我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第四章 騒乱のカレッタ小王国

第三百五十四話 奴隷市への潜入のために

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 奴隷の姿を確認した翌日、すぐにでも奴隷市が開催されることが判明して、俺達はどうやってそこに紛れ込むかを思案する。しかし、それは思いがけない形で解決した。


「僕が操ってる三人、どうやら、奴隷市の入場証を持ってるみたいだよ」


 渡された入場証というのは、何ともおぞましい色合いの仮面が三つ。つまりは、三人しか奴隷市に潜入できないということだ。


「時間は、今日の午後六時。それまでに、誰が奴隷市に潜入するかを決めなければならない」

「奴隷市の情報は、ほとんど集まってないと言える状況です。どんな事態でも対応できる戦力が必要ですね」

「俺、行く」

「あぁ、そうだな。ディアムにはぜひとも行ってきてもらいたい。頼む」

「御意」


 三人のうちの一人は、確実にディアムだ。決めるのは、あと二人。ただ、ロギーはまだ完全に信用するわけにはいかないから除外だ。本人も、それは分かっているのかじっと黙ったままだ。


「……欠片の持ち主を特定するために、タロはほしいところですね」

「にゃー? (我輩、『人化』して行くことになるのか?)」

「いや、それは危険だ。例え『人化』したとしても、タロは猫の本能には抗えないだろう? 恐らくは、獣避けの対策は徹底しているはずだ」

「にゃあ……(そんな……)」


 そうなると、ラーミアかマギウスのどちらか。ラーミアは戦力として、マギウスは、『操術』使いとして、どちらも役立つことは間違いない。できることならば、欠片の気配が分かり、戦力としても申し分のないケントを入れたいところであったが、そこケントは未だ戻ってきていない。どちらかに決める必要があった。


「ラーミア、マギウス。お前達はどちらが行ったら良いと思う?」

「そうですね……奴隷の救出を考えれば、マギウスに手っ取り早く操ってもらえたら手間が減ると思いますわ」

「僕は、万が一のために戦力が多い方が良いんじゃないかと思うよ」


 お互いがお互いを推す中、全員の視線は俺へと向けられる。


「……分かった。ラーミアを連れていくことにしよう」

「御意」


 奴隷達は、最悪、死にさえしなければ力ずくで連れ出すこともできる。助け出した後に、特に彼らを手助けする手段を持たない俺達としては、欠片の持ち主さえ無事ならば、それで問題はない。


「合流場所は前もって決めておこう。そして、一時的に、竜の森にあった邪神教徒のアジトへ、タロに転移で連れていってもらうことにしよう」

「「御意」」

「「分かった」」

「にゃー(分かったのだ)」


 それから、すぐに合流場所を決め、様々な合図も決定するのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


あまりにも奴隷市の情報がないバルディス達は、ぶっつけ本番で奴隷市に突入することになりました。

さぁ、これからどうなる?

それでは、また!
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