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第三章 セイクリア教国の歪み
第百七十九話 入らずの祠(一)
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暗く不気味な洞窟内。時折、蝙蝠が飛び立つ姿を横目に、我輩達は一心不乱に前へと進む。……全てを薙ぎ倒しながら。
「それにしてもっ、ここはっ、マウマウがっ、多い、なっ!」
「ヂュッ」
「にゃーっ(遊び放題なのだっ)」
「ヂューッ」
「ふにゃんっ(お、おい、こっちに近づけるなよっ)」
「ヂュヂュヂューッ」
現在、大量の黒いマウマウに襲撃されている我輩達は、盛大に遊びゲフンゲフン、戦っていた。
「「ヂューッ」」
「にゃっ(また潜ったのだっ)」
「ブチ、そこ危ないぞ」
「ふにゃあぁっ(うおぉぉおっ)」
普段町で見るマウマウは茶色で、ただ猪突猛進に襲いかかってくるのみだったが、ここのマウマウは違う。何と、影に潜って、下から襲撃してくるのだ。これはこれで遊びごたえがあって楽しいのだが、ブチは戦々恐々として逃げ回っていた。
さて、そこで、そもそもここはどこかという話になるのだが、ここは、ラーミアが来たとされる『入らずの祠』だ。
それぞれの情報確認を行った我輩達は、有力な情報が半透明の者からもたらされたものしかないという結論に行き着き、ここまできていたのだ。我輩とバルディス、そして、なぜかブチもというメンバーで、この洞窟の先へと進んでいた。ちなみに、ディアムに関しては、引き続き町で調査を行ってもらっている。ただ……。
「にゃあにゃ? (ラーミアは本当に、こんなところに来たのだろうか?)」
「ヂューッ」
「さぁな」
「ヂュッ」
「ふにゃあぁっ(来るなぁっ)」
「ヂュッヂュヂューッ」
ブチが重点的に狙われているのを見ながら、我輩、考える。
当初、ラーミアは聖騎士に捕らえられているものだとばかり思われていた。しかし、あの廃墟に現れていたという情報に、今回の『入らずの祠』の情報。どちらも囚われの身では行くことがなさそうな場所ばかりだ。それに……。
「何の目的であの場所に居たのかも分からないしな」
そう、ラーミアがどういう理由で廃墟に居たのかが分からない。ディアムによる男どもへの拷問の結果、ラーミアは男達を無視して、何かの魔法を使った後に姿を消したらしい。転移はまだ使えないはずなので、姿を消したというのは転移以外の移動方法を何か用いたのだろう。しかし、何の魔法を使ったのかは結局分からなかった。
「ヂューッ」
「ふにゃあぁっ(た、助けてくれーっ)」
マウマウに追われて走り回っているブチを見て、我輩はとりあえず狩りに専念する。今は考えても仕方ない。とにかく、この奥にまで進むことが重要だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブチ、丸々太った体で一生懸命、逃げ回ってます。
もしかしたら、ダイエットできるかも(笑)
次回は……もしかしたらバルディス視点にするかもしれません。
それでは、また!
「それにしてもっ、ここはっ、マウマウがっ、多い、なっ!」
「ヂュッ」
「にゃーっ(遊び放題なのだっ)」
「ヂューッ」
「ふにゃんっ(お、おい、こっちに近づけるなよっ)」
「ヂュヂュヂューッ」
現在、大量の黒いマウマウに襲撃されている我輩達は、盛大に遊びゲフンゲフン、戦っていた。
「「ヂューッ」」
「にゃっ(また潜ったのだっ)」
「ブチ、そこ危ないぞ」
「ふにゃあぁっ(うおぉぉおっ)」
普段町で見るマウマウは茶色で、ただ猪突猛進に襲いかかってくるのみだったが、ここのマウマウは違う。何と、影に潜って、下から襲撃してくるのだ。これはこれで遊びごたえがあって楽しいのだが、ブチは戦々恐々として逃げ回っていた。
さて、そこで、そもそもここはどこかという話になるのだが、ここは、ラーミアが来たとされる『入らずの祠』だ。
それぞれの情報確認を行った我輩達は、有力な情報が半透明の者からもたらされたものしかないという結論に行き着き、ここまできていたのだ。我輩とバルディス、そして、なぜかブチもというメンバーで、この洞窟の先へと進んでいた。ちなみに、ディアムに関しては、引き続き町で調査を行ってもらっている。ただ……。
「にゃあにゃ? (ラーミアは本当に、こんなところに来たのだろうか?)」
「ヂューッ」
「さぁな」
「ヂュッ」
「ふにゃあぁっ(来るなぁっ)」
「ヂュッヂュヂューッ」
ブチが重点的に狙われているのを見ながら、我輩、考える。
当初、ラーミアは聖騎士に捕らえられているものだとばかり思われていた。しかし、あの廃墟に現れていたという情報に、今回の『入らずの祠』の情報。どちらも囚われの身では行くことがなさそうな場所ばかりだ。それに……。
「何の目的であの場所に居たのかも分からないしな」
そう、ラーミアがどういう理由で廃墟に居たのかが分からない。ディアムによる男どもへの拷問の結果、ラーミアは男達を無視して、何かの魔法を使った後に姿を消したらしい。転移はまだ使えないはずなので、姿を消したというのは転移以外の移動方法を何か用いたのだろう。しかし、何の魔法を使ったのかは結局分からなかった。
「ヂューッ」
「ふにゃあぁっ(た、助けてくれーっ)」
マウマウに追われて走り回っているブチを見て、我輩はとりあえず狩りに専念する。今は考えても仕方ない。とにかく、この奥にまで進むことが重要だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブチ、丸々太った体で一生懸命、逃げ回ってます。
もしかしたら、ダイエットできるかも(笑)
次回は……もしかしたらバルディス視点にするかもしれません。
それでは、また!
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