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第二章 反撃のサナフ教国
第八十話 タロの道案内
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ひとまず、欠片の持ち主捜しだ。タロは場所を覚えているというので、何の疑いもなく、俺達はタロに着いていく。
昼間だというのにどこか薄暗い小道を抜け、人様の家の敷地じゃないかとおぼしき場所をこっそり乗り越え、二回ほど見たことのある道を見つけたところで、俺達は恐らく同じことをタロに思う。『もしかして、本当は覚えていないのでは?』と。
ラーミアもディアムも、タロに案内を任せることに賛同した手前、今は何も言えないと思っているのか、困惑した表情を押し隠している。きっと、もう少ししたら、ちょっと進言するくらいできるだろうが、まだ案内を始めてもらって十分も経っていない。少し遠い場所だということも聞いていたため、まだ何も言えそうにない。
ただ、いくらなんでも、この道はおかしい。同じところをずっとグルグルと回っているというわけでもないが、一直線に目的地に向かっているとも言いがたい道を進んでいる。しかしながら、タロの足取りがブレることはなかった。堂々と歩き続けるタロを見ていると、俺達のその考えこそが間違っているのではないかとまで思えてしまう。
そうして、時々マウマウと遭遇してはタロが一方的に倒して、進んでいくと、ようやく、拓けた場所に出る。
「にゃー(あそこなのだ)」
地図上でみるならば、かなりの大回りをしてたどり着いたその場所は、小さな酒場だった。『リリナのバー』と書かれた古びた看板がかかっていて、いかにも流行ってなさそうな場所だ。
「随分と遠回りだったな」
一直線にくれば、十分もかからないだろうことを地図で確認していた俺は、案内してもらったにもかかわらず、つい、そう言ってしまう。
「にゃ? にゃーにゃあ……(そうだろうか? 我輩、昨日辿った道をそのまま戻っただけなのだが……)」
そう言われて、俺は、さすがに気づいた。自分達が、大きな勘違いをしていたことに。
そもそも、猫と人の感覚は違う。猫が地図を読めるわけもなく、ましてや、頭の中で地図を描くようなことだってできない。つまりは、猫は自分の足で辿った道を、臭いをつけたりしながらでも、そのまま覚えるしかない。
これが馴染みのある土地であれば、タロだってそこそこ近道を知っていたりもしたのだろうが、始めて訪れる土地でそこまで求めること事態が酷だったのだろう。
「……すまなかった、タロ」
「にゃ? (何がなのだ?)」
「謝罪、する」
「ごめんなさい」
「に、にゃあ!? (だ、だから、いったい何なのだ!?)」
混乱するタロを尻目に、俺達はとにかく謝罪しておく。そうして、オロオロするタロとともに、『リリナのバー』へと向かうのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回は、タロの道案内です。
よくよく考えれば、タロは猫で、地図なんて概念はないんですよね。
だから、今回はこんな結果になったと……。
ちなみに、作者は方向音痴なので、タロみたいに案内そのものができない人間です(悲しい……)
方向音痴、治らないかなぁ?
それでは、また!
昼間だというのにどこか薄暗い小道を抜け、人様の家の敷地じゃないかとおぼしき場所をこっそり乗り越え、二回ほど見たことのある道を見つけたところで、俺達は恐らく同じことをタロに思う。『もしかして、本当は覚えていないのでは?』と。
ラーミアもディアムも、タロに案内を任せることに賛同した手前、今は何も言えないと思っているのか、困惑した表情を押し隠している。きっと、もう少ししたら、ちょっと進言するくらいできるだろうが、まだ案内を始めてもらって十分も経っていない。少し遠い場所だということも聞いていたため、まだ何も言えそうにない。
ただ、いくらなんでも、この道はおかしい。同じところをずっとグルグルと回っているというわけでもないが、一直線に目的地に向かっているとも言いがたい道を進んでいる。しかしながら、タロの足取りがブレることはなかった。堂々と歩き続けるタロを見ていると、俺達のその考えこそが間違っているのではないかとまで思えてしまう。
そうして、時々マウマウと遭遇してはタロが一方的に倒して、進んでいくと、ようやく、拓けた場所に出る。
「にゃー(あそこなのだ)」
地図上でみるならば、かなりの大回りをしてたどり着いたその場所は、小さな酒場だった。『リリナのバー』と書かれた古びた看板がかかっていて、いかにも流行ってなさそうな場所だ。
「随分と遠回りだったな」
一直線にくれば、十分もかからないだろうことを地図で確認していた俺は、案内してもらったにもかかわらず、つい、そう言ってしまう。
「にゃ? にゃーにゃあ……(そうだろうか? 我輩、昨日辿った道をそのまま戻っただけなのだが……)」
そう言われて、俺は、さすがに気づいた。自分達が、大きな勘違いをしていたことに。
そもそも、猫と人の感覚は違う。猫が地図を読めるわけもなく、ましてや、頭の中で地図を描くようなことだってできない。つまりは、猫は自分の足で辿った道を、臭いをつけたりしながらでも、そのまま覚えるしかない。
これが馴染みのある土地であれば、タロだってそこそこ近道を知っていたりもしたのだろうが、始めて訪れる土地でそこまで求めること事態が酷だったのだろう。
「……すまなかった、タロ」
「にゃ? (何がなのだ?)」
「謝罪、する」
「ごめんなさい」
「に、にゃあ!? (だ、だから、いったい何なのだ!?)」
混乱するタロを尻目に、俺達はとにかく謝罪しておく。そうして、オロオロするタロとともに、『リリナのバー』へと向かうのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回は、タロの道案内です。
よくよく考えれば、タロは猫で、地図なんて概念はないんですよね。
だから、今回はこんな結果になったと……。
ちなみに、作者は方向音痴なので、タロみたいに案内そのものができない人間です(悲しい……)
方向音痴、治らないかなぁ?
それでは、また!
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