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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第五百四話 ボトムス
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魚人達に見つからないよう移動するのは、ここに空気があるということで、それなりに簡単だった。空気がある場所での魚人は、ピョンピョン跳ねることでしか移動ができないため、軽く走るだけで逃げられるからだ。しかし……。
「このままじゃ、じり貧だな」
食料を各自持っているといっても、その大半はタロに預けている状態だ。そして、何より、最初に俺が魚人へ声をかけたのが不味かったのか、何やら武器を持った魚人達が終結し始めていた。
「情報もあんまり集まってないし……このままじゃ、ここも水中に変えられて、見つかっちゃうよ」
魚人達は、どうやら空気のある場所を水中に戻す手段を持っているらしく、俺達はそれによって、徐々に活動範囲が狭まっていた。もちろん、腕輪がある限り、水中で活動できないわけではないが、そこで戦闘となると、勝手が違いすぎてどうなるか分からない。
体感では一日も経っていない今でこの状況なのだから、一日経てば、今居るここも、水に呑まれることだろう。
「今、分かっていることは、ボスティア海国では人間と魔族を区別することがなくて、俺達も人間だと思われていることくらいか……」
「いや、呑気にそんなこと言ってないで、考えよう!?」
そんな突っ込みを入れるマギウスを無視して、俺は頭の中で一つの結論を出す。
「……マギウス、泳ぎは得意か?」
「は? そりゃ、人並みには泳げるけど……? ……まさか、この場所が水に呑まれたら、泳いで逃げろ、とか言わないよね?」
青ざめるマギウスに、俺は心外だと鼻を鳴らす。そんなバカげた提案をするのは、きっとタロくらいの……いや、タロとケントくらいのものだろう。
「バカなことを言うな。そんなことで逃げられるなら、とうに逃げている」
そう言いながら、俺は、大昔にディアムからもらったそれを、自分の『収納』から取り出してみる。
「そ、それ、は……」
「ディアム曰く、『魚人変装グッズ』らしい」
なぜ、そんなものをディアムが持っていたのか、そして、なぜ、自分はそれを受け取ったのかは、今となっては良く分からない。しかし、この魚人の下半身を模したボトムス(?)、きっと、役に立つ。
「えっと……それで、どう、するつもり?」
嫌な予感がするといった様子のマギウスに、俺は良い笑顔を浮かべてやる。
「これに変装して、泳ぐぞ」
幸い、変装グッズは二つある。青ざめるマギウスを横目に、俺は赤と青の二つのボトムスのうち、赤い方を装着することにして、さっさとそれを履くのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
タロほどではないにしても、バルディスも結構強引に推し進めて参りました。
さぁ、マギウスの受難はいつまで続くのか!
それでは、また!
「このままじゃ、じり貧だな」
食料を各自持っているといっても、その大半はタロに預けている状態だ。そして、何より、最初に俺が魚人へ声をかけたのが不味かったのか、何やら武器を持った魚人達が終結し始めていた。
「情報もあんまり集まってないし……このままじゃ、ここも水中に変えられて、見つかっちゃうよ」
魚人達は、どうやら空気のある場所を水中に戻す手段を持っているらしく、俺達はそれによって、徐々に活動範囲が狭まっていた。もちろん、腕輪がある限り、水中で活動できないわけではないが、そこで戦闘となると、勝手が違いすぎてどうなるか分からない。
体感では一日も経っていない今でこの状況なのだから、一日経てば、今居るここも、水に呑まれることだろう。
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「いや、呑気にそんなこと言ってないで、考えよう!?」
そんな突っ込みを入れるマギウスを無視して、俺は頭の中で一つの結論を出す。
「……マギウス、泳ぎは得意か?」
「は? そりゃ、人並みには泳げるけど……? ……まさか、この場所が水に呑まれたら、泳いで逃げろ、とか言わないよね?」
青ざめるマギウスに、俺は心外だと鼻を鳴らす。そんなバカげた提案をするのは、きっとタロくらいの……いや、タロとケントくらいのものだろう。
「バカなことを言うな。そんなことで逃げられるなら、とうに逃げている」
そう言いながら、俺は、大昔にディアムからもらったそれを、自分の『収納』から取り出してみる。
「そ、それ、は……」
「ディアム曰く、『魚人変装グッズ』らしい」
なぜ、そんなものをディアムが持っていたのか、そして、なぜ、自分はそれを受け取ったのかは、今となっては良く分からない。しかし、この魚人の下半身を模したボトムス(?)、きっと、役に立つ。
「えっと……それで、どう、するつもり?」
嫌な予感がするといった様子のマギウスに、俺は良い笑顔を浮かべてやる。
「これに変装して、泳ぐぞ」
幸い、変装グッズは二つある。青ざめるマギウスを横目に、俺は赤と青の二つのボトムスのうち、赤い方を装着することにして、さっさとそれを履くのだった。
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タロほどではないにしても、バルディスも結構強引に推し進めて参りました。
さぁ、マギウスの受難はいつまで続くのか!
それでは、また!
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