生殺与奪のキルクレヴォ

石八

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プロローグ

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 夏、長いようで短いゴールデンウィークが終わり憂鬱な気分で自転車を漕ぐ。

 耳にイヤホンをつけ、スマホで音楽を聞きながら無駄に入り組んでいる住宅街を縫うように自転車で走り抜ける。

 家から出て40分後には高校の正門が見え始めると体がどっとだるくなり自然とため息が出てしまう。

 彼の名前は如月悠真きさらぎはるま
 どこにでもいるようなごく普通の高校2年生である。


「悠真くん! おはよ! 久しぶりだね?」

 朝から元気に話しかけてきたのは同じクラスの西園寺蓮花さいおんじれんかだ。

 人望もあり友達も多く、勉強も出来てスポーツもできる。そして美人。まさに才色兼備という言葉が似合う女の子である。


「う、うん……おはよう」

「どうしたの? 朝から元気なさそうだけど……ちゃんと朝ごはんは食べてきた?」

 自転車から降りて鍵を抜き振り向く。すると目の前には覗き込んでくる蓮花があと数cm近づけば触れてしまう距離に立っておりつい反射的に後ろに下がってしまった。


「あ、朝ごはんは食べたよ? そ、それじゃ!」

「あ! 待って!」

 蓮花に呼び止められても聞こえないふりをして駐輪場から生徒玄関まで一直線に向かう。

 そう、悠真はコミュニケーション能力が人一倍欠けているのだ。
 そのせいで悠真はイジメの対象にもなっている。

 問題は悠真自身の態度も問題あるのだが1番の問題は西園寺 蓮花、そう彼女のせいでもあるのだ。


 蓮花という女の子は基本関係ないことは自ら話そうとしない。

 授業中も騒がしい男子を叱って静かにさせる。
 その男子も蓮花のことは嫌いではなくむしろ好きの方が近いのだが反論せずに素直に言うことを聞くのだ。

 だがそんな蓮花の隣の席の悠真は蓮花の言うことをあまり聞かないのだ。

 聞かないという言い方は違うかもしれないが、自分の我を通す人間なのでよく蓮花に「朝の挨拶はちゃんとみんなにしようね?」とクラス全員の前で言われようと悠真は誰とも挨拶せずに自分の席に座る。

 蓮花は基本関係ないことは自ら話さないと言ったが悠真だけには何故かしつこく無駄な話を切り出してくるのだ。

 それを見て女子は「ぱっとしない悠真を蓮花がお世話係として面倒見ている。可哀想」だとか「気遣いを無下にして酷いやつ」だとか言われる。


 そして1番酷いのは男子だ。

 同級生や先輩、ましてや後輩からも人気な蓮花と1秒でも喋りたいという男子はとても多い。

 だが話しかけてもすぐに終わったりしてしまい、話しかけてくることなどほぼほぼないので日々悶々としているのだ。

 それなのに何故ぱっとしない地味でコミュ障な悠真にばかり話しかけているんだ? と男子の中で話題になり、1度悠真自身に「西園寺のこと無視するなよな」と釘を指しておいたのだが、悠真は蓮花と話せることに喜びもなければ逆に鬱陶しそうな顔をすることがある。

 それを見て男子が黙っていられるはずもなくついに強硬手段に出たのだ。

 簡単に言えばイジメである。
 悠真から同級生の男子に話しかけることは無いので精神的なイジメを繰り返したのだ。

 最初はわざとぶつかったりする程度だったものが足を強く踏んだり悠真のイヤホンを切り刻んだり靴の中にムカデを入れたりなどと、幼稚ながら精神的苦痛になるイジメを繰り返してきた。


 しかしそれは逆効果であった。
 悠真は気にせず対処するし足を踏んでも何も言わずに靴を履き直すだけ。

 それに蓮花はそのイジメに気づいており1度クラス会議を開いたのだ。

 クラス会議は始まって10分後悠真が「気にしてないから大丈夫だよ」の一言で閉会したのだが、翌日から蓮花の同級生の男子を見る目が変わり、むしろ悠真とコミュニケーションをとろうと必死になっていたのだ。


