我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第二章 反撃のサナフ教国

第百二十九話 出立のために

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 リリナは思っていた以上にロッダに思われていたらしい。感動の再会を邪魔されたロッダに軽く睨まれて、俺は苦笑するしかない。
 それでも、これから話す内容は、重要なことで、邪魔したことを悪いと思いながら話し出す。


「リリナとも話したんだが、セイクリアへの出発はすぐにした方が良いだろうと思うんだ。こちらのラーミアはいつでも行けるから、後はリリナの出発の許可だけなんだ」


 リリナがジルクの裏切りを知っている状況の今、リリナはここに居ない方が安全だ。セイクリアへの使者として送り出すことで、リリナを守ろうというわけだ。


「なっ! まだ出発は待っても良いだろうっ。リリナだって帰ってきたばかりだし、少しは休んだ方が良いっ」


 まさか、リリナがジルクの裏切りを目撃したことを教えるわけにもいかない。そう思って、ロッダ達には何も話していない。ロッダの言葉は、何もない状況なら正論だ。だから、俺はそれをかわすための言葉を口にする。


「それが、そうもいかないんだ。リリナは、町での探索の間に騎士に目をつけられたらしく、ここに居るのは危険でしかないという状況なんだ」


 嘘は言ってない。リリナがミルテナ帝国の騎士に目をつけられたのはたしかだし、それで危険なのも本当だ。


「っ!?」

「それは、本当なのかの?」


 驚愕で固まるロッダを横目に、ノルディが険しい表情で確認してくる。

 レジスタンスの裏切り者ではないと言えるのは、今のところ、ロッダとリリナのみ。ノルディはもしかしたら敵かもしれない。
 そう考え、俺はノルディの様子を慎重に見る。


「あぁ、もしかしたら、挙動が不審だったのかもしれねぇ。目をつけられたことだけはたしかで、バルディスの言う通り、このままここに居るのは危険だろうな」

「そんなっ!」


 ようやく会えた心の拠り所が、またすぐに離れることを知って、ロッダは取り乱す。


 ……これは、良くないな。


 ロッダの様子を見て、俺は、そう分析する。組織のトップが情緒不安定では、この先どうなるか分からない。かといって、俺達ではどうすることもできない。


「……なぁ、ちょっと、ロッダ以外は外してくれねぇか? 少し、二人で話したい」

「ぬ? まぁ、それは良いが……」

「分かった。俺達も外そう」

「にゃ? (戻るのか?)」


 ここは、ロッダのことを良く知っているはずのリリナに任せた方が良いだろう。俺達が魔族であることも、ロッダになら話しても良いと思って、リリナにそう伝えていることだしな。

 そうして、俺達はタロも連れてひとまずドームから出るのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


むむむぅ、最近は、タロが活躍してない……。

いや、タロ以外の人間模様が重要だから、やむを得ないんですけどね?

こう……大福体型のタロが動き回ってほしいというか、なんというか……ですが、もうしばらく、タロの活躍はお預けです。

それでは、また!

……すみません、タイトル書き忘れてました。
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