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第二章 反撃のサナフ教国
第百十話 我輩の散歩(五)
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マウマウ退治は、さほど時間もかからずに終わった。どうやら、この辺りに居たマウマウを倒していたお陰で、仲間が少なかったらしい。
「にゃー(もう大丈夫なのだ)」
マウマウの山を一つ築いた我輩は、背後で怯えている母娘に振り向いて、できるだけ怖がらせないように柔らかく話す。
「みーっ(おじしゃん、ありがとっ)」
「にゃあ(なんの、無事で良かったのだ)」
トタトタと歩み寄って来たミィに優しくそう言えば、母親であるレディは信じられないものを見たとばかりに目を見開く。
「みにゃー……(あなたは、もしや……)」
「にゃ? (む?)」
何かを言いかけるレディに、我輩、首をかしげる。
「みにゃにゃ……(マウマウを簡単に倒す力、それに、ミィに危害を加えない雄となると……)」
「にゃあ? (レディ?)」
「みにゃっ! (あなたっ、竜ねっ!)」
「うにゃあっ!? (なぜそうなるのだっ!?)」
我輩、この国に来てからというもの、竜だと思われてばかりいるような気がするのだ。しかし、驚く我輩に、レディはウンウンと納得した表情でうなずき、警戒を解く。
我輩、複雑なのだ……。
誤解であると叫びたい。我輩は猫なのだと叫びたい。しかし、そんなことをすれば、間違いなくまた警戒されてしまうことだろう。それは、我輩の本意ではない。
「みにゃあ? (ねっ、竜なんでしょう?)」
「……にゃー(……もう、それで良いのだ)」
この母娘を助けるためならば、我輩、竜にでもなんでもなってやるのだ。
「みみー? (かか、りゅうってなに?)」
「みにゃにゃあ(竜はね、とっても大きくて強い生き物なのよ)」
「みっ? (おじしゃん、りゅう?)」
「みにゃー(そうよ)」
「みみーっ(りゅう、すごいのっ)」
猫だと認めてもらえないことに内心ショックを受けていると、二匹はそんな会話を繰り広げて我輩の傷口を抉る。
我輩、負けない、のだ。
自分で自分を励ましつつ我輩、それよりもレディの体のことを優先しなければと思い至る。
「にゃにゃあ(そんなことより、食事にしようではないか)」
異空間にあるキングコッコーの肉は、バルディスに頼んである程度、切り分けてもらっている。我輩のおやつになる上、今のような状況にも即座に使える状態だ。
キングコッコーの肉を地面に多く出すと、すぐにレディの目が輝く。
「み、みにゃ……(こ、これは……)」
「にゃ(どうぞ、召し上がれなのだ)」
「みー(おいしーの)」
そう言えば、よほど飢えていたのだろう、レディはミィが喜んで食べ始めたのを見るや否や、自分もしっかりと食べ始めたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
タロは竜と間違えられること、三回。
本当は猫なのに、周りからは竜だと思われてばっかりです。
タロ自身は甲冑の騎士と今回ので二回間違えられたと思っているでしょうが、レジスタンスでも竜だと認識されていますしね。
可哀想なんだかどうだか、良く分かりませんが、タロがショックを受けているのは確実です。
書いている方は楽しいですけどね。
それでは、また!
「にゃー(もう大丈夫なのだ)」
マウマウの山を一つ築いた我輩は、背後で怯えている母娘に振り向いて、できるだけ怖がらせないように柔らかく話す。
「みーっ(おじしゃん、ありがとっ)」
「にゃあ(なんの、無事で良かったのだ)」
トタトタと歩み寄って来たミィに優しくそう言えば、母親であるレディは信じられないものを見たとばかりに目を見開く。
「みにゃー……(あなたは、もしや……)」
「にゃ? (む?)」
何かを言いかけるレディに、我輩、首をかしげる。
「みにゃにゃ……(マウマウを簡単に倒す力、それに、ミィに危害を加えない雄となると……)」
「にゃあ? (レディ?)」
「みにゃっ! (あなたっ、竜ねっ!)」
「うにゃあっ!? (なぜそうなるのだっ!?)」
我輩、この国に来てからというもの、竜だと思われてばかりいるような気がするのだ。しかし、驚く我輩に、レディはウンウンと納得した表情でうなずき、警戒を解く。
我輩、複雑なのだ……。
誤解であると叫びたい。我輩は猫なのだと叫びたい。しかし、そんなことをすれば、間違いなくまた警戒されてしまうことだろう。それは、我輩の本意ではない。
「みにゃあ? (ねっ、竜なんでしょう?)」
「……にゃー(……もう、それで良いのだ)」
この母娘を助けるためならば、我輩、竜にでもなんでもなってやるのだ。
「みみー? (かか、りゅうってなに?)」
「みにゃにゃあ(竜はね、とっても大きくて強い生き物なのよ)」
「みっ? (おじしゃん、りゅう?)」
「みにゃー(そうよ)」
「みみーっ(りゅう、すごいのっ)」
猫だと認めてもらえないことに内心ショックを受けていると、二匹はそんな会話を繰り広げて我輩の傷口を抉る。
我輩、負けない、のだ。
自分で自分を励ましつつ我輩、それよりもレディの体のことを優先しなければと思い至る。
「にゃにゃあ(そんなことより、食事にしようではないか)」
異空間にあるキングコッコーの肉は、バルディスに頼んである程度、切り分けてもらっている。我輩のおやつになる上、今のような状況にも即座に使える状態だ。
キングコッコーの肉を地面に多く出すと、すぐにレディの目が輝く。
「み、みにゃ……(こ、これは……)」
「にゃ(どうぞ、召し上がれなのだ)」
「みー(おいしーの)」
そう言えば、よほど飢えていたのだろう、レディはミィが喜んで食べ始めたのを見るや否や、自分もしっかりと食べ始めたのだった。
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タロは竜と間違えられること、三回。
本当は猫なのに、周りからは竜だと思われてばっかりです。
タロ自身は甲冑の騎士と今回ので二回間違えられたと思っているでしょうが、レジスタンスでも竜だと認識されていますしね。
可哀想なんだかどうだか、良く分かりませんが、タロがショックを受けているのは確実です。
書いている方は楽しいですけどね。
それでは、また!
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