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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第五百二十話 巨大魚の腹をぶち破れ(三)
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『牢獄』と言われても、檻も何もない、ただ石壁だけが続くこの空間がそうである、というのは、中々理解しがたかった。しかし、ラーミアは言う。『この空間に、出口はないんです』と。
「出口……」
「小部屋や、ここのような大部屋はありますわ。しかし、それ以外がない。定期的に食料が届けられはするものの、それは向こうからの一方通行らしく、一応どういう仕組みか解析はしていますが、何も分からないままです」
説明するラーミアに、我輩はそこで、やっとここが『牢獄』だと評された理由を知る。
「うむ、確かに、牢獄のようなのだ」
「ここを作った者の目的も分かりませんし、ここから出ようと暴れてみても、この石壁には傷一つつきませんわ」
ラーミアの魔法でも傷一つつかないという石壁を見て、我輩、じっと『探索能力』を発動させてみる。
『反魔法物質。
一定量の魔法を吸収してしまう物質。
邪神が生み出したもの。
これを破壊するための魔力量は、一億』
そんな説明を見て、我輩、なるほどと納得する。つまりは、我輩が全力を出さなければ壊れることのない壁らしい。
「うむ、実に面倒な壁なのだ」
「壊す方法が分かれば良いのですが……」
そう言ったラーミアに、我輩、先程の『探索能力』の結果を伝える。すると……。
「分かりましたわ。ならば、どの魔法を使用するのかは、こちらで厳選させていただきます。ですので、タロはけして……けっして、勝手に魔法を使わないようにっ」
「は、はいなのだっ」
何やら真剣に、いや、むしろ鬼気迫るような表情で我輩に念を押すラーミア。我輩、とにかくコクコクとうなずくしかない。
「邪神……?」
そして、ビー兄さんの訝しげな言葉に応えて、ラーミアは、世界各地に邪神復活のための『邪神の眼』という存在ができていること。それを主導するのが『邪神教徒』であること。邪神に対抗できるのが、アルトルム王国で召還された勇者と、カレッタ小王国で召還された勇者の二人組のみであることを話し、今回のこの巨大魚も、邪神が関わったものであることを告げる。
「っ、それは……」
「私達としては、この事実を広めてほしいところではありますわね」
そう言われて何かを考え込むビー兄さんを横目に、我輩、どんな魔法を使えるのだろうかとウキウキワクワクするのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さぁ、今度こそは失敗できないタロっ。
どんな魔法で脱出となるんでしょうかね?
それでは、また!
「出口……」
「小部屋や、ここのような大部屋はありますわ。しかし、それ以外がない。定期的に食料が届けられはするものの、それは向こうからの一方通行らしく、一応どういう仕組みか解析はしていますが、何も分からないままです」
説明するラーミアに、我輩はそこで、やっとここが『牢獄』だと評された理由を知る。
「うむ、確かに、牢獄のようなのだ」
「ここを作った者の目的も分かりませんし、ここから出ようと暴れてみても、この石壁には傷一つつきませんわ」
ラーミアの魔法でも傷一つつかないという石壁を見て、我輩、じっと『探索能力』を発動させてみる。
『反魔法物質。
一定量の魔法を吸収してしまう物質。
邪神が生み出したもの。
これを破壊するための魔力量は、一億』
そんな説明を見て、我輩、なるほどと納得する。つまりは、我輩が全力を出さなければ壊れることのない壁らしい。
「うむ、実に面倒な壁なのだ」
「壊す方法が分かれば良いのですが……」
そう言ったラーミアに、我輩、先程の『探索能力』の結果を伝える。すると……。
「分かりましたわ。ならば、どの魔法を使用するのかは、こちらで厳選させていただきます。ですので、タロはけして……けっして、勝手に魔法を使わないようにっ」
「は、はいなのだっ」
何やら真剣に、いや、むしろ鬼気迫るような表情で我輩に念を押すラーミア。我輩、とにかくコクコクとうなずくしかない。
「邪神……?」
そして、ビー兄さんの訝しげな言葉に応えて、ラーミアは、世界各地に邪神復活のための『邪神の眼』という存在ができていること。それを主導するのが『邪神教徒』であること。邪神に対抗できるのが、アルトルム王国で召還された勇者と、カレッタ小王国で召還された勇者の二人組のみであることを話し、今回のこの巨大魚も、邪神が関わったものであることを告げる。
「っ、それは……」
「私達としては、この事実を広めてほしいところではありますわね」
そう言われて何かを考え込むビー兄さんを横目に、我輩、どんな魔法を使えるのだろうかとウキウキワクワクするのであった。
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さぁ、今度こそは失敗できないタロっ。
どんな魔法で脱出となるんでしょうかね?
それでは、また!
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