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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第三百八十八話 夢の中で(一)
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(ね、眠いのだ……)
飼い主が戻ってきて、何やらルーデルに説明をしている中、我輩は眠くて眠くて仕方がなかった。しかし、皆が頑張っている中、我輩だけが眠るわけにもいかないと思って必死に目を開けていたのが、少し前のこと。
「……にゃ? (……うむ?)」
目を覚ますと、そこは、どことなく見覚えのある真っ白な空間だったのだ。
「にゃ……(ここは……)」
ナーガ世界に来る前に、ロムと出会った場所にそっくりだと思ったものの、まずは我輩、叫ぶ。
「にゃあぁっ、にゃーっ(飼い主ーっ、どこなのだーっ)」
我輩、飼い主と一緒に居たはずなのだ。それなのに、こんな場所に一人ぼっち……十中八九、また迷子なのだ。
「にゃあっ、にゃあっ、にゃあっ(バルディスっ、ラーミアっ、ディアムっ)」
一人ぼっちほど恐ろしいことは……いや、高いところも怖いが、とにかく一人ぼっちは怖いのだ。誰か居ないかと、我輩、バルディス達の名前を叫ぶ。
「にゃあっ、にゃあっ、にゃあっ(マギウスっ、ロギーっ、魚屋の大将っ)」
一人ほど、日本での知り合いが混じったが、そこは愛嬌なのだ。
我輩、懸命に叫んで走り回るものの、誰一人として返事がない。
「ふ、ふにゃあ(うっ、飼い主ぃ)」
もしかしたら、また、一人なのかもしれないと自覚した我輩は、不覚にも泣きそうになる。
「――――のか?」
「にゃっ!? (誰か居るのかっ!?)」
耳をヘニョンと垂らして項垂れていると、ふいに、どこからか声が聞こえ、我輩、耳をピンっと立てる。
「誰か、居るの、か?」
今度こそはっきり聞こえた。ただし、どうやら向こうも自分以外に誰か居るとは思って居なかったらしい。
「にゃあっ(我輩はここに居るのだっ)」
そう、言った瞬間、周りの景色が一変する。
「にゃっ(こ、これはっ)」
そこは、腐った大地と毒々しい紫の液体が流れる場所。木々は枯れ果て、空はどす黒く淀んでいる。
「だ、れ?」
そして、そこには、真っ黒な十字架に磔にされた上半身裸の一人の男が居た。
金の瞳に黒い髪の男は、我輩を見て、大きく目を見張る。
「な、んで、猫?」
「にゃっ(我輩は紳士、タロなのだ)」
我輩、事態がよく分からないため、とりあえず、自己紹介をしてみるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
タロの夢の、中?
いや、もちろんただの夢ではないんですけどね?
男の正体は、もうちょっと後に判明する予定です。
それでは、また!
飼い主が戻ってきて、何やらルーデルに説明をしている中、我輩は眠くて眠くて仕方がなかった。しかし、皆が頑張っている中、我輩だけが眠るわけにもいかないと思って必死に目を開けていたのが、少し前のこと。
「……にゃ? (……うむ?)」
目を覚ますと、そこは、どことなく見覚えのある真っ白な空間だったのだ。
「にゃ……(ここは……)」
ナーガ世界に来る前に、ロムと出会った場所にそっくりだと思ったものの、まずは我輩、叫ぶ。
「にゃあぁっ、にゃーっ(飼い主ーっ、どこなのだーっ)」
我輩、飼い主と一緒に居たはずなのだ。それなのに、こんな場所に一人ぼっち……十中八九、また迷子なのだ。
「にゃあっ、にゃあっ、にゃあっ(バルディスっ、ラーミアっ、ディアムっ)」
一人ぼっちほど恐ろしいことは……いや、高いところも怖いが、とにかく一人ぼっちは怖いのだ。誰か居ないかと、我輩、バルディス達の名前を叫ぶ。
「にゃあっ、にゃあっ、にゃあっ(マギウスっ、ロギーっ、魚屋の大将っ)」
一人ほど、日本での知り合いが混じったが、そこは愛嬌なのだ。
我輩、懸命に叫んで走り回るものの、誰一人として返事がない。
「ふ、ふにゃあ(うっ、飼い主ぃ)」
もしかしたら、また、一人なのかもしれないと自覚した我輩は、不覚にも泣きそうになる。
「――――のか?」
「にゃっ!? (誰か居るのかっ!?)」
耳をヘニョンと垂らして項垂れていると、ふいに、どこからか声が聞こえ、我輩、耳をピンっと立てる。
「誰か、居るの、か?」
今度こそはっきり聞こえた。ただし、どうやら向こうも自分以外に誰か居るとは思って居なかったらしい。
「にゃあっ(我輩はここに居るのだっ)」
そう、言った瞬間、周りの景色が一変する。
「にゃっ(こ、これはっ)」
そこは、腐った大地と毒々しい紫の液体が流れる場所。木々は枯れ果て、空はどす黒く淀んでいる。
「だ、れ?」
そして、そこには、真っ黒な十字架に磔にされた上半身裸の一人の男が居た。
金の瞳に黒い髪の男は、我輩を見て、大きく目を見張る。
「な、んで、猫?」
「にゃっ(我輩は紳士、タロなのだ)」
我輩、事態がよく分からないため、とりあえず、自己紹介をしてみるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
タロの夢の、中?
いや、もちろんただの夢ではないんですけどね?
男の正体は、もうちょっと後に判明する予定です。
それでは、また!
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