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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第二百六十九話 竜の森(五)
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「にゃ(『人化』なのだ)」
このままでは話ができないということで、我輩、ラーミアがとっても怖くなっている様子を尻目に『人化』する。
「うむ、ちゃんと『人化』できたのだ」
「あら? タロのその姿は久しぶりですね」
「猫が、人の子供の姿に……?」
我輩の『人化』に気づいたラーミアは珍しげに、そして、マギウスは驚愕の表情で我輩を見ていた。
「うむ、この姿なら話せるのだ。ラーミア、とりあえず、マギウスのことは置いておいて、ここから下りるのが優先なのだ」
そう言いながら、我輩、チラリと下を見る。
うむ、ものすごく高くて、震えがきそうなのだ。
地面が遠くに見えるほどの高さに、我輩、血の気が引く。しかし、ここから下りないわけにもいかないため、とにかくラーミアの意見を聞こうとして……後悔することになる。
「分かりましたわ。それでは、下りましょう」
「む? どうやってなのだ?」
どうやら、何か案があるらしいと、我輩、ラーミアに尋ねたのだが……ラーミアはなぜか、我輩とマギウスの腕を掴んでくる。
「……ラーミア?」
「ラ、ラーミア、さん?」
何をするのか分からず暢気に構える我輩とは対称的に、マギウスは可哀想なくらい真っ青になっている。
ううむ? どうやって下りるつもりなのだ?
事態がよく飲み込めていない我輩は、もしかしたら幸せだったのかもしれない。その直前まで、恐怖を味わうことがなかったのだから。
「では、行ってきてください」
「む?」
「ひぃっ」
直後、我輩とマギウスは強い力で木から落とされていた。
「う、うわぁぁぁぁあっ!!」
「ぎゃあぁぁぁあっ!!!」
ほぼ同時に上がる悲鳴。そして、そんな我輩達を餌としてしか見ていない恐竜達の目が、一斉に我輩達へと注がれる。
「猫流奥義、極大ガリガリプラスぅぅぅっ」
普段は三十センチ以内で伸び縮みさせている魔力の爪。しかし、今回ばかりはその程度の長さでは足りないと、咄嗟に長く長く魔力の爪を伸ばして下に居る恐竜達を蹴散らす。ただ、どんなに頑張ってもそれは一定の数しか屠れない。
「『水鎖』」
地面がどんどん近づいて、絶望的な面持ちになったであろうその瞬間、我輩の体は、急に腹部への圧迫を伴って止まる。
「へぁっ?」
そして、止まったところを、比較的小さいサイズの恐竜が飛び上がって、目の前でガチンッと歯をカチ鳴らす。
「ひぃぃぃいっ」
間一髪、食われることはなかったものの、我輩に恐怖を植え付けるには十分過ぎる演出。我輩、すでに涙目だ。
「タロ、そこからなら竜達を狙って倒せますか?」
と、そこに、頭上からラーミアの声が届き、我輩、自分がやるべきことを明確に理解する。
できないと言ったら、絶対落とされるのだっ。
よく見れば、マギウスも我輩と同じく、水の鎖に巻かれて宙にぶら下がっている状態だった。そして、可哀想なくらいに引きつった表情で涙を浮かべていた。
「できるのだっ!」
その様子を認識した瞬間、我輩はそう答え、周囲の恐竜達を葬っていくのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ラーミアが、思った以上に鬼畜になってしまった気がします。
まぁ、タロなら大丈夫でしょうっ(マギウスは可哀想ですが)
それでは、また!
このままでは話ができないということで、我輩、ラーミアがとっても怖くなっている様子を尻目に『人化』する。
「うむ、ちゃんと『人化』できたのだ」
「あら? タロのその姿は久しぶりですね」
「猫が、人の子供の姿に……?」
我輩の『人化』に気づいたラーミアは珍しげに、そして、マギウスは驚愕の表情で我輩を見ていた。
「うむ、この姿なら話せるのだ。ラーミア、とりあえず、マギウスのことは置いておいて、ここから下りるのが優先なのだ」
そう言いながら、我輩、チラリと下を見る。
うむ、ものすごく高くて、震えがきそうなのだ。
地面が遠くに見えるほどの高さに、我輩、血の気が引く。しかし、ここから下りないわけにもいかないため、とにかくラーミアの意見を聞こうとして……後悔することになる。
「分かりましたわ。それでは、下りましょう」
「む? どうやってなのだ?」
どうやら、何か案があるらしいと、我輩、ラーミアに尋ねたのだが……ラーミアはなぜか、我輩とマギウスの腕を掴んでくる。
「……ラーミア?」
「ラ、ラーミア、さん?」
何をするのか分からず暢気に構える我輩とは対称的に、マギウスは可哀想なくらい真っ青になっている。
ううむ? どうやって下りるつもりなのだ?
事態がよく飲み込めていない我輩は、もしかしたら幸せだったのかもしれない。その直前まで、恐怖を味わうことがなかったのだから。
「では、行ってきてください」
「む?」
「ひぃっ」
直後、我輩とマギウスは強い力で木から落とされていた。
「う、うわぁぁぁぁあっ!!」
「ぎゃあぁぁぁあっ!!!」
ほぼ同時に上がる悲鳴。そして、そんな我輩達を餌としてしか見ていない恐竜達の目が、一斉に我輩達へと注がれる。
「猫流奥義、極大ガリガリプラスぅぅぅっ」
普段は三十センチ以内で伸び縮みさせている魔力の爪。しかし、今回ばかりはその程度の長さでは足りないと、咄嗟に長く長く魔力の爪を伸ばして下に居る恐竜達を蹴散らす。ただ、どんなに頑張ってもそれは一定の数しか屠れない。
「『水鎖』」
地面がどんどん近づいて、絶望的な面持ちになったであろうその瞬間、我輩の体は、急に腹部への圧迫を伴って止まる。
「へぁっ?」
そして、止まったところを、比較的小さいサイズの恐竜が飛び上がって、目の前でガチンッと歯をカチ鳴らす。
「ひぃぃぃいっ」
間一髪、食われることはなかったものの、我輩に恐怖を植え付けるには十分過ぎる演出。我輩、すでに涙目だ。
「タロ、そこからなら竜達を狙って倒せますか?」
と、そこに、頭上からラーミアの声が届き、我輩、自分がやるべきことを明確に理解する。
できないと言ったら、絶対落とされるのだっ。
よく見れば、マギウスも我輩と同じく、水の鎖に巻かれて宙にぶら下がっている状態だった。そして、可哀想なくらいに引きつった表情で涙を浮かべていた。
「できるのだっ!」
その様子を認識した瞬間、我輩はそう答え、周囲の恐竜達を葬っていくのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ラーミアが、思った以上に鬼畜になってしまった気がします。
まぁ、タロなら大丈夫でしょうっ(マギウスは可哀想ですが)
それでは、また!
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