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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第三百二十六話 封印探し(一)
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どこに封印があるのかと、我輩と飼い主は一緒に探してみるものの、怪しい泉も、怪しい祭壇も、怪しい剣も、何もない。本当に、何もなかった。
「にゃあ? (本当にここに封印があるのだろうか?)」
「ううむ、ここまで見つからないとなると、私も疑わざるを得ないな」
封印といえば、コレと言いたくなるものが何一つ見当たらない。怪しい社も、怪しい大樹すらもないのだ。
「にゃあ(もしや、上にあるのだろうか?)」
「いや、案外下かもしれないぞ?」
木々の枝葉が覆っている空を見上げる我輩と、でこぼこと歩きづらい地面を見つめる飼い主。どうやら、方針は決まったのだ。
「にゃー(我輩、上を見てみるのだ)」
「それは、大丈……いや、タロがそれで良いのならば何も言わないのだ。私は、地面を観察してみることとしよう」
そういうわけで、早速、我輩は近くの木に登る。木登りは、我輩、得意なのだ。
鼻唄混じりにズンズンと登る我輩は、忘れていた。我輩、登るのだけが得意だったということを。
「ふ、ふにゃあぁあっ(た、高いのだぁぁあっ)」
ある程度まで登った我輩は、手頃な枝にミシリと音を立てながら乗って、それを実感した。
「ふにゃあぁあっ(飼い主ぃいっ)」
「うむ、やはりそうなったか……」
高い、怖い、高い、怖いと鳴く我輩に、飼い主は地面から目を離し、呆れたように我輩を眺める。
「そこで待っているのだ。すぐに、下ろしてやるのだ」
そう言った飼い主は、我輩が乗っている枝の下まで来ると、何やら屈伸を始める。
「ふにゃあぁあっ(飼い主ぃいっ)」
ひゅおぉぉおっと風が吹けば、我輩の乗っている枝はユラユラと揺れて、我輩、泣きそうになる。
「うむ、大丈夫だ。では、行くぞっ」
泣きそうになりながらも、飼い主の助けに来てくれるという言葉に我輩は安心する……が、それが間違いだったことを、我輩、直後に知ってしまう。
「掴まれ、タロ」
「にゃっ(飼い主っ)」
なぜか少し目を閉じていた間に、目の前に居た飼い主。我輩疑問に思うこともなく、飛びつく。そして……。ふと、重力を感じた。
「ふ? ふにゃあぁぁあっ(む? 落ちてるぅぅぅうっ)」
てっきり、飼い主は木を登って来たのだと思っていたが、それは違った。飼い主は、ただ跳んだだけで、ちょうど我輩の目の前になる位置で、枝を掴んで止まっていたに過ぎなかったのだ。我輩が飛びついた直後、飼い主はその枝から手を離し、自由落下に身を任せていたのだ。
「にゃあぁっ、ふにゃあぁあっ(怖いぃいっ、怖いのだあぁぁあっ)」
「大丈夫だ、タロ。もう地面に着いている」
「ふにゃ……にゃ? (怖いぃ……うむ?)」
飼い主に言われて、落ち着いて見れば、確かに、もう地面との距離はいつもの抱っこの距離しかなかった。
そうして、すぐに、我輩と飼い主が封印探しの担当する場所を変えたのは、言うまでもない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
案外うっかりなタロ。
高いところは相変わらず苦手です。
例え落ちたとしても、怪我一つ負わない体なんですけどね。
それでは、また!
「にゃあ? (本当にここに封印があるのだろうか?)」
「ううむ、ここまで見つからないとなると、私も疑わざるを得ないな」
封印といえば、コレと言いたくなるものが何一つ見当たらない。怪しい社も、怪しい大樹すらもないのだ。
「にゃあ(もしや、上にあるのだろうか?)」
「いや、案外下かもしれないぞ?」
木々の枝葉が覆っている空を見上げる我輩と、でこぼこと歩きづらい地面を見つめる飼い主。どうやら、方針は決まったのだ。
「にゃー(我輩、上を見てみるのだ)」
「それは、大丈……いや、タロがそれで良いのならば何も言わないのだ。私は、地面を観察してみることとしよう」
そういうわけで、早速、我輩は近くの木に登る。木登りは、我輩、得意なのだ。
鼻唄混じりにズンズンと登る我輩は、忘れていた。我輩、登るのだけが得意だったということを。
「ふ、ふにゃあぁあっ(た、高いのだぁぁあっ)」
ある程度まで登った我輩は、手頃な枝にミシリと音を立てながら乗って、それを実感した。
「ふにゃあぁあっ(飼い主ぃいっ)」
「うむ、やはりそうなったか……」
高い、怖い、高い、怖いと鳴く我輩に、飼い主は地面から目を離し、呆れたように我輩を眺める。
「そこで待っているのだ。すぐに、下ろしてやるのだ」
そう言った飼い主は、我輩が乗っている枝の下まで来ると、何やら屈伸を始める。
「ふにゃあぁあっ(飼い主ぃいっ)」
ひゅおぉぉおっと風が吹けば、我輩の乗っている枝はユラユラと揺れて、我輩、泣きそうになる。
「うむ、大丈夫だ。では、行くぞっ」
泣きそうになりながらも、飼い主の助けに来てくれるという言葉に我輩は安心する……が、それが間違いだったことを、我輩、直後に知ってしまう。
「掴まれ、タロ」
「にゃっ(飼い主っ)」
なぜか少し目を閉じていた間に、目の前に居た飼い主。我輩疑問に思うこともなく、飛びつく。そして……。ふと、重力を感じた。
「ふ? ふにゃあぁぁあっ(む? 落ちてるぅぅぅうっ)」
てっきり、飼い主は木を登って来たのだと思っていたが、それは違った。飼い主は、ただ跳んだだけで、ちょうど我輩の目の前になる位置で、枝を掴んで止まっていたに過ぎなかったのだ。我輩が飛びついた直後、飼い主はその枝から手を離し、自由落下に身を任せていたのだ。
「にゃあぁっ、ふにゃあぁあっ(怖いぃいっ、怖いのだあぁぁあっ)」
「大丈夫だ、タロ。もう地面に着いている」
「ふにゃ……にゃ? (怖いぃ……うむ?)」
飼い主に言われて、落ち着いて見れば、確かに、もう地面との距離はいつもの抱っこの距離しかなかった。
そうして、すぐに、我輩と飼い主が封印探しの担当する場所を変えたのは、言うまでもない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
案外うっかりなタロ。
高いところは相変わらず苦手です。
例え落ちたとしても、怪我一つ負わない体なんですけどね。
それでは、また!
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