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第一章 アルトルム王国の病
第三十七話 作戦と実践(一)
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「にゃあ? (上手くいくであろうか?)」
我輩は、古びた教会から去っていく男の姿を見つめながら、ついつい不安を口にしてしまう。
「にゃっ。にゃあっ(大丈夫ですよっ。なんたって、師匠の作戦なんですからっ)」
励ましてくれるのは、我輩の弟子となった、チャーだ。
チャーの言葉に、少しばかり元気付けられながら、我輩は、この作戦を決めた時のことを思い出す。
遡ること五時間前。我輩は、バルディスとともに薬を完成させ、ラーミア、ディアム、チャーから……説教をくらっていた。
「どうしたら、薬作りで、部屋がこうなるんですか!?」
「弁償、面倒」
「ふにゃーっ(師匠も反省してくださいっ)」
「すまない」
「にゃあ(申し訳ないのだ)」
部屋は、所々が割れ、いくつかあったはずの机やら椅子やらといったものが消し炭になり、数ヵ所ほどマグマが生成されていた。まごうことなき、大惨事である。
そもそも、魔王と勇者という、力加減という点において全く信用ならない一人と一匹が薬を作成しようというのが間違いだったのだ。
幸い、この部屋は盗聴や監視を防止するために、音が漏れない結界を張っていたり、誰かに襲撃を受けても騒ぎにならないように対魔法や対物理の結界も張っていたりしていたおかげで、この惨状を宿屋の主人は知らない。知っていたら卒倒ものの荒れ具合だから、知られなくて良かったという外あるまい。
一通りの説教が終わったところで、ラーミア達は、椅子や机の購入のために話を始める。しかし、我輩達には、大事な大事な、優先事項がある。
「……あー、悪いが、その前に、この薬に関して話しても良いか?」
恐る恐る、バルディスが告げると、ラーミアはギロリと睨み付ける。
「何でしょうか? バル? 私達は、あなた方の不始末の尻拭いに忙しいのですが?」
トゲトゲとした言葉でバルディスを責めるラーミアに、我輩、バルディスのために加勢をしたかったのだが……。
「に(あ、あの)「タロは黙っててください」にゃお(はい)」
何を言ってもラーミアに我輩の言葉が通じることはないのだろうが、それでもバルディスに我輩の思いが伝わればと思って開いた口は、即座に閉じられる。
ううむ、やはり、ラーミアは恐ろしいのだ。
「この薬は、今、アルトルムで蔓延している病の特効薬だ」
しかし、そんな状況も、バルディスのその説明によって変わる。
「何ですって!?」
薬の作り方が分からず、頭を悩ませていたラーミアは、バルディスの言葉に飛び付いた。
「説明をお願いできますわよね?」
にっこりと笑うラーミアにうすら寒いものを覚えながらも我輩、とにかく心の中でバルディスを応援するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とりあえず、今日はここまで。
薬作りの際の擬音が、どんな状況を産み出したかをちょこっと載せてます。
タロは……今回はまだ、あまり活躍なしです。
お説教だけで終わってしまいました。
次回辺りで、話がタロ中心になるかなぁといったところです。
ふむ、この調子で明日も更新できるよう頑張りますね。
それでは、また!
我輩は、古びた教会から去っていく男の姿を見つめながら、ついつい不安を口にしてしまう。
「にゃっ。にゃあっ(大丈夫ですよっ。なんたって、師匠の作戦なんですからっ)」
励ましてくれるのは、我輩の弟子となった、チャーだ。
チャーの言葉に、少しばかり元気付けられながら、我輩は、この作戦を決めた時のことを思い出す。
遡ること五時間前。我輩は、バルディスとともに薬を完成させ、ラーミア、ディアム、チャーから……説教をくらっていた。
「どうしたら、薬作りで、部屋がこうなるんですか!?」
「弁償、面倒」
「ふにゃーっ(師匠も反省してくださいっ)」
「すまない」
「にゃあ(申し訳ないのだ)」
部屋は、所々が割れ、いくつかあったはずの机やら椅子やらといったものが消し炭になり、数ヵ所ほどマグマが生成されていた。まごうことなき、大惨事である。
そもそも、魔王と勇者という、力加減という点において全く信用ならない一人と一匹が薬を作成しようというのが間違いだったのだ。
幸い、この部屋は盗聴や監視を防止するために、音が漏れない結界を張っていたり、誰かに襲撃を受けても騒ぎにならないように対魔法や対物理の結界も張っていたりしていたおかげで、この惨状を宿屋の主人は知らない。知っていたら卒倒ものの荒れ具合だから、知られなくて良かったという外あるまい。
一通りの説教が終わったところで、ラーミア達は、椅子や机の購入のために話を始める。しかし、我輩達には、大事な大事な、優先事項がある。
「……あー、悪いが、その前に、この薬に関して話しても良いか?」
恐る恐る、バルディスが告げると、ラーミアはギロリと睨み付ける。
「何でしょうか? バル? 私達は、あなた方の不始末の尻拭いに忙しいのですが?」
トゲトゲとした言葉でバルディスを責めるラーミアに、我輩、バルディスのために加勢をしたかったのだが……。
「に(あ、あの)「タロは黙っててください」にゃお(はい)」
何を言ってもラーミアに我輩の言葉が通じることはないのだろうが、それでもバルディスに我輩の思いが伝わればと思って開いた口は、即座に閉じられる。
ううむ、やはり、ラーミアは恐ろしいのだ。
「この薬は、今、アルトルムで蔓延している病の特効薬だ」
しかし、そんな状況も、バルディスのその説明によって変わる。
「何ですって!?」
薬の作り方が分からず、頭を悩ませていたラーミアは、バルディスの言葉に飛び付いた。
「説明をお願いできますわよね?」
にっこりと笑うラーミアにうすら寒いものを覚えながらも我輩、とにかく心の中でバルディスを応援するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とりあえず、今日はここまで。
薬作りの際の擬音が、どんな状況を産み出したかをちょこっと載せてます。
タロは……今回はまだ、あまり活躍なしです。
お説教だけで終わってしまいました。
次回辺りで、話がタロ中心になるかなぁといったところです。
ふむ、この調子で明日も更新できるよう頑張りますね。
それでは、また!
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