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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第四百七十二話 港防衛戦(一)
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船にいちいち『結界』を張るのではなく、港そのものを『結界』で守った方が楽なのではないかと思った我輩だったが、その質問をバルディスにしてみると、それだと化け物がどこを狙うか分からなくなってしまうとのことだった。
敵がボスティア海国だとしても、ミルテナ帝国だとしても、一番狙いたい場所はこの、最も大きな港だろうという話で、我輩、それ以上詳しいことは良く分からなかったが、そんなものなのだろうと納得する。襲わせる余地を残すことで、化け物を誘き出すというやり方の斬新さに感心しながら、我輩、チマチマと結界を張り続けていく。
今の我輩は、バルディスの指示を聞きながら、どの船に『結界』を張るのかを見定めて、それぞれに『結界』を張っていた。
ラーミア達は、この船の持ち主にどんな説明をしているのかといえば、ヨナの父親の力を借りて、この港で軍事演習が行われるということにしてしまったらしい。そこで、船が傷つかないように『結界』を張らせてほしいとお願いしていっているのだ。
「後は、近くの建物にも『結界』を張っておいてくれ。こちらは、もう確認を取ってある」
「にゃっ(分かったのだっ)」
しっかりがっつり、我輩、港を『結界』だらけにしていく。そして、最後の船に『結界』を張って、次は別の港へ向かおうということになった時、異変は起きた。
「海が、黒い?」
そんなバルディスの視線を辿れば、そこには海……があるはずなのだが、いかんせん、我輩の低い視界にはわずかしか海が見えない。
「にゃっ(抱っこなのだっ)」
「あぁ、ほら」
抱き上げてもらって、高くなった視界でバルディスが見ていた方向を向けば、なるほど、確かに海が黒かった。
「にゃあ? (海とは黒ずむこともあるのか?)」
「いや、そんな現象は知らないが……」
お互いに不思議現象に首をかしげていると、それは、唐突に起こった。
黒い海から、黒いナニカが……いや、海を黒く見せるほどの巨体を持つナニカが、ゆっくりと這い上がる。
「にゃ……(バルディス……)」
「あぁ」
その正体の片鱗を見て、我輩もバルディスも戦く。
「にゃあ(タコなのだ)」
「瘴気だな」
同時に言った言葉に、我輩達、お互いを見つめ合う。
「タコ?」
「にゃ? (瘴気?)」
確かに、よくよく見てみると、そのタコは黒い靄に覆われている。むしろ、黒い靄がメインのようにも見える。
「にゃー(確かに、瘴気なのだ)」
「タコ、だな」
お互いに感心し合っていると、瘴気を纏ったタコがその全貌をあらわにする。
「にゃっ(戦闘開始なのだっ)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なぜタロがタコを知っているかというと、飼い主と一緒に海で見たことがあったからなんですけどね。
でも、猫にタコは与えちゃいけないので、タロはタコを食べられなかった記憶が強そうですが……。
それでは、また!
敵がボスティア海国だとしても、ミルテナ帝国だとしても、一番狙いたい場所はこの、最も大きな港だろうという話で、我輩、それ以上詳しいことは良く分からなかったが、そんなものなのだろうと納得する。襲わせる余地を残すことで、化け物を誘き出すというやり方の斬新さに感心しながら、我輩、チマチマと結界を張り続けていく。
今の我輩は、バルディスの指示を聞きながら、どの船に『結界』を張るのかを見定めて、それぞれに『結界』を張っていた。
ラーミア達は、この船の持ち主にどんな説明をしているのかといえば、ヨナの父親の力を借りて、この港で軍事演習が行われるということにしてしまったらしい。そこで、船が傷つかないように『結界』を張らせてほしいとお願いしていっているのだ。
「後は、近くの建物にも『結界』を張っておいてくれ。こちらは、もう確認を取ってある」
「にゃっ(分かったのだっ)」
しっかりがっつり、我輩、港を『結界』だらけにしていく。そして、最後の船に『結界』を張って、次は別の港へ向かおうということになった時、異変は起きた。
「海が、黒い?」
そんなバルディスの視線を辿れば、そこには海……があるはずなのだが、いかんせん、我輩の低い視界にはわずかしか海が見えない。
「にゃっ(抱っこなのだっ)」
「あぁ、ほら」
抱き上げてもらって、高くなった視界でバルディスが見ていた方向を向けば、なるほど、確かに海が黒かった。
「にゃあ? (海とは黒ずむこともあるのか?)」
「いや、そんな現象は知らないが……」
お互いに不思議現象に首をかしげていると、それは、唐突に起こった。
黒い海から、黒いナニカが……いや、海を黒く見せるほどの巨体を持つナニカが、ゆっくりと這い上がる。
「にゃ……(バルディス……)」
「あぁ」
その正体の片鱗を見て、我輩もバルディスも戦く。
「にゃあ(タコなのだ)」
「瘴気だな」
同時に言った言葉に、我輩達、お互いを見つめ合う。
「タコ?」
「にゃ? (瘴気?)」
確かに、よくよく見てみると、そのタコは黒い靄に覆われている。むしろ、黒い靄がメインのようにも見える。
「にゃー(確かに、瘴気なのだ)」
「タコ、だな」
お互いに感心し合っていると、瘴気を纏ったタコがその全貌をあらわにする。
「にゃっ(戦闘開始なのだっ)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なぜタロがタコを知っているかというと、飼い主と一緒に海で見たことがあったからなんですけどね。
でも、猫にタコは与えちゃいけないので、タロはタコを食べられなかった記憶が強そうですが……。
それでは、また!
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