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にわめ。
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「どうしたんですか? そんな難しい顔をして」
「ああごめん。ちょっと考え事をね」
「何か悩みごとですか?」
「まぁね」
「それはそれは」
アレックスはなんだか嬉しそうに笑っていた。
☆
「今日は冒険者としての初仕事ですね」
「うんそうだね」
朝食を食べ終えるとアレックスは僕のことを見上げながら言った。僕も張り切っていた。
ちなみに食事は宿の食堂を借りて食べたのだが、ここでもまた僕たちは注目を浴びた。
それも当然だろう。
何しろアレックスは亜人。
この世界の人間にとって亜人は奴隷以外の価値はないらしく、普通の町では見かけることはほとんどない。
ところがここは辺境都市ハーフェン。
人間の支配領域最西端に位置するこの町は、あらゆる種族を受け入れることで成り立っている。
実際、僕たちが座るテーブルの隣でも、エルフ族とドワーフ族のカップルが仲良く食事をしている。
さすがに耳が長いだけのエルフ族は珍しくても、髭面のドワーフはここでは当たり前のように見られる光景だ。
「ところでアレックスってどこの出身なの?」
「出身ですか?」
「うん。ほら、亜人と人間の混血なんて聞いたことがないしさ」
「私は……えっと……」
「あっ、言いたくないなら言わなくていいよ」
「いえそういうわけではないのですが……私の生まれはこの大陸ではありません」
「じゃあ別の大陸から来たんだ?」
「はい。西にある島国から来ました」
「ああごめん。ちょっと考え事をね」
「何か悩みごとですか?」
「まぁね」
「それはそれは」
アレックスはなんだか嬉しそうに笑っていた。
☆
「今日は冒険者としての初仕事ですね」
「うんそうだね」
朝食を食べ終えるとアレックスは僕のことを見上げながら言った。僕も張り切っていた。
ちなみに食事は宿の食堂を借りて食べたのだが、ここでもまた僕たちは注目を浴びた。
それも当然だろう。
何しろアレックスは亜人。
この世界の人間にとって亜人は奴隷以外の価値はないらしく、普通の町では見かけることはほとんどない。
ところがここは辺境都市ハーフェン。
人間の支配領域最西端に位置するこの町は、あらゆる種族を受け入れることで成り立っている。
実際、僕たちが座るテーブルの隣でも、エルフ族とドワーフ族のカップルが仲良く食事をしている。
さすがに耳が長いだけのエルフ族は珍しくても、髭面のドワーフはここでは当たり前のように見られる光景だ。
「ところでアレックスってどこの出身なの?」
「出身ですか?」
「うん。ほら、亜人と人間の混血なんて聞いたことがないしさ」
「私は……えっと……」
「あっ、言いたくないなら言わなくていいよ」
「いえそういうわけではないのですが……私の生まれはこの大陸ではありません」
「じゃあ別の大陸から来たんだ?」
「はい。西にある島国から来ました」
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