我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第二章 反撃のサナフ教国

第九十八話 引っ越し大作戦(一)

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 レジスタンスを助け、キングコッコーを倒した翌日。我輩は、レジスタンスの仲間として最初の朝を迎え…………もう一眠りしようとしたところで、バルディスに抱えあげられたのだ。


「寝るな」

「にゃあにゃあ(猫は寝るのも仕事なのだー)」


 強制的に二度寝を妨げられた我輩は、寝惚け眼で不平不満をバルディスにぶつける。


「ずっとタロが起きるのを待ってたんだ。これ以上、待たせるな」

「にゃ? (む?)」


 まだうつらうつらとする中、耳許でバルディスが囁くのを聞いて、我輩、とりあえずちゃんと目を開けることにする。


「……にゃお(……勢揃いなのだ)」


 目を開けると、そこには、ラーミアやディアム、ロッダ、ノルディ、リリナが居た。もちろん、我輩を抱いているバルディスは背後に居るため、この国での知り合いが全て揃っていることになる。


「ふむ、起きたようだの」

「……ほんとに、その猫は役に立つのか?」

「ものにもよりますが、それなりに役立ってくれていますわよ」

「タロ、強い」

「力はそうかもしれないけど、今回は補助でしょう? 大丈夫なのか、私も不安よ」


 うむ? 良く分からないが、褒められている、のだろうか?


 はっきりと目を覚ましたところで、我輩、バルディスの手をテシテシと叩き、地面に降ろしてもらう。


「にゃあにゃ? (いったい、何の用なのだ?)」


 我輩、バルディスを見上げて問いかける。すると、何やらレジスタンスの状況説明が行われた。


「今、レジスタンスはアジト壊滅の危機にある。そして、それを防ぐにしても、戦力が足りないし、他にあてがあるわけでもないから、どうしようかと会議中なんだがな……」


 ディアムが調べた地図によると、レジスタンスの他のアジトがしっかりとマークされているらしい。そして、そこがやられると本格的にレジスタンスが機能しなくなる。ただ、どこかに移動するにしてもあてはないし、人数が多いため目立ってしまうという懸念もあるらしい。


「そこで提案したのが、一時的にルーグ砂漠に身を寄せるということだ。しかも、タロに転移をしてもらって移動するという形でな」

「にゃ? (我輩は構わないのだが?)」


 とっても難しい話かと思えば、何やら我輩が力を貸せばどうとでもなりそうだと分かり、我輩、無意識に入れていた力を抜く。


 うむ、体をググッと伸ばしたいところなのだ。


 そうすれば、もっと体が解れるだろうと思っていると、バルディスはなおも説明を続ける。


「ただ、レジスタンスの人数が二百人を超える人数だし、タロにはドームを作ってもらわなきゃならないし、できることなら、幻術でそこに何もないように見せかけてもほしいんだ。それを、タロ、お前はできるか?」


 ふむ、転移とドームと幻術? そのくらいならできるとは思うのだが、バルディスは何を心配しているのだ?


 問題点が分からないものの、我輩、バルディスが心配そうなのはなんとなく、見て分かる。そのため、我輩の知らないことが何かあるのかもしれないと勘繰る。


「にゃーにゃー。にゃにゃあ(我輩、問題点が分からないのだ。はっきりと聞いてほしいのだ)」

「タロは何て言っていますか?」

「あぁ、ちょっと待ってくれ。タロ、問題点は、お前の魔力が保つのかどうかということだ」

「にゃ? (魔力?)」


 『魔力』と聞いて、我輩、やはり意味が分からず、尋ねるのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


頭痛、治りました!

と、いうわけで、ウキウキと更新してみたのですが……ううむ、一度じゃ話がまとまりそうにないので、次くらいでちゃんとした作戦始動まで漕ぎ着けられるかなぁと思っています。

それでは、また!
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