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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第四百七十一話 防衛のために
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襲撃が行われるという今日。我輩達は、とうに出来上がっていた船の様子を見に港までやってきていた。ちなみに船は、四日前に完成している。
「にゃー(大きいのだ)」
バルディス達が購入した船は、遊覧用の船。それなりに内部の装飾も施されたそれは、本来、別の人物から依頼されていた品だったようだが、ボスティア海国の騒動以来、海に出られなくなったため、途中で依頼を破棄されたものだったらしい。あの造船所の男は、購入してもらえて助かったというようなことを告げていた。そして、万が一、船が壊れるようなことがあれば、まだまだ依頼をキャンセルされた造りかけの船があるため、いつでも言ってくれとも言われている。
太いマストに、遠くを見通すための高台。木造のそれらには、魔法で『微風』の付与がしてあり、風がなくとも多少は進めるようになっているらしかった。
「とりあえず、今日の予定としては、船に乗ってボスティア海国へ、と言いたいところだが……タロの持ってきた情報が気になる。襲撃場所も、目的も不明だが、今日は、もしかしたら出発せずに襲撃を待つことになるかもしれない」
「なら、何で港に来たの?」
バルディスの言葉に、マギウスが質問する。ちょうど、我輩も同じ疑問を持っていたため、我輩、しっかりと耳をすませる。
「それはだな……船を守る『結界』を張るためだ」
そう言われて、我輩、大きな船を眺める。
うむ、これくらいなら、我輩だけで『結界』を張れるのだ。
そう、思っていたのだが、バルディスは我輩の想像しなかったことを口にする。
「今日は、ここら一帯の船の持ち主に確認を取って、その船に『結界』を張っていく」
「にゃ? (どういうことなのだ?)」
我輩、てっきりボスティア海国に行くために、外部から攻撃を受けても大丈夫なように『結界』を張るのだと思っていたのだが、どうも違うらしい。しかし、我輩以外の面々はそれがどういうことか理解しているようで、疑問を挟む者は居なかった。
「理由はだな、襲撃が行われるとしたら、海からその化け物がやってくる可能性が高いからだ。そうなれば、最悪、ここらの船は全滅する」
「にゃっ! (それはいけないのだっ!)」
ただでさえ、漁に出られないとルビーナの者達は嘆いているというのに、さらに船まで壊されてしまえば、希望がなくなってしまう。そんなことを許せるわけがなかった。
「そうだ。だから、今から『結界』を張るんだ。最悪、船の持ち主の確認は後になっても構わないが、できるだけ、持ち主に確認を取っておいた方が、後々トラブルも少なくすむだろう」
「にゃー(なるほど)」
「後、港で一番大きな場所はここだが、ここ以外にも二十箇所に港があるらしい。そちらは、行けたら行くということにしようと思う」
そう言って、我輩達は、それぞれに行動を開始するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さぁ、そろそろ港防衛戦に入ります。
それでは、また!
「にゃー(大きいのだ)」
バルディス達が購入した船は、遊覧用の船。それなりに内部の装飾も施されたそれは、本来、別の人物から依頼されていた品だったようだが、ボスティア海国の騒動以来、海に出られなくなったため、途中で依頼を破棄されたものだったらしい。あの造船所の男は、購入してもらえて助かったというようなことを告げていた。そして、万が一、船が壊れるようなことがあれば、まだまだ依頼をキャンセルされた造りかけの船があるため、いつでも言ってくれとも言われている。
太いマストに、遠くを見通すための高台。木造のそれらには、魔法で『微風』の付与がしてあり、風がなくとも多少は進めるようになっているらしかった。
「とりあえず、今日の予定としては、船に乗ってボスティア海国へ、と言いたいところだが……タロの持ってきた情報が気になる。襲撃場所も、目的も不明だが、今日は、もしかしたら出発せずに襲撃を待つことになるかもしれない」
「なら、何で港に来たの?」
バルディスの言葉に、マギウスが質問する。ちょうど、我輩も同じ疑問を持っていたため、我輩、しっかりと耳をすませる。
「それはだな……船を守る『結界』を張るためだ」
そう言われて、我輩、大きな船を眺める。
うむ、これくらいなら、我輩だけで『結界』を張れるのだ。
そう、思っていたのだが、バルディスは我輩の想像しなかったことを口にする。
「今日は、ここら一帯の船の持ち主に確認を取って、その船に『結界』を張っていく」
「にゃ? (どういうことなのだ?)」
我輩、てっきりボスティア海国に行くために、外部から攻撃を受けても大丈夫なように『結界』を張るのだと思っていたのだが、どうも違うらしい。しかし、我輩以外の面々はそれがどういうことか理解しているようで、疑問を挟む者は居なかった。
「理由はだな、襲撃が行われるとしたら、海からその化け物がやってくる可能性が高いからだ。そうなれば、最悪、ここらの船は全滅する」
「にゃっ! (それはいけないのだっ!)」
ただでさえ、漁に出られないとルビーナの者達は嘆いているというのに、さらに船まで壊されてしまえば、希望がなくなってしまう。そんなことを許せるわけがなかった。
「そうだ。だから、今から『結界』を張るんだ。最悪、船の持ち主の確認は後になっても構わないが、できるだけ、持ち主に確認を取っておいた方が、後々トラブルも少なくすむだろう」
「にゃー(なるほど)」
「後、港で一番大きな場所はここだが、ここ以外にも二十箇所に港があるらしい。そちらは、行けたら行くということにしようと思う」
そう言って、我輩達は、それぞれに行動を開始するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さぁ、そろそろ港防衛戦に入ります。
それでは、また!
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