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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第五百六十四話 迫る危険
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そういえば、ヨナの名前の中にシェリラというのもあったのだ。
聞き慣れないその名前に一瞬困惑するものの、すぐにヨナの名前だと思い出し、うなずく。
「フィリ「シェリラ! 逃げて! あれがっ、あの化け物が来るっ!」ば、化け物?」
そう言いながら、ヨナはチラリと我輩を見る。
うむ? 我輩に何か用があるのであろうか?
そう思って、ゆっくり近寄ってみるが、首を横に振られてしまう。
うむ? 違ったみたいなのだ。
「フィリア、とりあえず落ち着いて。それで、何があったのか、話してくれない?」
「え、えぇ、そうね。……ところで、この人達は……?」
ヨナがなだめたことで落ち着きを取り戻したフィリアは、そこで初めて、我輩達が居ることに気づいたようだった。
我輩をはじめとして、バルディス達五人とナージャ、飼い主に二号まで揃っている。さすがに、人口密度が多い。
「こちらの方々は、フィリアを捜すのを手伝ってくれた人達だよ。これからのことを考えると、この人達にも話を聞いてもらいたいところなんだけど……」
「シェリラが信用しているのなら、話すわ」
「うん、なら、お願い」
ヨナが促せば、フィリアは語り出す。ヨナの元に顔を出した後、何が起こったのかを。
「私は、ヨナと別れて、海の中をずっと潜っていたの。武術の心得はあったけど、ちゃんと護衛はつけていたのよ? でも、その日、私達は巨大な魚に襲われて、私以外は全滅した」
巨大な魚というのは、文字通り、巨大魚のことだろう。しかし、確認してみると、我輩達が見たそれよりは、いくぶんか小さなサイズであったらしい。もしかしたら、我輩達が来るまでに成長していたのかもしれなかった。
「あの魚に呑まれて、黒い靄に包まれた瞬間、護衛達は意識を失ったわ。私は、なぜか何ともなかったのだけど、その代わり、その黒い靄が充満した場所に閉じ込められて、ずっと、出られなくなってしまったの」
幸い、食料に困ることはなく、巨大魚はフィリアを殺すことはなかったそうだが、どうにかして、黒い靄……瘴気の影響をフィリア自身に及ぼそうとしていたらしい。
「多分、あれに呑まれなかったのは、私がボスティアの姫で、聖者の血筋を持つものだからじゃないかとは思うのだけど……黒い靄は、次第に人の形を取って、私を脅すようになったわ。早く屈しなければ、お前の大事なものを襲うぞって……」
最初は、相手にしなかったものの、次第に情報を集めたのか、ヨナを狙うとピンポイントで脅してきたらしい。そこで、フィリアは完全に屈して、瘴気に呑まれたのだそうだ。
「もちろん、そんなことをしても、あれが約束を守るような存在じゃないことくらい分かっていたわ。でも、ずっと、時間の感覚も分からなくなるまで閉じ込められて、私は、屈してしまった……」
どうやら、我輩達は、その後にフィリアを救出したことになったらしい。
「私がどうやって出られたのかは分からないけど、あの魚は、きっとシェリラを襲うわ。だから、シェリラ。早く逃げましょうっ」
ヨナの肩を強く握るフィリアは真剣だ。しかし、その巨大魚は、今や瀕死の重傷を負ったような状態で、しばらくは動けないはずだ。ついでに言うのであれば、飼い主が恐ろしい仕掛けを施してきたために、今頃は、その巨大魚そのものが存在していない可能性だってある。
我輩がチラリと飼い主を見れば、飼い主は任せろと言わんばかりにうなずくのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とりあえず、フィリアの事情は終了!
ここから、一気に色々動きますよ~
それでは、また!
聞き慣れないその名前に一瞬困惑するものの、すぐにヨナの名前だと思い出し、うなずく。
「フィリ「シェリラ! 逃げて! あれがっ、あの化け物が来るっ!」ば、化け物?」
そう言いながら、ヨナはチラリと我輩を見る。
うむ? 我輩に何か用があるのであろうか?
そう思って、ゆっくり近寄ってみるが、首を横に振られてしまう。
うむ? 違ったみたいなのだ。
「フィリア、とりあえず落ち着いて。それで、何があったのか、話してくれない?」
「え、えぇ、そうね。……ところで、この人達は……?」
ヨナがなだめたことで落ち着きを取り戻したフィリアは、そこで初めて、我輩達が居ることに気づいたようだった。
我輩をはじめとして、バルディス達五人とナージャ、飼い主に二号まで揃っている。さすがに、人口密度が多い。
「こちらの方々は、フィリアを捜すのを手伝ってくれた人達だよ。これからのことを考えると、この人達にも話を聞いてもらいたいところなんだけど……」
「シェリラが信用しているのなら、話すわ」
「うん、なら、お願い」
ヨナが促せば、フィリアは語り出す。ヨナの元に顔を出した後、何が起こったのかを。
「私は、ヨナと別れて、海の中をずっと潜っていたの。武術の心得はあったけど、ちゃんと護衛はつけていたのよ? でも、その日、私達は巨大な魚に襲われて、私以外は全滅した」
巨大な魚というのは、文字通り、巨大魚のことだろう。しかし、確認してみると、我輩達が見たそれよりは、いくぶんか小さなサイズであったらしい。もしかしたら、我輩達が来るまでに成長していたのかもしれなかった。
「あの魚に呑まれて、黒い靄に包まれた瞬間、護衛達は意識を失ったわ。私は、なぜか何ともなかったのだけど、その代わり、その黒い靄が充満した場所に閉じ込められて、ずっと、出られなくなってしまったの」
幸い、食料に困ることはなく、巨大魚はフィリアを殺すことはなかったそうだが、どうにかして、黒い靄……瘴気の影響をフィリア自身に及ぼそうとしていたらしい。
「多分、あれに呑まれなかったのは、私がボスティアの姫で、聖者の血筋を持つものだからじゃないかとは思うのだけど……黒い靄は、次第に人の形を取って、私を脅すようになったわ。早く屈しなければ、お前の大事なものを襲うぞって……」
最初は、相手にしなかったものの、次第に情報を集めたのか、ヨナを狙うとピンポイントで脅してきたらしい。そこで、フィリアは完全に屈して、瘴気に呑まれたのだそうだ。
「もちろん、そんなことをしても、あれが約束を守るような存在じゃないことくらい分かっていたわ。でも、ずっと、時間の感覚も分からなくなるまで閉じ込められて、私は、屈してしまった……」
どうやら、我輩達は、その後にフィリアを救出したことになったらしい。
「私がどうやって出られたのかは分からないけど、あの魚は、きっとシェリラを襲うわ。だから、シェリラ。早く逃げましょうっ」
ヨナの肩を強く握るフィリアは真剣だ。しかし、その巨大魚は、今や瀕死の重傷を負ったような状態で、しばらくは動けないはずだ。ついでに言うのであれば、飼い主が恐ろしい仕掛けを施してきたために、今頃は、その巨大魚そのものが存在していない可能性だってある。
我輩がチラリと飼い主を見れば、飼い主は任せろと言わんばかりにうなずくのであった。
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とりあえず、フィリアの事情は終了!
ここから、一気に色々動きますよ~
それでは、また!
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