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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第四百二十話 知りたくなかった真実
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『転移』した直後、我輩達とともに来ていたアグニは、さっと顔色を悪くする。
「くそ……前より酷くなってるじゃねぇか」
我輩達には分からないものの、この瘴気というものは、人体に多大な不調をもたらすものらしい。
「ふむ、アグニはもう少し後退した場所で待っているのだ。私とタロで、この瘴気を止めてみせよう」
「……分かった。頼むぞ」
ヨロヨロとその場から歩き去るアグニを見ながら、我輩、飼い主に声をかける。
「にゃあ? (『邪神の眼』は近くなのだろうか?)」
「うむ、十中八九、そうであろうな。方向はあちらだ。行くぞタロ」
「にゃっ(うむっ)」
そうして歩くこと数十分。そこには、巨大な洞窟、と思われるものがあった。なぜ、思われるものなのかといえば、岩肌にポッカリと黒い穴が口を開けているのは確かなのだが、まん丸に開いている上、中が全くもって見通せない。竜の森にあった『邪神の眼』となんら変わらないものが、そこにあった。
「ふむ、タロ。はぐれないように抱き上げておくぞ」
「にゃ(分かったのだ)」
竜の森では突き落とされた気がするが、今回は一緒に入ってくれるつもりらしい。そのことが嬉しくて、つい尻尾をユラリと揺らすと、その拍子に我輩、抱き上げられる。
「うむ、やはりこのズッシリとした抱き心地が堪らないのだ」
……『ズッシリ』は余計なのだ。
この世界に来てから、我輩、それなりに走り回って運動をしているはずなのだが、一向に体重が減った様子はない。むしろ、重くなったと言われることが多いような気がして、我輩、落ち込む。
「にゃー(体重、減らないのだ)」
体重が気になるお年頃。我輩、ついついそんな言葉を呟いて、その後の飼い主の返答に、驚天動地の心地となる。
「む? タロは期間限定で不老不死なのであろう? つまりは、その間、体重の変動などもないということなのではないのか?」
「……にゃ? (……うむ?)」
飼い主に言われた言葉が理解できず、我輩、少しばかり固まる。
「老いることがないということは、変わらないということ。つまりは、そのままの状態維持なのではないのか?」
「……にゃ? (……つまり?)」
「どんなに減量しようと努力したところで、タロの体重は減らないということなのだ」
その言葉を聞いて、我輩、今日はやけ食いをすることを決意するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
実に四百話越しの衝撃の事実(笑)
タロの体重が減らないのは仕様でしたというお話です。
これからも、タロはモッチリ、ズッシリな大福状態が続くことでしょう。
それでは、また!
「くそ……前より酷くなってるじゃねぇか」
我輩達には分からないものの、この瘴気というものは、人体に多大な不調をもたらすものらしい。
「ふむ、アグニはもう少し後退した場所で待っているのだ。私とタロで、この瘴気を止めてみせよう」
「……分かった。頼むぞ」
ヨロヨロとその場から歩き去るアグニを見ながら、我輩、飼い主に声をかける。
「にゃあ? (『邪神の眼』は近くなのだろうか?)」
「うむ、十中八九、そうであろうな。方向はあちらだ。行くぞタロ」
「にゃっ(うむっ)」
そうして歩くこと数十分。そこには、巨大な洞窟、と思われるものがあった。なぜ、思われるものなのかといえば、岩肌にポッカリと黒い穴が口を開けているのは確かなのだが、まん丸に開いている上、中が全くもって見通せない。竜の森にあった『邪神の眼』となんら変わらないものが、そこにあった。
「ふむ、タロ。はぐれないように抱き上げておくぞ」
「にゃ(分かったのだ)」
竜の森では突き落とされた気がするが、今回は一緒に入ってくれるつもりらしい。そのことが嬉しくて、つい尻尾をユラリと揺らすと、その拍子に我輩、抱き上げられる。
「うむ、やはりこのズッシリとした抱き心地が堪らないのだ」
……『ズッシリ』は余計なのだ。
この世界に来てから、我輩、それなりに走り回って運動をしているはずなのだが、一向に体重が減った様子はない。むしろ、重くなったと言われることが多いような気がして、我輩、落ち込む。
「にゃー(体重、減らないのだ)」
体重が気になるお年頃。我輩、ついついそんな言葉を呟いて、その後の飼い主の返答に、驚天動地の心地となる。
「む? タロは期間限定で不老不死なのであろう? つまりは、その間、体重の変動などもないということなのではないのか?」
「……にゃ? (……うむ?)」
飼い主に言われた言葉が理解できず、我輩、少しばかり固まる。
「老いることがないということは、変わらないということ。つまりは、そのままの状態維持なのではないのか?」
「……にゃ? (……つまり?)」
「どんなに減量しようと努力したところで、タロの体重は減らないということなのだ」
その言葉を聞いて、我輩、今日はやけ食いをすることを決意するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
実に四百話越しの衝撃の事実(笑)
タロの体重が減らないのは仕様でしたというお話です。
これからも、タロはモッチリ、ズッシリな大福状態が続くことでしょう。
それでは、また!
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