 悠真は自分の靴箱の前に行き中履きを取り出す。
 まず最初にすることは靴を脱いで履くのではなく取り出した中履きを裏返してかかと部分をトントンと軽く叩きつける。

 中に何も無いことを確認して悠真は外履きを脱いで靴下のまま廊下に向かい中履きを履く。


「悠真く~ん! 待ってよ~!」

 必死にカバンを揺らし蓮花が走って靴箱の前に行く。

 さすがにここで置いていくほど悠真は鬼ではない。
 蓮花が中履きを履くのを壁に寄りかかって待ち蓮花が履き終わりこちらに近寄ってくる瞬間に自分の教室に向かう。


「ふぅ~……悠真くん酷いよ! 話し終わってないのに勝手に行っちゃってさ」

「い、いやその……ごめんなさい」

 視線を蓮花がいない方向に泳がせて心のこもってない謝罪を口から漏らす。

 蓮花は少し納得していない様子だったが「まぁ、いいでしょう!」と開き直り悠真の隣に並んでくる。

 悠真はあまり蓮花と仲良くしてるところ(一方的に)を見られたくないので右に2歩ほど移動するがそれに合わせて蓮花も2歩着いてくる。


「あ、あの!」

「ん? どーしたの?」

 勇気を振り絞って自ら話しかける。
 やはり恥ずかしいというかくすぐったいというかなんか変な感じだ。


「その……どうして僕に構うの? こんな僕よりももっといるべき所があるんじゃない?」

 そう言っても蓮花は話の内容を理解していない様子で頬に指を当てて首を傾けている。


「悠真くんの思ってるいるべき所ってさ、どんな所なの?」

「いや……ほら! 僕みたいな根暗な奴よりもさ、クラスの……ほら、人気者の和田くんとかいるでしょ?」

 悠真の言う和田とは和田陸斗わだりくとの事だ。
 彼はクラス、いや学年の男子のトップに立っており蓮花が男になったバージョン的な存在だ。

 悠真のいるクラスの男子で唯一和田だけがイジメに加入せずに裏で「やめないか?」と男子たちを説得していた。

 頭も良く運動神経もいい、それにコミュニケーション能力に長けており先生や同級生からの人望も厚い。

 そして女子からもモテモテでバスケ部の次期部長とも呼ばれ、言うなれば『勝ち組』という存在だ。

 悠真と和田はあまり会話はしたことないのだが和田だけが悠真と真剣に向き合い話し合いをしてくれる。

 そんな気さくでもあり誰に対して優しい彼はまさしく理想的な男と言えるだろう。


「どうして和田くんなの?」

「ほ、ほら。例えば蓮花さんが100点満点の存在ならそれに合う人がいいってことだよ……ほら天秤とかでも重りを引っ掛けて釣り合わせるとかあったでしょ? それなら和田くんと蓮花さんが一緒に居た方がさ……その釣り合うでしょ? 僕なんて0点の存在だからさ……はは、あははは」


 笑って誤魔化そうとするが蓮花はジト目になり悠真の手を掴んでくる。

 柔らかい女子の手の感触が伝わり……じゃなくてなんでいきなり触れてきたのか悠真の頭の中がパニックになっている。


「確かに和田くんはすごいよ? でも悠真くんが自分を0点って言うのはおかしいと思うんだ。自分の価値ってさ、自分じゃなくて相手にしてもらうんだよ? もし他の男子たちが悠真くんを0点って言っても私はそうとは思わないよ? 悠真くんの優しいところ知ってるから……」

