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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第四百二十四話 近しい魂
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『二つの加護により、『探索能力』使用可能。ロック解除』
そんな文面が映った直後、その情報が頭の中に流れ込む。
『ケルト・ファルシス
男。
七百二十五歳。
ファルシス魔国前魔王。
瘴気を体内に溜め込む特殊体質を持つが故に、かつて、ファルシス魔国で瘴気が蔓延した際、率先して『邪神の眼』を潰していた。
しかし、それが邪神の目に止まり、瘴気で弱っていたところを邪神の眷族に襲われ、以降、邪神から直接『傀儡』魔法を受ける』
そこまで見て、我輩、ようやく、この先代魔王、ケルトがどんな魔法を受けているのかを知る。恐らくは、この魔法は、『洗脳』に近いものなのだろう。
続いて、我輩、その『傀儡』魔法の解除方法を意識して調べてみる。すると……。
『傀儡』魔法の解除方法は、邪神を倒すか、血縁者や魂が近しい者が精神世界に潜り込む『精神侵略』魔法を使用し、邪神の魔力を絶ち切るかの二つの方法しかない。
なお、現在それが可能である者は、ルドラス・デイカー、ユフ・フラジア、飼主犬斗のみである』
「……にゃ? (……うむ?)」
ルドラス・デイカーや、ユフ・フラジアといった名前には覚えがない。しかし、最後の名前だけは、とてもとても覚えがある。
我輩は、同じ内容を見ているはずの飼い主の顔をそっと見上げてみると、飼い主はギラギラした目で、ケルトを睨んでいた。
『飼主犬斗がケルト・ファルシスを救える理由は、彼らの魂が元は一つの存在であったがためである』
飼い主の様子に戸惑っていれば、飼い主が『探索能力』を操ったのか、そんな結果が頭の中に流れ込んでくる。
「にゃ? (魂が、一つ?)」
どういうことなのかいまいち良く分からなかったものの、要するに、飼い主はケルトととても近い魂を持っているらしいのだ。そう言われれば、飼い主とケルトが良く似ている理由も、それが原因なのではないかと思えてくる。
「なるほど。良く分かったのだ。ケルトは、私の半身なのだな」
「にゃあ? (半身?)」
「うむ、かけがえのない、大切な者なのだ。だから、タロ。宿屋に戻ったら、私は早速彼を助けに向かうのだ」
「……にゃー? (我輩に手伝えることは?)」
「うむ、恐らくは、私もケルトも無防備になる。だから、私達を守っていてほしいのだ」
「にゃっ(分かったのだっ)」
飼い主を守ることは、飼い猫である我輩の務めなのだ。
そうして、ラダ族達を解放し終えたらしいバルディス達と合流した我輩達は、ケルトを担いで、宿屋へ一度戻るのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回、飼い主視点です。
それでは、また!
そんな文面が映った直後、その情報が頭の中に流れ込む。
『ケルト・ファルシス
男。
七百二十五歳。
ファルシス魔国前魔王。
瘴気を体内に溜め込む特殊体質を持つが故に、かつて、ファルシス魔国で瘴気が蔓延した際、率先して『邪神の眼』を潰していた。
しかし、それが邪神の目に止まり、瘴気で弱っていたところを邪神の眷族に襲われ、以降、邪神から直接『傀儡』魔法を受ける』
そこまで見て、我輩、ようやく、この先代魔王、ケルトがどんな魔法を受けているのかを知る。恐らくは、この魔法は、『洗脳』に近いものなのだろう。
続いて、我輩、その『傀儡』魔法の解除方法を意識して調べてみる。すると……。
『傀儡』魔法の解除方法は、邪神を倒すか、血縁者や魂が近しい者が精神世界に潜り込む『精神侵略』魔法を使用し、邪神の魔力を絶ち切るかの二つの方法しかない。
なお、現在それが可能である者は、ルドラス・デイカー、ユフ・フラジア、飼主犬斗のみである』
「……にゃ? (……うむ?)」
ルドラス・デイカーや、ユフ・フラジアといった名前には覚えがない。しかし、最後の名前だけは、とてもとても覚えがある。
我輩は、同じ内容を見ているはずの飼い主の顔をそっと見上げてみると、飼い主はギラギラした目で、ケルトを睨んでいた。
『飼主犬斗がケルト・ファルシスを救える理由は、彼らの魂が元は一つの存在であったがためである』
飼い主の様子に戸惑っていれば、飼い主が『探索能力』を操ったのか、そんな結果が頭の中に流れ込んでくる。
「にゃ? (魂が、一つ?)」
どういうことなのかいまいち良く分からなかったものの、要するに、飼い主はケルトととても近い魂を持っているらしいのだ。そう言われれば、飼い主とケルトが良く似ている理由も、それが原因なのではないかと思えてくる。
「なるほど。良く分かったのだ。ケルトは、私の半身なのだな」
「にゃあ? (半身?)」
「うむ、かけがえのない、大切な者なのだ。だから、タロ。宿屋に戻ったら、私は早速彼を助けに向かうのだ」
「……にゃー? (我輩に手伝えることは?)」
「うむ、恐らくは、私もケルトも無防備になる。だから、私達を守っていてほしいのだ」
「にゃっ(分かったのだっ)」
飼い主を守ることは、飼い猫である我輩の務めなのだ。
そうして、ラダ族達を解放し終えたらしいバルディス達と合流した我輩達は、ケルトを担いで、宿屋へ一度戻るのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回、飼い主視点です。
それでは、また!
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