スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます

銀狐

文字の大きさ
19 / 42

19.作成99

しおりを挟む
「待て、待てだよ。まだダメだからね」
「ヴヴゥー……」

 俺は床にドラグノール用の皿を2枚置いた。

「よし!」
「ワウッ!」

 ドラグノールは勢いよく走りだした。
 向かった先は右にある皿だった。

「なんだ、お肉よりりんごのほうが好きなんだ」

 右の皿にはリンゴがのっている。
 何をしていたかと言うと、ドラグノールの好物について調べていた。
 この前、狩りをしていたかと思うとりんごを食べていたからね。

 もしかしてリリスが住んでいる木のりんごが好きなのかと思ったけど違った。
 このりんごはお父さんに頼んで仕入れてもらったりんごだ。
 どうやらりんごが一番みたい。

「アンディー、何しているのー?」
「エイミー、ドラグノールの好物について調べていたんだ」

 今の時刻は12時を過ぎている。
 午前中は各自で勉強をしているから無事に終わったんだろう。

 お姉ちゃんがいないっていう事はまだ終わっていないのかな?
 まあ、エイミーは甘やかされて量が少ないから早く終わったんだろうけど。

 ちなみにだが、僕は日に日に増えてきている。
 1ヵ月前の2倍まではいかないものの、1.5倍以上まで増えている。
 まだ小学生の内容なのが助かっているところだけど。

「あれ?りんごばっかり食べている」
「そうなんだ。お肉より、りんごが好きみたい」

 それにしても意外だった。
 見た目はもう『お肉命』と言わんばかりの大きさなんだからね。
 と言っても最初からりんごだけだとここまで大きくならなかったろうけど。

「あっ、次は肉を食べ始めたよ」
「メインとデザートが逆だな……」

 ドラグノールはりんごを食べ終わると嬉しそうにお肉を食べ始めた。
 なんだかんだお肉も捨てがたいのか。

「そうだ。いっそ二つを合わせてあげたら喜ぶんじゃないのか?」
「そんなことできるの?」
「出来るかは分からないけど試してみようかなって」

 もちろんスキルでだけど。

 問題は、ドラグノールは生肉のほうが好きなことだ。
 調理をするなら料理中にりんごと一緒に焼いたらいいんだけど。
 でも生肉なら別の方法になる。

「まあ探してみるか。スキルオープン」

 今更だけど、りんごを絞ったものを生肉にかければよかったんじゃないか?
 ここまで来たなら他の方法を探すけど。

 さて、どれがいいかな。
 移動魔法、なんてどうだ?
 りんごを生肉の中に…ないな。

 そんなことするぐらいなら別々で食べた方がいいし。
 他には…うーん。

 あっ!生肉にりんご自体を入れるんじゃなくて、りんごを絞ったのを入れるのはどうだ?
 それなら注入があればいいんだけど……。
 むぅ、見当たらないな。
 探し方が悪かったのかな?

 直接やるのではなく、注射器を使えばよさそうだな。
 でも注射器はこの家にはない。
 無いならつくればいいんだ!

