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第一章 帰還と波乱
第四十五話 ツライ現実(ミーシャ視点)
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「えっ……それって、じゃあ、セイはとりあえず、アメリアさんを助けてくれた……んですよね?」
セイが時計台に突入して、時計台を破壊したところまでを聞いた私は、望みが薄かろうとなんだろうと、とりあえず、儚い希望を夢見てみる。
「……すまない。セイは、敵の術中にハマって、今まさに、邪神を殺しかけていると思われる」
「どういうことですか!?」
『敵の術中にハマって』というのは、予想しなかったわけじゃない。むしろ、それをありありと予想してしまって、否定してほしいなぁと僅かな望みを持っていて、予想が間違っていなかったことを告げられてガッカリした、というだけのこと。問題は、なぜか、その敵であるはずの邪神が、自らの術によって危険に晒されているらしいということ。
「あっ、それなら、思い出したことがありますよ!」
不味いことになったと思って、頭を抱えていると、どこからともなく、ひょっこりと、フィオナちゃんが顔を出してくる。
「私もすっかり忘れていたんですが、神によっては、自分の能力を無意識に発動させて、自爆してしまう神が居るらしいんです。本人は、ただ楽しく振る舞っているだけなのに、能力を使う相手が悪かったために、ピチュンと」
「「ピチュン……」」
フィオナちゃんの物言いに、まだ見ぬ妄想の邪神が弾け飛ぶことをイメージして、身震いする。
「な、なら、今からそこに行って、邪神を捕まえれば……」
「それは……不可能かと」
「うん、私でも無理だと思いますよー」
苦い顔のアメリアと、どこかゲッソリとした様子のフィオナちゃんの様子に、これ以上、何があるのだと頭が痛くなる。
「ミーシャ……その聞きたくないかもしれないが、聞いてほしい。私も、自分だけで抱えるには限度がある」
「待って、心の準備をさせてくださいぃっ」
「ダメですよ。急がないといけないんですし、ね?」
私の心の奥底からの叫びは、アメリアではなくフィオナちゃんに却下される。そして……。
「現在、邪神の術中にハマったと確認できる神は二人。セイと鋼は、今、あの場所で死闘を繰り広げている」
ろくに心の準備もできないままに告げられた、あまりにも厄介な現実。
「今、あの妄想の邪神は、バトルものにハマりだしたみたいでして、あの場に行けば、もれなく乱闘会場で仲間入りってことになってしまうみたいですね……」
そんなフィオナちゃんの発言に、私は思う。
(何もかも忘れて、気絶してしまいたい……)
残念ながら、お姉様に鍛えられ、なおかつ神として覚醒した私は、簡単には気絶できない。しかし、それを知ってなお、気絶を望むくらいには、現実がツラすぎた。
セイが時計台に突入して、時計台を破壊したところまでを聞いた私は、望みが薄かろうとなんだろうと、とりあえず、儚い希望を夢見てみる。
「……すまない。セイは、敵の術中にハマって、今まさに、邪神を殺しかけていると思われる」
「どういうことですか!?」
『敵の術中にハマって』というのは、予想しなかったわけじゃない。むしろ、それをありありと予想してしまって、否定してほしいなぁと僅かな望みを持っていて、予想が間違っていなかったことを告げられてガッカリした、というだけのこと。問題は、なぜか、その敵であるはずの邪神が、自らの術によって危険に晒されているらしいということ。
「あっ、それなら、思い出したことがありますよ!」
不味いことになったと思って、頭を抱えていると、どこからともなく、ひょっこりと、フィオナちゃんが顔を出してくる。
「私もすっかり忘れていたんですが、神によっては、自分の能力を無意識に発動させて、自爆してしまう神が居るらしいんです。本人は、ただ楽しく振る舞っているだけなのに、能力を使う相手が悪かったために、ピチュンと」
「「ピチュン……」」
フィオナちゃんの物言いに、まだ見ぬ妄想の邪神が弾け飛ぶことをイメージして、身震いする。
「な、なら、今からそこに行って、邪神を捕まえれば……」
「それは……不可能かと」
「うん、私でも無理だと思いますよー」
苦い顔のアメリアと、どこかゲッソリとした様子のフィオナちゃんの様子に、これ以上、何があるのだと頭が痛くなる。
「ミーシャ……その聞きたくないかもしれないが、聞いてほしい。私も、自分だけで抱えるには限度がある」
「待って、心の準備をさせてくださいぃっ」
「ダメですよ。急がないといけないんですし、ね?」
私の心の奥底からの叫びは、アメリアではなくフィオナちゃんに却下される。そして……。
「現在、邪神の術中にハマったと確認できる神は二人。セイと鋼は、今、あの場所で死闘を繰り広げている」
ろくに心の準備もできないままに告げられた、あまりにも厄介な現実。
「今、あの妄想の邪神は、バトルものにハマりだしたみたいでして、あの場に行けば、もれなく乱闘会場で仲間入りってことになってしまうみたいですね……」
そんなフィオナちゃんの発言に、私は思う。
(何もかも忘れて、気絶してしまいたい……)
残念ながら、お姉様に鍛えられ、なおかつ神として覚醒した私は、簡単には気絶できない。しかし、それを知ってなお、気絶を望むくらいには、現実がツラすぎた。
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