我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第四章 騒乱のカレッタ小王国

第三百四十二話 邪神教徒の正体

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 明らかに気づかれている。その事実に、俺もディアムも一瞬にして緊張に呑まれる。


「出て来ぬか……では、こちらから参ろうぞ」


 そう声がした直後、その邪神教徒の肉体が一気に膨張した。それも、約三倍ほどの大きさにまでなって、全身から湯気を立ち上らせる。


(っ、まさか!)


 その現象に覚えがあった俺は、まだフードが残っていて顔が分からないその敵を、元四天王の一人、ロギーではないかと考えて、行動に移す。


《跳ぶぞっ、ディアム!》

《っ、御意》


 邪神教徒から放たれるエネルギーを察知した俺達は、即座にそこから飛び退く。すると、ゴォォッという音とともに、かの邪神教徒が俺達の居た場所に飛び込み、拳を叩きつけていた。


「「「ひぃいっ」」」

「お前達はそこに居ろ。俺は、こいつらを排除する」


 怯える邪神教徒の男達にそう告げたそいつは、ボキボキと指の骨を鳴らしてこちらを見据えてくる。どうやら、逃がしてはもらえそうにない。
 と、そこで、突如突風が吹き、かの邪神教徒のフードが外れる。そこには……。


「やはり、お前はロギーか」


 赤黒い角と短髪に、子供が出会ってしまえば、泣いて逃げ出すであろう強面の顔。そして、何よりも強靭なその肉体を持つ魔族は、元四天王、『炎神』と呼ばれたロギー・デルタその人だった。
 ただし、彼の顔には、あの先代魔王と同じ黒い紋様があり、恐らくは操られているのではないかと思われた。


「むぅ? 俺を知っている? さては、お前達も魔族だな?」


 虚ろな瞳で告げるロギーは、やはり普通ではない。それも、先代魔王の方はまだ時折、操られている状況に抵抗できていたが、ロギーにその様子は見られない。これは、かなり不味いかもしれない。


《タロとケントを呼ぶぞっ》

《御意っ》


 とにかく今は、戦いだ。そして、ロギーを元に戻せる可能性を持つ二人を呼び寄せることだ。

 パンっという音とともに、『炎弾』を打ち上げた俺は、この合図にタロ達が気づいてくれることを祈って、再び恐ろしい勢いでやってきたロギーをかわす。今度は、爆音とともに、地面が溶解した。


「くっ」


 飛び散る土から逃れながら、どうやってこの敵を捕まえるかを考える。


「……弱らせるしかないか」


 正直、魔王が元四天王と戦うなんて、わけが分からない。しかし、やるしかない。そう思って、俺は剣を構えた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


本格的な戦闘になりませんでした。

次回こそは、きっと!

それでは、また!
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