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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第四百四十三話 フルルの笑顔
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謁見の間に着いたと起こされた我輩は、大きなあくびを一つして、まずはフルルを捜す。
「にゃあ。にゃ(おはようなのだ。フルル)」
捜すも何も、なぜかかなり近い場所で我輩を見つめていたフードを被ったフルルに、我輩挨拶をする。
「『おはよう』だって」
「えっと、おはよう。タロ」
隣に居たミアトに通訳してもらったフルルは、ちゃんと挨拶を返してくれる。ちなみに、我輩、今は飼い主の腕の中のようだった。
「では、これより『心術』の解除を行おうと思うのだ」
そう言った瞬間、そこにズラリと集まっていた使用人、及び、騎士達がざわつく。
「静まれ。……勇者殿。それでは、頼む」
「うむ」
その瞬間、恐らく、飼い主はアグニへと『念話』したのだろう。集まった者達は、次々にハッとした表情になり、次第に青ざめたり、嘆いたりと様々な反応を示す。
「フルル様、フルル様っ、フルル様ぁぁぁあっ!」
「うわっ! 婆やっ!?」
「フルル様っ! わたしゃっ、情けのうございますっ! こんな、こんなことっ! フルル様を忘れてしまっていただなんてぇぇえっ!」
これでめでたしめでたしと思っていると、群衆の中から、一人の老女が飼い主の側に待機していたフルルへと泣きつく。
「えっと、婆や? 僕は大丈夫だよ? 勇者様に助けていただいて、記憶もこうして取り戻してもらえたし」
「何とっ! あぁ、勇者様っ! ありがとうございますっ! ありがとうございますぅっ!」
婆やと呼ばれた人物は、すぐにその場で膝をつき、飼い主を崇め始める。そして、それに追随する者が続出し、飼い主は非常に居心地が悪そうだ。
「う、うむ。私は当然のことをしたまでなのだ」
「……余は、忘れられていないか?」
「まぁ、あなた。少しくらいいいじゃありませんか」
ルーデルの悲しい呟きに、フィリアルが微笑みながら応える。
そんな、フルルにとって、全ての解決が成った瞬間だった。
っ、欠片なのだ!
フルルの背中から、欠片が飛び出し、我輩の中へと入ってくる。
「ふむ、今のが……」
「勇者様! 勇者様! 勇者様!」
飼い主にも、欠片が我輩に吸い込まれるのが見えたようなのだが、周りから起こっている『勇者様』コールにその言葉はかき消される。
「ありがとう、ございます。勇者様」
そして、フルルの笑顔に、我輩、頑張って良かったと思えたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これにて、第四章は終了としたいと思います。
続きは……また、プロットを練るのに時間をください。
三日くらいで何とか練ってみますので。
それでは、また!
「にゃあ。にゃ(おはようなのだ。フルル)」
捜すも何も、なぜかかなり近い場所で我輩を見つめていたフードを被ったフルルに、我輩挨拶をする。
「『おはよう』だって」
「えっと、おはよう。タロ」
隣に居たミアトに通訳してもらったフルルは、ちゃんと挨拶を返してくれる。ちなみに、我輩、今は飼い主の腕の中のようだった。
「では、これより『心術』の解除を行おうと思うのだ」
そう言った瞬間、そこにズラリと集まっていた使用人、及び、騎士達がざわつく。
「静まれ。……勇者殿。それでは、頼む」
「うむ」
その瞬間、恐らく、飼い主はアグニへと『念話』したのだろう。集まった者達は、次々にハッとした表情になり、次第に青ざめたり、嘆いたりと様々な反応を示す。
「フルル様、フルル様っ、フルル様ぁぁぁあっ!」
「うわっ! 婆やっ!?」
「フルル様っ! わたしゃっ、情けのうございますっ! こんな、こんなことっ! フルル様を忘れてしまっていただなんてぇぇえっ!」
これでめでたしめでたしと思っていると、群衆の中から、一人の老女が飼い主の側に待機していたフルルへと泣きつく。
「えっと、婆や? 僕は大丈夫だよ? 勇者様に助けていただいて、記憶もこうして取り戻してもらえたし」
「何とっ! あぁ、勇者様っ! ありがとうございますっ! ありがとうございますぅっ!」
婆やと呼ばれた人物は、すぐにその場で膝をつき、飼い主を崇め始める。そして、それに追随する者が続出し、飼い主は非常に居心地が悪そうだ。
「う、うむ。私は当然のことをしたまでなのだ」
「……余は、忘れられていないか?」
「まぁ、あなた。少しくらいいいじゃありませんか」
ルーデルの悲しい呟きに、フィリアルが微笑みながら応える。
そんな、フルルにとって、全ての解決が成った瞬間だった。
っ、欠片なのだ!
フルルの背中から、欠片が飛び出し、我輩の中へと入ってくる。
「ふむ、今のが……」
「勇者様! 勇者様! 勇者様!」
飼い主にも、欠片が我輩に吸い込まれるのが見えたようなのだが、周りから起こっている『勇者様』コールにその言葉はかき消される。
「ありがとう、ございます。勇者様」
そして、フルルの笑顔に、我輩、頑張って良かったと思えたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これにて、第四章は終了としたいと思います。
続きは……また、プロットを練るのに時間をください。
三日くらいで何とか練ってみますので。
それでは、また!
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