 自分でも分かる。
 今の自分の顔はトマトもビックリするくらい真っ赤になってるだろう。

 いや、確実に真っ赤になっているはずだ。
 耳も熱いし自然と口角が上がってしまう、褒められ慣れてないからだ。


「あ、悠真くん顔が真っ赤になってるよ? タコさんみたいだね!」

「っ! ぼ、僕先に行ってるから!」

 蓮花の手を振りほどいて後ろを向いて2-3、自分のクラスに向かう。

 途中でカバンを落としてしまいそれを見た蓮花が笑いを堪えてるのを見て更に恥ずかしくなり自分のクラスへ早歩きで急いだ。



 ガラガラっと横スライド式の扉を開けると一斉に注目が集まりすぐに視線が分散する。

 中には横目で見ながら聞こえるように悠真の悪口を言ってたりする輩もいる。


「如月くん、おはよう! お久しぶりだね」

「う、うん、おはよう」

 和田は8人ほどのグループで話してたにも関わらず悠真が教室に入ってくると毎日わざわざ足を運ばせて挨拶をしてくる。

 悠真は最初無視というか反応出来なかったのだが最近声が出せるようになり進歩を確認して和田は綺麗な白い歯を見せて爽やかスマイルを見せる。


「今日は西園寺さんと一緒じゃないのかい?」

「えと、その……さっきまで一緒だった」

 煮え切らない悠真の態度に女子たちは「せっかく和田くんが話しかけてくれてるのに酷くない?」と小声でこそこそ話し出す。

 しかしそんな中でもリーダー格の女子が立ち上がり悠真に近づいていった。


「あんたさぁ、和田っちがせっかく話しかけてやってんのになんでそんな態度をとるわけ? あーしムカつくんだけど」

「まぁまぁ伊藤さんも落ち着いて、如月くんも頑張ってるじゃないか。最初は返事もしてくれなかったんだよ? すごい進歩だよ」


 和田が説得すると伊藤友希いとうゆきは「和田っちがそう言うなら……」とそのまま悠真から離れて自分の席に大人しく座る。


「じゃ、じゃあ僕はここで」

 和田が「あ! 如月くん!」と振り向かせようとしてくるが和田の友達が和田を呼んだため悠真を名残惜しそうに見て再びグループの方へ歩いていく。

 悠真はイヤホンを取り出してスマートフォンに装着して音ゲーを始める。

 それを見て気持ち悪そうに見る女子や面白がって動画を撮る男子が沢山いる。


 だが悠真はそんなのを気にしない。

 別に鋼の精神だとか不屈の精神を持っている訳では無い。
 ただ気にしなくていい、自分には関係ないと言い聞かせてるだけなのだ。


「おはよ~!」

 蓮花が扉を開けて大きな声で挨拶すると男子や女子は一斉に視線を蓮花に向けて「おはよー!」と挨拶を返している。

 蓮花の元に女子や男子が近寄っていき「久しぶり~!」と一週間前別れたばかりの友達と手を取り合ってはしゃいでいる。


 しばらくすると蓮花は自分の席に歩いていき悠真に声をかける。

 それを見て周りの男子は嫉妬の視線を悠真に浴びせるが悠真は音ゲーに夢中なので返答なしで無視をする。

 それを見て嫉妬から怒りの視線に変化し、男子は悠真を視線で殺すのではないかぐらいの勢いで睨みつけ始めた。


「ねぇねぇ、悠真くん」

 こっそりと蓮花は悠真のスマホの画面を覗き込んで終わったのを見計らって声をかける。


「は、はい。なんですか?」

「悠真くんってさ、指器用だよね~! そんな難しそうなゲームを簡単にやってるんだもん。悠真くんの真似して昨日同じアプリ入れてみたんだけど全然できなくてさ~。今度一緒にやってくれないかな?」


