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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第三百八話 悪食発動
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ホッとしたのも束の間、片目をを貫かれたドラゴンは大いに暴れだす。
ズシンズシンという地響きが絶え間なく響き、その尾は洞窟の壁を破壊する。
……このままは不味いのだ。
壁に埋まった状態で、身動きが取れなかった我輩は、周りの壁を『悪食』でなくしてしまい、そこから這い出る。
「にゃ? (そういえば、悪食は生き物にも使えるのだろうか?)」
《……多少の抵抗はあるかもしれませんが、可能です》
タマの答えに、我輩、とりあえず少しだけ試してみる。
「にゃ。にゃあっ(対象は、ドラゴンの鱗で。『悪食』なのだっ)」
すると、次の瞬間、ドラゴンの鱗は全て剥がれ落ち、我輩に吸収されていく。『悪食』を使うと、大抵は対象にしたものが一瞬で消えてしまうので、この光景は初めてだった。
「グギャアァァァァァッ!!!」
突然鱗を全て剥がされたドラゴンは、全身から血を吹き出して悶絶する。鱗を全て食べ終えた我輩は、その濃厚な味わいに舌鼓を打ちながら、その様子を警戒した。
「っ!? とにかくチャンスなのだっ」
ドラゴンを注視していた飼い主は、我輩が何をしたのかまでは分からなかったようだったが、この絶好の機会を逃すことはなかった。光の剣を片手に、飼い主は一気にドラゴンの前足を一本、斬り落とす。
「ギャオォォォォオッ!!」
直後、激痛に叫ぶドラゴンが、滅茶苦茶な軌道でブレスが発動させ、この空間全てが焼き尽くした。
「『多重結界』」
「にゃ(『多重結界』なのだ)」
バランスを崩したドラゴンは、前のめりに倒れ、それでもなお、ブレスを吐き続ける。
パリン、パリンと、結界が徐々に破られていくのを感じて、我輩、さらに結界を重ねる。そして……。
「にゃ……にゃあっ(頭は怖いから……ドラゴンの尻尾に『悪食』なのだっ)」
先程のように、吸収されるものが近づいてくることを考えれば、頭を選択する気はなかった。ブレスを吐き続けるドラゴンの頭が迫ってくるなど、悪夢以外の何者でもない。
『悪食』を発動させれば、ドラゴンの尻尾はブチブチブチっと引きちぎられ、やはり我輩の方へとゆらゆら迫ってくる。そして、そこで、ドラゴンは我輩をロックオンした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ロックオンされたタロ。
ドラゴンは瀕死の重傷ではありますが、もう少し戦いは続きそうです。
……ドラゴンが可哀想な気もしますが……。
それでは、また!
ズシンズシンという地響きが絶え間なく響き、その尾は洞窟の壁を破壊する。
……このままは不味いのだ。
壁に埋まった状態で、身動きが取れなかった我輩は、周りの壁を『悪食』でなくしてしまい、そこから這い出る。
「にゃ? (そういえば、悪食は生き物にも使えるのだろうか?)」
《……多少の抵抗はあるかもしれませんが、可能です》
タマの答えに、我輩、とりあえず少しだけ試してみる。
「にゃ。にゃあっ(対象は、ドラゴンの鱗で。『悪食』なのだっ)」
すると、次の瞬間、ドラゴンの鱗は全て剥がれ落ち、我輩に吸収されていく。『悪食』を使うと、大抵は対象にしたものが一瞬で消えてしまうので、この光景は初めてだった。
「グギャアァァァァァッ!!!」
突然鱗を全て剥がされたドラゴンは、全身から血を吹き出して悶絶する。鱗を全て食べ終えた我輩は、その濃厚な味わいに舌鼓を打ちながら、その様子を警戒した。
「っ!? とにかくチャンスなのだっ」
ドラゴンを注視していた飼い主は、我輩が何をしたのかまでは分からなかったようだったが、この絶好の機会を逃すことはなかった。光の剣を片手に、飼い主は一気にドラゴンの前足を一本、斬り落とす。
「ギャオォォォォオッ!!」
直後、激痛に叫ぶドラゴンが、滅茶苦茶な軌道でブレスが発動させ、この空間全てが焼き尽くした。
「『多重結界』」
「にゃ(『多重結界』なのだ)」
バランスを崩したドラゴンは、前のめりに倒れ、それでもなお、ブレスを吐き続ける。
パリン、パリンと、結界が徐々に破られていくのを感じて、我輩、さらに結界を重ねる。そして……。
「にゃ……にゃあっ(頭は怖いから……ドラゴンの尻尾に『悪食』なのだっ)」
先程のように、吸収されるものが近づいてくることを考えれば、頭を選択する気はなかった。ブレスを吐き続けるドラゴンの頭が迫ってくるなど、悪夢以外の何者でもない。
『悪食』を発動させれば、ドラゴンの尻尾はブチブチブチっと引きちぎられ、やはり我輩の方へとゆらゆら迫ってくる。そして、そこで、ドラゴンは我輩をロックオンした。
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ロックオンされたタロ。
ドラゴンは瀕死の重傷ではありますが、もう少し戦いは続きそうです。
……ドラゴンが可哀想な気もしますが……。
それでは、また!
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