悪役令嬢の神様ライフ

星宮歌

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第一章 帰還と波乱

第三十四話 別の問題(フィオナ視点)

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 何が起こっているのか。それは、この場の誰もが分からないことでした。そして、その間にも別の問題が発生します。


「あっ」

「っ……」


 戸惑いを浮かべる面々の中で、異変があったのは、私とラルフのみ。それもそのはずで……私達は、お母様達が保護者としての役割を果たしていたからこそ、人間界に滞在できていたのです。それが失われたとなれば、警告が行われるのは当然のこと。手の甲に走った一瞬の熱さの後、そこには、数字が一つ浮かびます。


「フィオナちゃん? ラルフ君?」


 同時に反応を示した私達を心配するミーシャさん。そして、私達が反応を示した手の甲を見て、眉間にシワを寄せます。


「これは、滞在期間ですか?」

「はい。お母様達が居なくなれば、私達は本来、人間界に滞在することはできません。ですが、退去準備として、一定の期間を与えられるので……今は、最大で三日、ですね」


 あと三日で、人間界を去らなければならない。お母様達に、何が起こったのか分からないままに……。


「セイ、鋼、魔王を呼べば、保護者として十分だと思う?」

「セルティスさんとコルトさん、アメリアさんですか……創世神様と交渉しなければ分かりませんが……多分、足りないです」

「なら、私や竜神様、エイリーンと、今は出ているけど、ネシスまで加えたら?」

「…………そう、ですね。ギリギリ、何とか、くらいかもしれません」



 私達の人間界滞在時における保護者となって、滞在期間を延長するには、私達を御せるだけの力を持っていなければなりません。何かあった時、力ずくで押さえられなければ、保護者の意味がありませんので、それは当然のことです。しかし、私とラルフの力は、かなり強いものだと自負しております。私一人ではお母様にもお父様にも叶いませんが、ラルフと一緒なら、お母様はギリギリでどうにかできるかもしれない、くらいです。……もし、そんなことができたとしても、お父様にすぐにやられてしまうとは思いますが、それだけの力は持っています。


「そういうことなら、僕が代表で行くよ。ついでに、ユレイラに関して、何か知らないかも吐かせてくるから」


 話を聞いて、声をあげたのはセイさん。彼とはまだあまり話したことはないものの、お母様が言うには、とても頼もしい味方らしいので、お任せすることにします。


「「よろしくお願いします」」


 お母様達がどうしたのかは分かりません。しかし、ここでこのまま神界へ帰ってしまえば、お母様達とは永遠に会えなくなる気がして、とにかく、滞在期間を延ばしておこうという気になりました。


「任せて。それじゃあ、行ってくるね」


 そう言い残して飛び立ったセイさん。残った私達は、ひとまず、お母様に関する手がかりをできるだけ集めるべく、動き出しました。
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