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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第三百三十二話 邪神教徒
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バルディスからの連絡で、俺達は竜の森で、タロとケントが『邪神の眼』を封じたことを知った。そして、ついでに竜の森の異変についての調査をタロとケントが行ってくれる様子なので、何の心配もいらないだろうと安心しているところだった。
「邪神教徒は、世界各国に散らばってるみたいだね」
「今思えば、サナフ、セイクリアの異常な場所、邪神教徒の仕業」
「総勢数千名の規模かぁ……組織としては、そこそこかな」
『操術』で操った男達から聞き出したのは、邪神教徒がアルトルム王国、サナフ教国、セイクリア教国、カレッタ小王国、ルビーナ商国、ボスティア海国、ファルシス魔国の七か国に潜伏しているという情報だった。ただ、アルトルム王国では、あまり活動はしておらず、サナフ教国とセイクリア教国では儀式が失敗。カレッタ小王国では、儀式を成功させて、経過観察中だったらしい。ルビーナ商国やボスティア海国、ファルシス魔国についての情報はほとんどなかったものの、いずれも儀式が成功しているらしいということだけは分かった。そして……。
「裏で糸を引くのがミルテナ帝国か……一度に七か国も敵に回すなんて、バカじゃないかと思うけど、アルトルム王国にも、ミルテナ帝国にも匹敵するファルシス魔国を原因だと流布してるってことになると、同士討ちを狙ってるってことになるよね」
「アルトルムで、その情報、得てる」
「同士討ちをさせて、弱ったところを突くとか?」
「その通り」
「……これ、僕達だけで何とかできる話?」
「何とかしなければならない」
あまりにも規模が大き過ぎる話に、マギウスは頬を引くつかせるものの、逃してやるつもりはない。ファルシス魔国の命運が、俺達にかかっていると言っても過言ではない状況なのだから。
「……ミルテナ帝国の目的って何なんだろう? こいつらもそこまでは知らないみたいだし」
ボーッと立ったままの男達を一瞥したマギウスの言葉に、俺もその疑問に頭を悩ませる。何せ、どう考えても、ミルテナ帝国の行いは自殺行為でしかないのだ。一度に七か国全てを敵に回して、例え、作戦が成功してミルテナ帝国が勝利したとしても、世界が混沌に包まれることは言うまでもない。
「……ケント、邪神の討伐、目的だと言っていた。裏に、邪神、居るかもしれない」
「いやいやいや、邪神が一つの国を操ってるってこと!? そんなわけないでしょっ」
「現に、邪神教徒、各国で活動してる」
「それは……そうだけど……」
納得したくないという様子のマギウスだったが、俺は、案外この考え方は間違っていないような気がしていた。そして、そうなると、ケントを何としても生かして邪神討伐に向かわせなければいけないという考えも生まれてくる。
操った男達達を、とりあえず竜の森に向かわせることにした俺達は、バルディスともう一度連絡を取るのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回、バルディス視点でのお話になります。
多分、タロも登場する、かな?といったところです。
それでは、また!
「邪神教徒は、世界各国に散らばってるみたいだね」
「今思えば、サナフ、セイクリアの異常な場所、邪神教徒の仕業」
「総勢数千名の規模かぁ……組織としては、そこそこかな」
『操術』で操った男達から聞き出したのは、邪神教徒がアルトルム王国、サナフ教国、セイクリア教国、カレッタ小王国、ルビーナ商国、ボスティア海国、ファルシス魔国の七か国に潜伏しているという情報だった。ただ、アルトルム王国では、あまり活動はしておらず、サナフ教国とセイクリア教国では儀式が失敗。カレッタ小王国では、儀式を成功させて、経過観察中だったらしい。ルビーナ商国やボスティア海国、ファルシス魔国についての情報はほとんどなかったものの、いずれも儀式が成功しているらしいということだけは分かった。そして……。
「裏で糸を引くのがミルテナ帝国か……一度に七か国も敵に回すなんて、バカじゃないかと思うけど、アルトルム王国にも、ミルテナ帝国にも匹敵するファルシス魔国を原因だと流布してるってことになると、同士討ちを狙ってるってことになるよね」
「アルトルムで、その情報、得てる」
「同士討ちをさせて、弱ったところを突くとか?」
「その通り」
「……これ、僕達だけで何とかできる話?」
「何とかしなければならない」
あまりにも規模が大き過ぎる話に、マギウスは頬を引くつかせるものの、逃してやるつもりはない。ファルシス魔国の命運が、俺達にかかっていると言っても過言ではない状況なのだから。
「……ミルテナ帝国の目的って何なんだろう? こいつらもそこまでは知らないみたいだし」
ボーッと立ったままの男達を一瞥したマギウスの言葉に、俺もその疑問に頭を悩ませる。何せ、どう考えても、ミルテナ帝国の行いは自殺行為でしかないのだ。一度に七か国全てを敵に回して、例え、作戦が成功してミルテナ帝国が勝利したとしても、世界が混沌に包まれることは言うまでもない。
「……ケント、邪神の討伐、目的だと言っていた。裏に、邪神、居るかもしれない」
「いやいやいや、邪神が一つの国を操ってるってこと!? そんなわけないでしょっ」
「現に、邪神教徒、各国で活動してる」
「それは……そうだけど……」
納得したくないという様子のマギウスだったが、俺は、案外この考え方は間違っていないような気がしていた。そして、そうなると、ケントを何としても生かして邪神討伐に向かわせなければいけないという考えも生まれてくる。
操った男達達を、とりあえず竜の森に向かわせることにした俺達は、バルディスともう一度連絡を取るのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回、バルディス視点でのお話になります。
多分、タロも登場する、かな?といったところです。
それでは、また!
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