 その会話を聞いてクラスの男子たちが口をあんぐりと開ける。

 どんなに積極的に会話してもすぐに終わってしまうまさにアイドル的存在の蓮花が自分たちよりも明らかにランクが下な悠真に一生懸命アプローチしているのだ。


「い、いや……気持ちは嬉しいけどそんな時間ないかな……」

 それをあっさり断る悠真に更に苛立ちを隠せない様子だ。
 女子たちはそんな男子を見て「さすがに引くよね……」と呟いていた。


「そっか……ならホームルームが始まるまで隣で見ててもいいかな?」

「うん、それなら大丈夫だよ」

 悠真が承諾すると自分の席の椅子を持って悠真の隣へ置き直す蓮花はその椅子に座り、面白そうに悠真のプレイを見始めた。




 しばらくすると予鈴のチャイムが鳴り、担任の田中先生という若い女性の人が教室に入ってくる。


「はーい、私語をやめて携帯をしまってください。えー……皆さんおはようございます」

 田中先生の挨拶に元気に返す者も居れば無視する者、適当に「おはーざまーす」と言う者いる。


「えー……特に話すことはないのでホームルームは終わります。えー……1限は国語なので速やかに準備をすること、はい解散」

 田中先生は結構大雑把な人で色々なことを適当に流して終わらせる。

 教師としてヤバイと思うがやるときはしっかりとしてくれるのでちゃんとメリハリがあるのだ。


「ん? これは……?」

 田中先生が去った後に和田は黒板の前に向かったのだが教卓の下に紙が落ちているのを発見する。


「みんな! これを見てくれ」

 紙には大きな文字で『2-3の生徒限定サプライズ! 昼休みに全員で視聴覚室に来ると……?』と綴られていた。


「これって……田中先生が落としたのかな?」

 和田が紙を1通り読むと順番に右に回していく。


「和田く~ん。もしこれが田中先生の考えてたサプライズだったらさ、これ田中先生に返さないで隠してた方がいいんじゃないかな?」

 1人の女子の発言に他のみんなは「確かに!」と頷いていた。

 まぁそれが本当に田中先生の企画していたサプライズだったらネタバレになるため大変ショックを受けてしまう可能性がある。

 その紙を小さく丁寧に折りたたんで女子は和田に渡す。



 この紙で人生が大きく左右されることなど知らずに……

























 昼休み、弁当をさっさと食べて寝ようとしたら蓮花に止められてそのまま視聴覚室に連れてかれる。


「ちょ、ちょっと待ってよ」

「ん? どうしたの?」

 強引に引っ張られたことが嫌だったと感じた蓮花は悠真の手をゆっくりと離した。


「その……4限が終わっても田中先生は視聴覚室に来いなんて言ってなかったよね? だからなんかおかしい気がしてさ……」

 その通りだ、4限が終わっても「視聴覚室に来い」などは言われず、そもそもサプライズをするような感じでもなかった。

 そこに違和感を抱いた悠真は視聴覚室に行かないように寝ようとしたのだが蓮花に連行されてしまったのだ。


「伝え忘れたとか?」

「いや、サプライズだよ? って言うことは伝え忘れることなんて無いはずだけど……」


 廊下で立ち止まってると同じクラスの女子が蓮花の手を掴んで走っていく。

 その瞬間蓮花も悠真の手をガッチリと掴んで芋づる式で強制的に視聴覚室に連れてかれてしまった。



 視聴覚室に着くと既にみんなが座って喋ったりと和気あいあいとしていた。

 しかしどんなに待っても田中先生が来ない。
 和田が紙を取り出して確認するが間違いはないらしい。


「西園寺さん、悪いけど僕帰るね」

 そのまま蓮花の返事を聞かずに視聴覚室の扉に手をかける。


 あれ? 開かない。

 鍵はかかってなく何回も鍵をガチャガチャと上げ下げしたが扉が開かないのだ。

 視聴覚室を熱いと感じた生徒が窓を開けようとするが何故か開かない。

 鍵も空いているのだが3人係でこじ開けようとしても開かないのだ。


「なにこれ!? これがサプライズってこと!?」

 友希がイライラしだしつい声を荒らげ始める。
 和田がなんとか落ち着かせてるが他の生徒も謎の現状に苛立ちと不安を隠せないようで貧乏揺すりをしていた。


「ねぇ和田くん!」

「西園寺さん? どうかしたのかい?」

 蓮花が和田を呼ぶとみんなが蓮花に視線を集中させる。


「その……携帯が繋がらない……何故か圏外になってるんだけど……」

「そんな馬鹿な!? いや、僕のも圏外になってる……!?」


 蓮花と和田のやり取りを聞いて皆が次々とスマホを取り出して電話などをかけようとしているがどこにも通じない。

 みんなのスマホには同じように[圏外]と表示されていた。


 その瞬間視聴覚室の扉がガシャと開かれる。
 そこには廊下などの道はなくただ禍々しいほど真っ黒の謎のゲート? が存在していた。

 そのゲートはいきなり2-3の生徒たちを吸い込むように回転し出す。

 近くに居た悠真は体がふらついてしまい半分ほど吸い込まれてしまった。


「悠真くん!」

 蓮花が走って悠真の手を掴む。
 間一髪悠真を助けて引っ張ろうとするがどんどん吸い込まれる。


「西園寺さん! 離してください……!」

「ダメだよ! 絶対にダメ!」


 西園寺まで吸い込まれそうな勢いだ。
 こうなったら振り払ってでも西園寺を突き飛ばすしかない。


「……ごめん」

「あっ!」

 蓮花のお腹をやや強めに押して押し倒す。
 少々強引だがこうするしかなかったのだ。


「悠真くん!」

「ま、待って西園寺さん! 危ないよ!」


 蓮花がゲートに飛び込もうとするが和田がそれを阻む。


「危なくても悠真くんだけ行かせたら可哀想だよ!」

 和田の手を振り払って蓮花はゲートに飛び込んでしまった。


 その2人を追って和田を含めた他の生徒も全員飛び込んでしまう。

 全員吸い込んだゲートはだんだんと小さく無くなっていきいつも通りの視聴覚室に戻る。



その日2-3の生徒が全員失踪してしまい一大ニュースとなった。
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