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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第四百六十二話 父と会って
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『邪神の眼』を確認して、ボスティア海国の情報を集めて、何事もなく一週間……とは、さすがにいかなかった。
『邪神の眼』の確認は、しっかり三ヶ所ともそれであるという確信を持つに至ったものの、まず、ボスティア海国の情報が手に入らなかった。『宵闇の一日』の前には国交があった国同士だというのに、今ではその面影もない。情報があるとすれば、国の上層部であろうとは思われたものの、そこから情報を入手するのは困難を極めた。何でも、暴動があちこちで起こっているらしく、それに対応するために警備が厳重になっていたのだ。もちろん、『闇化』対策もしてある。一定のラインを越えると、『闇化』が無効化される魔法陣が敷かれているのだ。それでも、ある程度実力に訴えればどうにかなるレベルではあったものの、そこまでするための情報を集めている途中で、問題が発生した。
「お願いしますっ! 父と会ってくださいっ」
そう言うのは、三日前に別れたばかりの少女、ヨナだ。彼女は、俺達を訪ねて宿屋の食堂まで来て、俺を見つけた途端に頭を深く下げたのだ。
「おい、お前、助けに行った方が良いんじゃないか?」
「可哀想に、きっと、あの男に弱味を握られてるんだ」
「こういうのは、見ないフリ、見ないフリ……」
宿屋の食堂には、もちろん、俺達以外にも人が居る。彼らは俺達の居る席から離れた席でこちらを窺っており、ひそひそとそんな馬鹿げた話を繰り広げてくれる。
「あー、とりあえず、部屋で話を聞く。良いな」
「はひっ」
緊張に満ちた様子の彼女の返事に、外野はまたしても『可哀想』だとか、『部屋に連れ込まれるなんて』だとか、『憲兵……いや、だがなぁ』だとか、勝手なことを言い始める。食事の途中ではあったものの、俺はさっさと席を立ち、ヨナについてくるよう先導する。ラーミア達には、そのまま食事をしてから来るように告げておいた。
「にゃ(我輩も行くのだ)」
とっくに食べ終わっていたタロも一緒に、俺達は二階の部屋へと向かう。
「あ、あの……」
「さぁ、入ってくれ」
「は、はいっ」
不安げな表情のヨナを促すと、俺達も部屋の中で入る。そして、そこで告げられたのは……。
「あ、あの……父に許可を取ろうと思ったのですが、反対されて……せめて、そんなことを言った人に会わせろと言って聞かなくて……だ、だから、どうか、父に会ってくださいませんか?」
まごうことなき、厄介事だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
娘を思う父親。
バルディス達に会ったら、卒倒するんじゃないかと今から心配です(笑)
それでは、また!
『邪神の眼』の確認は、しっかり三ヶ所ともそれであるという確信を持つに至ったものの、まず、ボスティア海国の情報が手に入らなかった。『宵闇の一日』の前には国交があった国同士だというのに、今ではその面影もない。情報があるとすれば、国の上層部であろうとは思われたものの、そこから情報を入手するのは困難を極めた。何でも、暴動があちこちで起こっているらしく、それに対応するために警備が厳重になっていたのだ。もちろん、『闇化』対策もしてある。一定のラインを越えると、『闇化』が無効化される魔法陣が敷かれているのだ。それでも、ある程度実力に訴えればどうにかなるレベルではあったものの、そこまでするための情報を集めている途中で、問題が発生した。
「お願いしますっ! 父と会ってくださいっ」
そう言うのは、三日前に別れたばかりの少女、ヨナだ。彼女は、俺達を訪ねて宿屋の食堂まで来て、俺を見つけた途端に頭を深く下げたのだ。
「おい、お前、助けに行った方が良いんじゃないか?」
「可哀想に、きっと、あの男に弱味を握られてるんだ」
「こういうのは、見ないフリ、見ないフリ……」
宿屋の食堂には、もちろん、俺達以外にも人が居る。彼らは俺達の居る席から離れた席でこちらを窺っており、ひそひそとそんな馬鹿げた話を繰り広げてくれる。
「あー、とりあえず、部屋で話を聞く。良いな」
「はひっ」
緊張に満ちた様子の彼女の返事に、外野はまたしても『可哀想』だとか、『部屋に連れ込まれるなんて』だとか、『憲兵……いや、だがなぁ』だとか、勝手なことを言い始める。食事の途中ではあったものの、俺はさっさと席を立ち、ヨナについてくるよう先導する。ラーミア達には、そのまま食事をしてから来るように告げておいた。
「にゃ(我輩も行くのだ)」
とっくに食べ終わっていたタロも一緒に、俺達は二階の部屋へと向かう。
「あ、あの……」
「さぁ、入ってくれ」
「は、はいっ」
不安げな表情のヨナを促すと、俺達も部屋の中で入る。そして、そこで告げられたのは……。
「あ、あの……父に許可を取ろうと思ったのですが、反対されて……せめて、そんなことを言った人に会わせろと言って聞かなくて……だ、だから、どうか、父に会ってくださいませんか?」
まごうことなき、厄介事だった。
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それでは、また!
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