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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第四百六十九話 猫達の情報(一)
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ヨナの父親は無事説得することができたらしく、マギウスはどこかやりきった表情で帰ってきた。我輩も、やたらと疲れた散歩から帰り、船が出来上がるまで残り一日となった頃、我輩の元に、何やら同胞達が集まってきたのだ。
「んにゃっ! (情報を掴んできましたっ、救世猫様っ!)」
そこに居たのはいつぞやの黒い同胞。そして、背後にはズラリと同胞達が勢揃いしている。あの散歩の傷が癒えて、そろそろまた散歩に出ようと宿から一歩外に出た瞬間、我輩は彼らに囲まれたのだった。
「に、にゃあ(ご、ご苦労)」
「んにゃっ(ははっ)」
ビシッと背筋を伸ばす黒の同胞に、我輩、戦々恐々の思いだった。恐らく、今は運命の分かれ道。判断を誤れば途端に、彼らは牙を剥くのであろう。
「にゃあ? (それで、情報は?)」
そう尋ねれば、別の緑の同胞が前に進み出る。
「ふにゃ。ふんにゃ(初めまして、救世猫様。情報は私めが)」
スラリとした肢体を持つ緑の同胞は、そう言うや否や、様々な情報を話してくれる。曰く、ヨナはこの国の首長の娘で、度々家を抜け出しては、とある人魚族の娘と遊んでいたこと。その人魚族の名前がフィリアであること。そして……。
「ふにゃあ(彼女は、ボスティア海国の姫であるという情報がありました)」
「にゃっ(にゃんとっ)」
そう、彼女こそが、ボスティア海国で誘拐されたと言われている姫だったのだ。
「ふにゃにゃ。ふんにゃあにゃー(『宵闇の一日』にも、彼女達は二人で会っておりました。その現場を見た者からの証言によりますと、彼女達は海から這い出た化け物に襲われて、フィリアがヨナを庇い、そのまま連れ去られたとのことです)」
「にゃ? (化け物?)」
「うにゃっ(黒くてでっかい奴だったっ)」
と、そこで、恐らく実際に目撃したであろう茶トラの同胞が声を上げる。
「にゃー……(黒くてでっかい奴……)」
「ふにゃー(なお、フィリアに関しては、その後目撃した者はおりません)」
ようやく手に入れた、ボスティアの姫に関する情報。しかし、それはもしかしたら、誰の思惑もない、本当にただの不幸な事故だった可能性も否めない。
「にゃ……(ううむ……)」
「ふにゃ(また、化け物に関しては、別の情報もあります)」
そう言った緑の同胞は、またしても新たな情報を口にしてくれる。
「ふにゃにゃ(あれは、他国の人間達が操っていた化け物だと)」
そんな情報に、一気にきな臭さが増して、我輩、耳をピン、と立てて、慎重にその情報を聞くのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とりあえず、猫達による情報披露はもうちょっとだけ続きます。
それでは、また!
「んにゃっ! (情報を掴んできましたっ、救世猫様っ!)」
そこに居たのはいつぞやの黒い同胞。そして、背後にはズラリと同胞達が勢揃いしている。あの散歩の傷が癒えて、そろそろまた散歩に出ようと宿から一歩外に出た瞬間、我輩は彼らに囲まれたのだった。
「に、にゃあ(ご、ご苦労)」
「んにゃっ(ははっ)」
ビシッと背筋を伸ばす黒の同胞に、我輩、戦々恐々の思いだった。恐らく、今は運命の分かれ道。判断を誤れば途端に、彼らは牙を剥くのであろう。
「にゃあ? (それで、情報は?)」
そう尋ねれば、別の緑の同胞が前に進み出る。
「ふにゃ。ふんにゃ(初めまして、救世猫様。情報は私めが)」
スラリとした肢体を持つ緑の同胞は、そう言うや否や、様々な情報を話してくれる。曰く、ヨナはこの国の首長の娘で、度々家を抜け出しては、とある人魚族の娘と遊んでいたこと。その人魚族の名前がフィリアであること。そして……。
「ふにゃあ(彼女は、ボスティア海国の姫であるという情報がありました)」
「にゃっ(にゃんとっ)」
そう、彼女こそが、ボスティア海国で誘拐されたと言われている姫だったのだ。
「ふにゃにゃ。ふんにゃあにゃー(『宵闇の一日』にも、彼女達は二人で会っておりました。その現場を見た者からの証言によりますと、彼女達は海から這い出た化け物に襲われて、フィリアがヨナを庇い、そのまま連れ去られたとのことです)」
「にゃ? (化け物?)」
「うにゃっ(黒くてでっかい奴だったっ)」
と、そこで、恐らく実際に目撃したであろう茶トラの同胞が声を上げる。
「にゃー……(黒くてでっかい奴……)」
「ふにゃー(なお、フィリアに関しては、その後目撃した者はおりません)」
ようやく手に入れた、ボスティアの姫に関する情報。しかし、それはもしかしたら、誰の思惑もない、本当にただの不幸な事故だった可能性も否めない。
「にゃ……(ううむ……)」
「ふにゃ(また、化け物に関しては、別の情報もあります)」
そう言った緑の同胞は、またしても新たな情報を口にしてくれる。
「ふにゃにゃ(あれは、他国の人間達が操っていた化け物だと)」
そんな情報に、一気にきな臭さが増して、我輩、耳をピン、と立てて、慎重にその情報を聞くのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とりあえず、猫達による情報披露はもうちょっとだけ続きます。
それでは、また!
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