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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第三百四十三話 ロギー・デルタ
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爆音が響き渡り、辺り一面が炎に包まれる。熱風が全身に叩きつけられ、息をすることも難しい。
「『炎槍』」
「『縛』」
できれば、森の中で炎は使いたくなかったが、ここまで炎に包まれてしまえば、もうそんなことを言っても無駄だ。あまり延焼しないことだけを祈りながら、魔力を込めた巨大な炎の槍をロギーに向けて複数放つ。ディアムは、逃げようとするロギーの足止めだ。しかし……。
「ぬぅんっ」
何の魔法を使ったのか、ロギーは大きく胸を張って腕を大きく広げると、そのまま迫ってきた炎の槍を受け止めてしまう。
「化け物め」
ロギー・デルタ。強靭な肉体と、強力な炎の魔法に長けた戦闘狂。灼熱の空間を作り出して、その中で敵を追い詰めることを得意とする魔族。知っている情報はこのくらいだが、これだけで十分だろう。現在、その灼熱の空間に居る俺達にとっては、そんな情報があっても気休めにもならない。
「『獄炎』」
「ぬっ、『獄炎』っ」
青白い炎で焼き付くそうとすれば、同じ魔法で対抗される。拮抗した魔法は、しばらくの後、小規模の爆発を起こす。すると、その爆発の合間を縫って、ロギーが俺の前まで肉薄する。
即座に剣を振り抜いた俺は、そのまま拳を振り抜いたロギーとぶつかり合い……ガキンッという音とともに剣が止まった事実に目を見張る。
おいおい、どれだけ硬い体をしてるんだ。
十中八九、それは魔法によるものだろうとは分かっていても、拳と剣が拮抗するのは珍しい。しかも、相手はとんでもない馬鹿力で、どんどんと圧されていく。
「『縛』『影槍』」
ただ、俺は一人じゃない。ディアムによる足止めを食らったロギーは、一瞬動きを止める。その隙に、俺はロギーから距離を取り、『影槍』がロギーに直撃するのを目撃する、が……。
「ぬぅっ」
ロギーが大きく手を振るうと、『影槍』がバキッと音を立てて壊れてしまう。
攻撃がことごとく通じない……だが、殺すわけにもいかないしな……。
魔王としての力を振るえば、きっとロギーを倒すことはできるだろう。しかし、そうしてしまえば、恐らくロギーは死んでしまう。魔王としての俺の力は、やたらと殺傷能力が高いのだ。
「にゃごっ! (バルディス!)」
とにかくロギーの攻撃をかわして、どうにか捕縛しようと動いていた俺達は、そんなタロの声に、やっと光明が見えたと安堵するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
タロが登場!
次回は、わりと早くに事が片付く予定です。
それでは、また!
「『炎槍』」
「『縛』」
できれば、森の中で炎は使いたくなかったが、ここまで炎に包まれてしまえば、もうそんなことを言っても無駄だ。あまり延焼しないことだけを祈りながら、魔力を込めた巨大な炎の槍をロギーに向けて複数放つ。ディアムは、逃げようとするロギーの足止めだ。しかし……。
「ぬぅんっ」
何の魔法を使ったのか、ロギーは大きく胸を張って腕を大きく広げると、そのまま迫ってきた炎の槍を受け止めてしまう。
「化け物め」
ロギー・デルタ。強靭な肉体と、強力な炎の魔法に長けた戦闘狂。灼熱の空間を作り出して、その中で敵を追い詰めることを得意とする魔族。知っている情報はこのくらいだが、これだけで十分だろう。現在、その灼熱の空間に居る俺達にとっては、そんな情報があっても気休めにもならない。
「『獄炎』」
「ぬっ、『獄炎』っ」
青白い炎で焼き付くそうとすれば、同じ魔法で対抗される。拮抗した魔法は、しばらくの後、小規模の爆発を起こす。すると、その爆発の合間を縫って、ロギーが俺の前まで肉薄する。
即座に剣を振り抜いた俺は、そのまま拳を振り抜いたロギーとぶつかり合い……ガキンッという音とともに剣が止まった事実に目を見張る。
おいおい、どれだけ硬い体をしてるんだ。
十中八九、それは魔法によるものだろうとは分かっていても、拳と剣が拮抗するのは珍しい。しかも、相手はとんでもない馬鹿力で、どんどんと圧されていく。
「『縛』『影槍』」
ただ、俺は一人じゃない。ディアムによる足止めを食らったロギーは、一瞬動きを止める。その隙に、俺はロギーから距離を取り、『影槍』がロギーに直撃するのを目撃する、が……。
「ぬぅっ」
ロギーが大きく手を振るうと、『影槍』がバキッと音を立てて壊れてしまう。
攻撃がことごとく通じない……だが、殺すわけにもいかないしな……。
魔王としての力を振るえば、きっとロギーを倒すことはできるだろう。しかし、そうしてしまえば、恐らくロギーは死んでしまう。魔王としての俺の力は、やたらと殺傷能力が高いのだ。
「にゃごっ! (バルディス!)」
とにかくロギーの攻撃をかわして、どうにか捕縛しようと動いていた俺達は、そんなタロの声に、やっと光明が見えたと安堵するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
タロが登場!
次回は、わりと早くに事が片付く予定です。
それでは、また!
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