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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第四百四十二話 離れない
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バースの引き渡しは滞りなく終わったらしい。
我輩は、騎士達が男達を引き抜いて、その異臭に顔をしかめる様子を眺めた後、さっさと宿屋に戻り、その報告を聞いた。
ちなみに、魔王に対する冤罪は、このまま放置していれば戦争になりかねないと飼い主が脅したことで、即座に少し曲がった真実を民に伝えることとなった。邪神との関わりはぼかして、川の水を塞き止める儀式を行った大罪人がいて、その者達を勇者が討伐したおかげで、元通りに戻ったということにしたようだ。
「にゃー。にゃ(良かったのだな。バルディス)」
「あぁ、ケントには、随分と助けられた」
今日は、カレッタ小王国の王族達との謁見の日。もちろん、フルルも参加してくれる予定で、欠片の回収もこれでできるはずだった。
なぜか、今日に限って我輩にベタベタに甘いバルディス、ディアム、ラーミアは、我輩を何度も抱き上げてモフモフと撫でてくる。
「にゃあっ(そこっそこっ、なのだっ)」
「ふふっ、やっぱりタロは可愛いですね」
「同意」
撫でられてゴロゴロとしていると、とうとう謁見のために出発する時間となる。
「バルディス、そろそろ行くのだ」
二号と一緒に訪れた飼い主。その姿を見て、バルディス達は何やら残念そうにしながら我輩から手を引く。ちなみに、マギウスとロギーは待機組なのだ。
「あぁ、分かった」
どこか気が重そうな様子のバルディス達を不思議に思いながら、我輩、飼い主の元に走り寄って、抱き上げてもらう。
「にゃっ(出発なのだっ)」
今回は、馬車というものに乗って、ガタゴトと道を進む。我輩は、飼い主の膝の上でとってもご機嫌なのだ。
「そういえば、この前捕まえた臭い男達は、牢の中で殺されているのを発見されたそうなのだ」
「臭い男達? いや、まぁ、それは良いか。……口封じされた、ということだろうな」
「うむ、私もそう見ているのだ。邪神教徒をある程度掃討したとはいえ、まだミルテナ帝国の暗躍があるのであろう。私は、少しの間、この国に残ることとなるかもしれないのだ」
「そう、か……なら、今日で別れることになるのか?」
「うむ、そういうことなのだ」
ウトウトしながら話を聞いていると、何でも、飼い主とバルディス達は別行動をするらしい。
「私とケルト、あと、藁人形入りの悪神でこの国に残って、ある程度の憂いを払っておくつもりなのだ」
「……ん? タロは?」
「む? タロは、バルディス達とともに居た方が良かろう? あぁ、ついでに『邪神の眼』がある場所を調べておいてもらえると助かるのだ」
「……タロは、私達と一緒、ですか?」
「うむ、タロもバルディス達になついていることであるし、正直、この国で行うことにタロの力は必要ないと思えるのだ」
「一緒、居られる……!?」
なぜか、喜んでいる様子のバルディス達を不思議に思いながら、我輩、目を閉じる。
また、バルディス達と旅ができるのだ。
飼い主には、この世界に居る限り、また会える。むしろ、『邪神の眼』がどこにあるのか調べれば、その調査結果を聞いて、我輩と一緒に攻略するために合流することになるであろう。
本格的に眠くなってきた我輩は、そのまま、ガタゴトと揺れる馬車の中、ゆっくりと眠りに落ちるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回辺りで、カレッタ小王国のお話は終わりになる……はず?
それでは、また!
我輩は、騎士達が男達を引き抜いて、その異臭に顔をしかめる様子を眺めた後、さっさと宿屋に戻り、その報告を聞いた。
ちなみに、魔王に対する冤罪は、このまま放置していれば戦争になりかねないと飼い主が脅したことで、即座に少し曲がった真実を民に伝えることとなった。邪神との関わりはぼかして、川の水を塞き止める儀式を行った大罪人がいて、その者達を勇者が討伐したおかげで、元通りに戻ったということにしたようだ。
「にゃー。にゃ(良かったのだな。バルディス)」
「あぁ、ケントには、随分と助けられた」
今日は、カレッタ小王国の王族達との謁見の日。もちろん、フルルも参加してくれる予定で、欠片の回収もこれでできるはずだった。
なぜか、今日に限って我輩にベタベタに甘いバルディス、ディアム、ラーミアは、我輩を何度も抱き上げてモフモフと撫でてくる。
「にゃあっ(そこっそこっ、なのだっ)」
「ふふっ、やっぱりタロは可愛いですね」
「同意」
撫でられてゴロゴロとしていると、とうとう謁見のために出発する時間となる。
「バルディス、そろそろ行くのだ」
二号と一緒に訪れた飼い主。その姿を見て、バルディス達は何やら残念そうにしながら我輩から手を引く。ちなみに、マギウスとロギーは待機組なのだ。
「あぁ、分かった」
どこか気が重そうな様子のバルディス達を不思議に思いながら、我輩、飼い主の元に走り寄って、抱き上げてもらう。
「にゃっ(出発なのだっ)」
今回は、馬車というものに乗って、ガタゴトと道を進む。我輩は、飼い主の膝の上でとってもご機嫌なのだ。
「そういえば、この前捕まえた臭い男達は、牢の中で殺されているのを発見されたそうなのだ」
「臭い男達? いや、まぁ、それは良いか。……口封じされた、ということだろうな」
「うむ、私もそう見ているのだ。邪神教徒をある程度掃討したとはいえ、まだミルテナ帝国の暗躍があるのであろう。私は、少しの間、この国に残ることとなるかもしれないのだ」
「そう、か……なら、今日で別れることになるのか?」
「うむ、そういうことなのだ」
ウトウトしながら話を聞いていると、何でも、飼い主とバルディス達は別行動をするらしい。
「私とケルト、あと、藁人形入りの悪神でこの国に残って、ある程度の憂いを払っておくつもりなのだ」
「……ん? タロは?」
「む? タロは、バルディス達とともに居た方が良かろう? あぁ、ついでに『邪神の眼』がある場所を調べておいてもらえると助かるのだ」
「……タロは、私達と一緒、ですか?」
「うむ、タロもバルディス達になついていることであるし、正直、この国で行うことにタロの力は必要ないと思えるのだ」
「一緒、居られる……!?」
なぜか、喜んでいる様子のバルディス達を不思議に思いながら、我輩、目を閉じる。
また、バルディス達と旅ができるのだ。
飼い主には、この世界に居る限り、また会える。むしろ、『邪神の眼』がどこにあるのか調べれば、その調査結果を聞いて、我輩と一緒に攻略するために合流することになるであろう。
本格的に眠くなってきた我輩は、そのまま、ガタゴトと揺れる馬車の中、ゆっくりと眠りに落ちるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回辺りで、カレッタ小王国のお話は終わりになる……はず?
それでは、また!
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