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第三章 セイクリア教国の歪み
第百八十話 入らずの祠(二)
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ブチの悲鳴を聞きながら進むこと二時間。俺達はようやく拓けた場所へと出る。
「にゃ? (着いたのか?)」
暗い洞窟内を、炎で照らしてみれば、そこは確かに行き止まりだった。つまりは、ここが目的地なのだろう。
「タロ、ラーミアの痕跡を探すぞ」
「にゃっ(分かったのだっ)」
「……ふにゃ(……俺、休む)」
声をかければ、タロは元気に返事をし、ブチはぐったりと地面にへばりつく。もしかしたら、帰りはブチを抱えた方が良いかもしれないなと思いながら、俺は、ブチを気にしながらラーミアの痕跡を探す。
「……ないな」
「にゃー(我輩も見つけられないのだ)」
しかし、ラーミアの痕跡は見つからない。情報が間違いであったのか、ただ単に痕跡が残っていないだけなのか、全く見つからなかった。
「ふにゃん(あぁ、少し回復してきた)」
せっかくここまで来たのに、無駄足だったかと気分が沈む。しかし、そんな時だった。
ガコンッ。
「ふにゃ? (うん?)」
立ち上がり、俺達のところに向かいかけていたブチが、それを踏んだのは。
「にゃ? (うむ?)」
「えっ?」
事態を把握するより先に、地鳴りが起こる。
「っ、ブチっ、こっちに来いっ」
何かは分からないが、罠である可能性が高いと思考が働き、俺は即座にブチへと呼び掛ける。すると……。
「ふにゃ、ふにゃあぁぁあっ(分かっ、うおぉぉおっ)」
走り出す前に地面がパカリと割れ、ブチはその闇の中へと落ちる。
「にゃっ! (ブチっ!)」
「ブチっ!」
俺達は慌てて開いた穴に駆け寄る。
「ふ、ふにゃっ、ふにゃあっ(い、痛っ、うおぉっ)」
しかし、声を聞いてみると、一直線に下に落ちたにしては妙だということが分かり、ひとまず穴を覗いてみると……。
「階段?」
そこにあったのは、地下へと続く階段だった。
「にゃっ(今行くのだっ)」
階段であることを確認すると、タロが真っ先に飛び出していく。
「お、おい、タロ!」
すぐに気を付けるように呼び止めようとするが、もうその時にはタロは転がり落ちる勢いで階段を駆け下りていた。
「……俺も下りるか」
本当なら、安全を確認して下りたかったものの、こうなっては仕方ない。俺は、また罠がないか警戒しながら、階段を下りるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブチのファインプレイにより、階段が見つかりました!
いやぁ、私の作品、猫が落ちる描写が多いような気がします……。
木から落ちそうになったり、建物から落ちたり、落とし穴的な罠に引っ掛かって落ちたり。
いや、慌てる姿が可愛いからやってるのかもしれないですけどね。
それでは、また!
「にゃ? (着いたのか?)」
暗い洞窟内を、炎で照らしてみれば、そこは確かに行き止まりだった。つまりは、ここが目的地なのだろう。
「タロ、ラーミアの痕跡を探すぞ」
「にゃっ(分かったのだっ)」
「……ふにゃ(……俺、休む)」
声をかければ、タロは元気に返事をし、ブチはぐったりと地面にへばりつく。もしかしたら、帰りはブチを抱えた方が良いかもしれないなと思いながら、俺は、ブチを気にしながらラーミアの痕跡を探す。
「……ないな」
「にゃー(我輩も見つけられないのだ)」
しかし、ラーミアの痕跡は見つからない。情報が間違いであったのか、ただ単に痕跡が残っていないだけなのか、全く見つからなかった。
「ふにゃん(あぁ、少し回復してきた)」
せっかくここまで来たのに、無駄足だったかと気分が沈む。しかし、そんな時だった。
ガコンッ。
「ふにゃ? (うん?)」
立ち上がり、俺達のところに向かいかけていたブチが、それを踏んだのは。
「にゃ? (うむ?)」
「えっ?」
事態を把握するより先に、地鳴りが起こる。
「っ、ブチっ、こっちに来いっ」
何かは分からないが、罠である可能性が高いと思考が働き、俺は即座にブチへと呼び掛ける。すると……。
「ふにゃ、ふにゃあぁぁあっ(分かっ、うおぉぉおっ)」
走り出す前に地面がパカリと割れ、ブチはその闇の中へと落ちる。
「にゃっ! (ブチっ!)」
「ブチっ!」
俺達は慌てて開いた穴に駆け寄る。
「ふ、ふにゃっ、ふにゃあっ(い、痛っ、うおぉっ)」
しかし、声を聞いてみると、一直線に下に落ちたにしては妙だということが分かり、ひとまず穴を覗いてみると……。
「階段?」
そこにあったのは、地下へと続く階段だった。
「にゃっ(今行くのだっ)」
階段であることを確認すると、タロが真っ先に飛び出していく。
「お、おい、タロ!」
すぐに気を付けるように呼び止めようとするが、もうその時にはタロは転がり落ちる勢いで階段を駆け下りていた。
「……俺も下りるか」
本当なら、安全を確認して下りたかったものの、こうなっては仕方ない。俺は、また罠がないか警戒しながら、階段を下りるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブチのファインプレイにより、階段が見つかりました!
いやぁ、私の作品、猫が落ちる描写が多いような気がします……。
木から落ちそうになったり、建物から落ちたり、落とし穴的な罠に引っ掛かって落ちたり。
いや、慌てる姿が可愛いからやってるのかもしれないですけどね。
それでは、また!
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