悪役令嬢の生産ライフ

星宮歌

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第三章 少女期 女神編

第三百十四話 食い違い

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「あんなに、ダメダメな女神っぽかったのに……」


 あの駄女神が、そんなにも苛烈な性質を持ち合わせているとは信じられずに呟けば、竜神様も山の神も何を言ってるんだといった様子でこちらを見る。


「かの女神は、とても几帳面な性格で、間違ってもダメダメということは言われないと思いますが」

「そうね。あの女神は、もう、かっちりし過ぎてて、面白みの欠片もないような奴よ?」

「え? 転生させるのも説明不足で、いきなり危機的状況なのに、全く音沙汰なくて、ようやく会えたかと思えば、私は女神の尻拭いのために転生させられたと判明したような状態で、それ??」

「「はっ?」」

「えっ?」


 お互いに、疑問の声をあげた私達は、しばし、お互いの顔を見合う。……いや、山の神の顔だけは、見れたものではないので、そっと目を逸らす。


「ちょっ、あんた達っ、何で、私から目を逸らすわけ!?」


 どうやら、目を逸らしたのは私だけではなかったらしい。チラリと見れば、竜神様も目を逸らしているのが確認できて、お互い、『あれはない(です)よね』とアイコンタクトを取る。


「ユミリア、鏡、持ってたよね?」

「っ、えっ、あ、う、うん? 持ってた、かなぁ?」


 さすがに、現実を教えるのは躊躇われたのだが、セイの一言で、その気遣いは無に帰す。


「今、自分がどんな顔をしてるのか教えてあげると良いよ。それで、ちょっとまともになって、ちゃんと頭を働かせた方が良いんじゃない?」

「えっ……ど、どういうこと? いえ、そういえば、ワタシ、力を封じられ、て……か、鏡っ! 今すぐ、鏡ぃっ!!」


 取り乱す山の神を前に、竜神様は、『あいつは、神気で元の容姿を保っていたんです』とのお言葉が……。


(あっ、つまり、惨状に気づいちゃった、と)


 恐らく、セイが指摘したのは、山の神の姿が見苦しかっただけではなく、多少、八つ当たりもあるのだろう。
 私が出すまでもなく、鏡をどこからともなく取り出した山の神は、それを見て、カチンと固まる。


「それじゃあ、落としてみようか」


 何を、と聞く前に、セイは魔法を行使する。一般的に、洗浄魔法と呼ばれるそれ、主に、洗濯物に使うそれ、決して、人に向けて使うものではないそれを、躊躇いなく、山の神に使ってみせる。


「ごぼっ、がぼぼぼぼっ」


 顔だけが、水の球に飲み込まれて、乱雑な水流が巻き起こる。
 数十秒後、白目を剥いた山の神がその場で倒れていたのだった。
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