 となるとあって嬉しいもの……。
 あった!作成があった!
 なんかバッサリしているけどこれで大丈夫だろう。

 作成を99にまで上げてっと。

「おっ!」
「どうしたの?」
「いや、つくりたいものが頭の中で浮かび上がったから」
「?」

 すげぇ!
 『これをつくりたい!』って思ったら構図が頭の中で思い浮かぶ!
 なにこれ、すごすぎる……。

 でも材料はあるかな?
 注射器ならガラス加工が…あ、はい。
 どうやら要らないみたいです。

「よし!じゃあつくってみるか!」
「何をつくるのー?」
「出来てからのお楽しみ!30分ぐらい待ってて!」
「? わかったー!」

 僕は必要なものを手にし、部屋に籠った。
 道具はあまりないものの、うまくできそうだ。
 こういう風に物を作るときのワクワクっていいよね。

 30分後、代用に代用を重ねようやく似たものができた。
 さっそく試すためにドラグノールのところへ向かった。

「お待たせー!」
「アンディ!何を持っているの?」
「秘密道具だよ」

 と言いつつただの注射器だけど。

 普通の注射器と違う点は針がそこまで細くはないところ。
 人間にではなく生肉に刺すだけだからね。
 そこまで細くなくても大丈夫だろう。

 りんごを絞り、それを注射器にいれ生肉に入れた。
 全体に行くよう、何回も刺して注入した。
 結構面倒くさい……。
 このまま焼いて食べたら美味しそうだなあ。

「ワンッ!」
「ごめんごめん。ほら、食べていいよ」

 ドラグノールは待ってましたと言わんばかりにバクバク食べ始めた。

「うまいか?」
「ワンッ!」
「そうかそうか、それならつくった甲斐があったよ」

 嬉しそうにペロっとすぐに全部食べてしまった。
 すると皿の横でちょこんと座りだした。

「どうしたの?」
「くぅーん」

 あぁ、おかわりってことね。
 もうちゃっかりおねだりを覚えちゃって。

「これで終わりだよ。りんごももう少ないんだし」
「ワンッ!」
「分かっているのかなあ……」

 そう言っている間も食べている。
 またすぐに食べ終えてしまった。

「くぅーん」
「だからもうないって!」
「何がないの?」
「リリスー!」
「やあ、エイミー」

 いつの間にかリリスがいた。
 リリスはいつでも遊べるように合鍵を持っている。
 悪さもしないだろうから渡したけど、こうしていつの間にかいるとびっくりする。

「りんごがないんだよ。ドラグノールにあげる餌で」
「りんご?それならあげるけど」
「いいの?大切な木だからあまり貰うのはいけないかなあって思っていたんだけど」
「少しなら構わない。そのまま渡せばいい?」
「いや、ちょっと貸してくれない?」
「じゃあ何するか見せて」
「それならいくらでも」

 ただ注射器で入れるだけの作業だし。
 いくら見せても構わない。

 僕はリリスからりんごをもらい、絞って生肉に入れた。
 それにしても大丈夫かなあ。
 絶対食べ過ぎていると思うんだけど。

「へぇ、随分面白いやり方をするね」
「そう?けっこういいアイディアだと思ったんだけど」
「私ならこうする。融合フュージョン

 リリスは余っていた生肉とりんごを触り、魔法を使った。
 その瞬間、りんごだけ消えた。

「何をしたの?」
「りんごを粉々にしてお肉に満遍なく散らかせた」
「へ、へぇー。そんなやり方があったのか」

 そっちの方が楽じゃないか!
 もっとしっかり調べるべきだったよ……。

「でもこれもすごいよ」
「ありがとう、でも負けた感じしかしない……」
「?」

 単純に魔法から探せばよかった。
 今後からはそうしよう。

「さて、ドラグノールは食べ過ぎているからこれは夕飯に…ってあれ?」

 さっきまであった生肉がなくなっている。
 一体どこに消えた?

「それならドラグノールが食べたよ!」
「えっ?」
「ワンッ!」

 いつの間に……。
 っていうか食べ過ぎているよ!
 いつもの倍近く食べているし。

 次の日、お腹の調子が心配だったため食事は少しに。
 ドラグノールのしっぽは一日中下がっていた。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

7個のチート能力は貰いますが、6個は別に必要ありません

ひむよ
ファンタジー
「お詫びとしてどんな力でも与えてやろう」 目が覚めると目の前のおっさんにいきなりそんな言葉をかけられた藤城 皐月。 この言葉の意味を説明され、結果皐月は7個の能力を手に入れた。 だが、皐月にとってはこの内6個はおまけに過ぎない。皐月にとって最も必要なのは自分で考えたスキルだけだ。 だが、皐月は貰えるものはもらうという精神一応7個貰った。 そんな皐月が異世界を安全に楽しむ物語。 人気ランキング2位に載っていました。 hotランキング1位に載っていました。 ありがとうございます。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央
ファンタジー
 糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。  一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。  だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。  そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。  この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。 2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

限界勇者のスローライフ~追放気味に田舎暮らしに突入したけど、元魔王やら魔族の子と出会って何だか幸せに暮らせています~

みなかみしょう
ファンタジー
現代日本から転生し、魔王を倒した勇者クウト。 なんとか平和な世界を取り戻したはずが、彼だけは戦い続けていた。 その期間、120年。しかも年中無休、24時間営業である。 「さすがにこれは、ちょっとおかしくないか?」 戦いに疲れ果て、クウトはようやくそのことに気づいた。 自分を道具としてしか見ていない、かつての仲間の子孫にも飽き飽きだった。 会議の場で引退を宣言し、勇者の証も放棄。清々しく立場を強引に捨てることに成功。 遂に手に入れた自由な日々。 そんなクウトの前に、転生にも関わった女神が現れる。 想像よりも酷い状況を見て、女神は新たな力を授け言う。 「とりあえず、スローライフでもしてなさい」 そんな言葉と共に送り出された元勇者は、田舎でのんびり暮らすべく新生活を開始した。 しかし、そんな彼の前に現れたのは別世界に行ったはずの二代目魔王。 似たような事情を抱えた彼女の話を聞き、クウトは同居生活を提案する。 こうして、元勇者と元魔王の田舎暮らしが始まった。 無理のない範囲での畑仕事。 冒険者としての活動。 町の人々との触れ合い。 慣れない普通の生活に苦戦しつつも、二人は穏やかな日々を少しずつ手に入れていく。 たまに起きるトラブルは、その有り余るパワーで粉砕しながら……。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

処理中です...