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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第三百七話 と、飛びまーすっ
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ドラゴンの踏み潰し攻撃を精一杯避けながら、我輩を抱えた飼い主は走る。とりあえず、攻撃が効かない腹の下から出て、目や口へと攻撃を加えるべく、それが見えやすい場所に向かうためだ。
「にゃーっ(ブレスが来るのだっ)」
「分かったのだっ」
腹の下から出れば、必然的にブレスの餌食になりやすい位置へと出ることになるため、我輩は飼い主に抱えられながら、背後の状況を報告する。
背後を見ることなく、そのブレスをかわした飼い主は、さらに走る。
「にゃっ! (今度は、何かの魔法なのだっ!)」
幾重にも浮かび上がる魔法陣がドラゴンの口元に出現したことで、我輩、飼い主に危険を知らせる。
「むっ、分かったのだ。『多重結界』!」
飼い主が結界を張った直後、当たりは一面凍りつき、バリバリと砕け散る。飼い主の結界も、どうやら数枚が破られたらしく、バラバラと崩れていくのが見える。
「にゃっ(また魔法なのだっ)」
「では、もう一度、『多重結界』」
次は、フィールド全てがマグマに覆いつくされる。結界も、パリンパリンと割れていく音がした。
「むぅ、これは、不味いのだ。タロ、準備は良いか? これから飛ぶぞ?」
「に、にゃあっ(う、うむ、大丈夫なのだっ)」
高いところは怖いが、飼い主と一緒ならば大丈夫だ。
飼い主は、ドラゴンの方へ向き直ると、その視線をドラゴンの顔へと固定する。そして……。
「にゃ? (うむ?)」
なぜか、飼い主は我輩を片手に持って、大きく振りかぶる。
「に、にゃあ? (か、飼い主?)」
「では、行ってくるのだ。タロっ!」
その言葉の直後、我輩、ものすごい勢いで空中に放り出された。
「ふ、ふにゃあぁぁぁぁぁぁあっ!!!(よ、予想外ぃぃぃぃぃぃいっ!!!)」
顔面に受ける風圧は凄まじく、顔の肉が後ろへパタパタしているのが感じられる。しかし、そんなことを呑気に考えている場合でもなかった。
「に、にゃおーんっ!!! (ね、猫流奥義、くるくるアタックプラスぅぅぅうっ!!!)」
飼い主の期待に応えないわけにもいかない我輩は、体を回転させ、ついでにトゲトゲの魔力で全身を覆ってドラゴンの目へと飛び込む。そして……。
「にゃあぁぁあっ(グチョってしたぁぁあっ)」
ほぼ一瞬ではあったが、体に何かを貫いたような感覚が襲い、そのまま壁へと激突し、めり込む。
「グギャアァァァァァアッ!!!」
「うむ、よくやったのだ。タロ!」
とりあえず、怪我をしたわけでも何でもないが、壁にめり込んだまま動けない我輩は、飼い主の言葉に、攻撃が無駄ではなかったことを知り、ホッとするのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
動物虐待を叫ばれそうな今回の話ですが……タロは普通の猫ではないので、ご勘弁を。
次回は、きっと、まともな戦闘シーンになる、はず?
それでは、また!
「にゃーっ(ブレスが来るのだっ)」
「分かったのだっ」
腹の下から出れば、必然的にブレスの餌食になりやすい位置へと出ることになるため、我輩は飼い主に抱えられながら、背後の状況を報告する。
背後を見ることなく、そのブレスをかわした飼い主は、さらに走る。
「にゃっ! (今度は、何かの魔法なのだっ!)」
幾重にも浮かび上がる魔法陣がドラゴンの口元に出現したことで、我輩、飼い主に危険を知らせる。
「むっ、分かったのだ。『多重結界』!」
飼い主が結界を張った直後、当たりは一面凍りつき、バリバリと砕け散る。飼い主の結界も、どうやら数枚が破られたらしく、バラバラと崩れていくのが見える。
「にゃっ(また魔法なのだっ)」
「では、もう一度、『多重結界』」
次は、フィールド全てがマグマに覆いつくされる。結界も、パリンパリンと割れていく音がした。
「むぅ、これは、不味いのだ。タロ、準備は良いか? これから飛ぶぞ?」
「に、にゃあっ(う、うむ、大丈夫なのだっ)」
高いところは怖いが、飼い主と一緒ならば大丈夫だ。
飼い主は、ドラゴンの方へ向き直ると、その視線をドラゴンの顔へと固定する。そして……。
「にゃ? (うむ?)」
なぜか、飼い主は我輩を片手に持って、大きく振りかぶる。
「に、にゃあ? (か、飼い主?)」
「では、行ってくるのだ。タロっ!」
その言葉の直後、我輩、ものすごい勢いで空中に放り出された。
「ふ、ふにゃあぁぁぁぁぁぁあっ!!!(よ、予想外ぃぃぃぃぃぃいっ!!!)」
顔面に受ける風圧は凄まじく、顔の肉が後ろへパタパタしているのが感じられる。しかし、そんなことを呑気に考えている場合でもなかった。
「に、にゃおーんっ!!! (ね、猫流奥義、くるくるアタックプラスぅぅぅうっ!!!)」
飼い主の期待に応えないわけにもいかない我輩は、体を回転させ、ついでにトゲトゲの魔力で全身を覆ってドラゴンの目へと飛び込む。そして……。
「にゃあぁぁあっ(グチョってしたぁぁあっ)」
ほぼ一瞬ではあったが、体に何かを貫いたような感覚が襲い、そのまま壁へと激突し、めり込む。
「グギャアァァァァァアッ!!!」
「うむ、よくやったのだ。タロ!」
とりあえず、怪我をしたわけでも何でもないが、壁にめり込んだまま動けない我輩は、飼い主の言葉に、攻撃が無駄ではなかったことを知り、ホッとするのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
動物虐待を叫ばれそうな今回の話ですが……タロは普通の猫ではないので、ご勘弁を。
次回は、きっと、まともな戦闘シーンになる、はず?
それでは、また!
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