我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第二章 反撃のサナフ教国

第七十六話 レジスタンス捜し

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 いつの間にかタロの姿が見えなくなっていることに気づいたのは、ディアムだった。


「バル、タロ、居ない」

「何?」


 お互いに気配を殺していたため、全員が着いてきていることを前提に走り続けていた俺は、すぐさま立ち止まって振り向く。


「本当に居ませんわね」


 ラーミアの言う通り、あの大福のようにふっくらとした体型の猫はどこにも居ない。


「どこ行ったんだ、あいつは……」


 命の心配はするだけ無駄と言えるほどに強いことは分かっているが、何せ、タロには常識がない。異世界から召喚されたということと、猫であるということを考えれば仕方ないことではあったが、何か問題を起こしてはいないだろうかと心配だ。


「タロを捜しながら、レジスタンス捜しか……骨が折れそうだな」


 タロはきっと、気配を消したままだ。気配というのは、もちろん魔力も含まれ、それを遮断した状態のタロを、土地勘のない場所で捜すとなると困難極まりない。


「タロが気配を戻すのを待って、私達はレジスタンスの方に集中した方が良いのでは?」

「同意」

「あぁ、そうだな。せいぜい、タロが問題を連れてこないことを祈ろう」


 タロがすでにレジスタンスの旗頭に接触しており、しかもその人物が欠片の持ち主だとまで判明させているだなんてことを思いもしない俺は、ただひたすらに、問題を起こしてくれるなと祈る。

 そうして、レジスタンス捜しを再開させた俺達だったが、一つ、疑念が生まれる。


「バル、騎士、多い」


 そう、巡回をしているミルテナ帝国の騎士が、やたらと多いのだ。


「もしかしたら、レジスタンスの存在がバレているのかもな」


 有事でもないのに巡回する騎士が多いことから、俺はそう推測する。そして、その推測が当たっている場合は恐ろしく厄介だ。
 一度、レジスタンスが潰されてしまえば、次に似た勢力ができるまでに時間がかかる。その間に、ファルシス魔国とミルテナ帝国が通じているという噂に信憑性が増してしまえば、汚名返上の機会を永遠に失いかねない。


「早急に捜し出して保護するぞ」

「「御意」」


 まだ見ぬレジスタンスには、ファルシス魔国のためにクーデターを成功させてもらわなければならない。


「ディアム、騎士を調べられるか?」

「もちろん」

「なら、頼む」


 この少ない人数でできることは限られている。だから、手を打っておくのに越したことはない。

 ディアムと別れ、俺とラーミアは、引き続きレジスタンスを捜すのであった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ちょっと遅くなりました。

今日は、祖母の傘寿のお祝いに行ってまして……お酒を飲みながらワイワイとお祝いしていたら、こんな時間になってしまいました。

でも、とりあえず更新できて良かったです。

それでは、また!
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