚記念旅行とか、物質研究会への出席とか、ただのデートとか、色々なんですけど、あの二人が離れることは滅多にないので、私達を連れていけない場合は、必然的に留守番でしたね」
そう言いながら、ラルフに詳しく聞かなければならないかなぁと思って歩いていると……ふいに、お母様とお父様、そして、ルクレチア叔母様の気配が消失する。
「「!??!?!!」」
それを察知できるのは、神である私達のみ。この世界から、お母様達の気配が感じられないという事態に、私だけでなく、ミーシャさんも取り乱してしまう。
「なっ、お姉様の気配が!?」
「ちょっ、嘘、ですよね? え? 他の世界に行くとかなら、いくら何でも聞かされているはずですよ!?」
世界の移動は、簡単に行えるものではありません。そして、私やラルフは、お母様達が居るからこそ、人間界へ降りる許可が出たのです。それなのに、私達を置いていくなど、普通では考えられません。
「ミーシャ! フィオナちゃん!」
と、そこへ、星妖精という種族のセイさんがやってきました。彼もまた、お母様達の気配の消失を確認したのでしょう。その顔は完全に青ざめています。
「ユレイラが!」
それとほぼ同時に、鋼さんも駆けてきます。そこから少し遅れて、愛しのラルフも。
「フィオナぁ、ユレイラ様がっ、イリアス様がっ、ルクレチア様がっ!!」
「ラルフ……まずは、ラルフの知っていることを教えてください」
何か、不測の事態があったのは間違いないです。そう思って、ラルフに尋ねたものの、ラルフは首を傾げます。
「僕は、フィオナから話を聞こうと思ってたんだけど……?」
私達の食い違いを前に、その場の全員が青ざめるのは、すぐのことだった。
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