我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第四章 騒乱のカレッタ小王国

第三百十一話 居なくなる?

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「……タロ、はしゃいでいたな」

「えぇ、そうですね」

「帰ってきたら、もう、タロはケントと一緒に旅をするのだろうか?」

「!? そんなっ」

「そう、かもしれませんわね」


 タロとケントを送り出した俺達は、情報収集をする前に集まって、少しだけ話し合いの場を設けていた。話題はもちろん、タロのことだ。


「僕は途中から入ったから分からないけど、あのタロって猫のためには、飼い主と一緒の方が良いんじゃないのか?」


 そんなマギウスの言葉に、俺達は揃って落ち込む。
 そう、分かってはいるのだ。タロは、ケントと共に居た方が幸せなのだろうと。ケントの方がタロのことは良く分かっているし、気を許せる相手だ。そして、何よりも、強い。タロに守ってもらっているような俺達よりも、タロを守れるケントの方が一緒に居るに相応しい相手に決まっている。


「えっ? ちょっ、そんなに落ち込むことか? たかが猫一匹だろ?」

「タロはもう、仲間だったんだ。それがいきなり抜けるとなれば、俺達も落ち込むくらいはするさ」


 一人、ついていけてないマギウスに説明すれば、マギウスは一応は納得してくれた。


「で、でも、タロに確認は取ってないんだろ? だったら、もしかしたら僕達と一緒に来てくれるかもしれないし……そうだよっ、ケントも一緒に来れば問題ないじゃないかっ」

「いや、タロもケントも勇者だ。勇者が魔王とともに居るだなんて、良くないことだろう? タロのためには、俺達が引くべきなんだ」

「タロ……」


 ディアムはそんな俺の言葉にショックを受けたような表情になる。何だかんだいって、ディアムはタロが気に入っていた。離れるのはつらいだろう。


「今生の別れというわけではありませんわ。もしかしたら、この先、また出会うことがあるかもしれませんわ。だから、今は目の前の問題解決を優先しましょう」


 ディアムを気遣う様子のラーミアも、実はタロを可愛がっていた。しかし、問題の解決は確かに必要だ。


「そうだな。俺とディアム、ラーミアとマギウスのペアで、別れて情報収集に行こう。集める情報は、『邪神の眼』ができる前に何者かがそこに居なかったかというものだ」


 ケントは、『邪神の眼』と呼ばれる大穴ができた理由について、詳しくは話さなかったものの、どうやら人の手が入ってできるものらしいということだけは分かった。ならば、俺達の役割は、『邪神の眼』を作った奴を見つけ出し、タロ達に情報提供することだろう。


「「御意」」

「分かった」


 そうして、情報集めが始まった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


今回は、ちょっとしんみり?

タロは今後、どういった道を進むんでしょうね?

次回は、詳しい情報収集中の出来事になりそうです。

それでは、また!
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