11 / 50
2.マリウス・ド・ファンドミオン
意外性の人マリウス
もう一度マリウスの顔を見ると、潤んだ若葉色の瞳が、今度はまっすぐリーリウスを見つめ返してきた。
「殿下……」
「うん?」
「ごめんなさい。ぼく、こんな……恥ずかしい……!」
太腿をもじもじと擦り合わせているが、それで股間の盛り上がりが隠せるはずもない。
「いやいや。そこは自分であって自分でない、人体の治外法権であるから気にするな。勃ちたいときに勃つ自立心旺盛な息子だと、男なら皆知っているからね。私こそ無遠慮に見つめてしまって申しわけない」
気まずい思いをさせぬよう、にっこり笑ってみせる。
勃起ごときに動じるリーリウスではないが、ここまでの会話のどこにそうなる要素があったのだろうと考えていると、「い、いいえっ!」と切羽詰まった声が思考を遮った。
「見て、くださいっ」
「は?」
「こ、こんなに恥ずかしいぼくを、見てほしいんです……!」
(予想外の要望が出された)
無言のまま、望み通り相手の股間に視線を下ろすと、「ああぁ」と喘ぎ声が漏れる。マリウスは自分で自分を抱きしめて、紅潮した顔に恍惚とした表情を浮かべていた。
リーリウスは改めて、自身の見る目の確かさに自信を持った。
(この人は大変オモシロイ)
とても恥ずかしがり屋でおとなしい人と、親からも世間からも認識されている青年なのに。
何にいきなり興奮したのかは定かでないが、見られて感じる開けっぴろげな性癖らしいということはわかった。しかも、
「お願いです、リーリウス殿下。たった一度でいいのです。絶対に今後ご迷惑をおかけすることはありませんから、どうか、どうか、抱いてくださいっ!」
とっても積極的。
おまけに、「よかったら」と上着の内ポケットから取り出し渡されたのは、潤滑油らしきものが入った小瓶。ポンと栓をはずすと、薔薇の香りが立ちのぼった。
「これ、常備してるの?」
「はい」
オモシロすぎる。
頬を染め、恥ずかしそうに目を伏せているが、要求は直球である。
リーリウスはこういう人も好きだ。
だが、まずはどうしてこうなったかが知りたかった。
息を乱して擦り寄ってくるマリウスを「よしよし、そう焦らず」と優しく押しとどめて、探求心をぶつけてみる。
「そなたのような綺麗な子に求められるのは光栄だ。けれど、なぜいきなり?」
「ごめんなさい……実はぼく、も、ものすごく、その……性欲が強くて」
「あ、それは私も」
「で、殿下も!? いえでも、ぼくはその……好みの方といるともう、たまらなくなって、我慢できなくて。実は殿下にも、初めてお目にかかったときから憧れていたので……だからこうして、ご本人がすぐそばにいらっしゃると思ったら、か、躰が勝手に」
切ない股間をもてあましながらも、質問にはきっちり答えてくれた。
ご褒美にトラウザーズを押し上げている箇所をじいっと注視してやると、「見ないでくださいぃ」と嬉しそうな声が上がる。そしてもちろん、隠さない。
(本当にオモシロイ)
「見られるのが好きなのだね」
「……実はそう、なんです。両親にいろいろ隠しているうちに、反動で、すべて見せてしまいたく、なって」
言葉が途切れるのは、リーリウスが股間に視線を戻すたびにビクンビクンと躰をくねらせるからだ。感度良好である。
「お願……殿下ぁ」
可愛くおねだりするのを見るのは楽しいが、このままではさすがに気の毒だ。張り詰めた股間のしんどさは同じ男としてよくわかるゆえ、相談に乗りがてら慰めてやることにした。
「ではマリウス。先ほどの話に戻るのだが」
「お話より、抱いてくださいっ」
「マリウス……耐えれば耐えるほど、その先の開放が甘美になるのだよ。熟した果実のようにね。きみだって母君が探しに来るまでに戻らねばならないのだから、イくのも訊くのも同時進行でいこうではないか」
リーリウスはマリウスの唐突な変化が気になって仕方ない。何やら危うい感じがするので、もう少し彼について知りたくなった。
しかしマリウスは快感を追うことに夢中で、リーリウスの言葉を拒否と受け取ったか、若葉色の瞳を悲しそうに曇らせる。が、
「同時進行と言ったろう。さあ、その恥ずかしい股間を隠すものをすべて脱ぐのだ。そこに立って、はしたない下半身を晒しなさい」
命じた途端、歓喜の笑みに変わった。
思った通り、見られるのが好きなマリウスは、言葉で辱められるのもお好みらしい。そうと当たりをつけるや即実行に移すのがリーリウスである。
一方マリウスは、下半身を晒せと言ったのに、いそいそとすべて脱ぎ捨てようとしている。それもすぐさま叱りつけた。
「誰が全部脱げと言った? 下半身だけ晒せと命じたはずだ」
「は、はいっ! 申しわけありませんっ」
マリウスの震える手が、もどかしそうに細身のトラウザーズを下着ごとずり下ろす。と同時に、桃色の性器が弾むように飛び出した。
つるりと赤い先端から先走りが糸を引き、明るい陽光を受けて光る。
王妃の茶会に昼の礼装姿でやって来たマリウスが、今は上半身のみレースを施したシャツと濃紺のベルベットの上着を纏い、下半身は性器まで丸出し。上向いた鈴口から透明な液体が滑り落ちるのも、隠すものは何もない。
露出した白い肌と着衣の色の対比が、ひどく卑猥で、綺麗だった。
「殿下……」
「うん?」
「ごめんなさい。ぼく、こんな……恥ずかしい……!」
太腿をもじもじと擦り合わせているが、それで股間の盛り上がりが隠せるはずもない。
「いやいや。そこは自分であって自分でない、人体の治外法権であるから気にするな。勃ちたいときに勃つ自立心旺盛な息子だと、男なら皆知っているからね。私こそ無遠慮に見つめてしまって申しわけない」
気まずい思いをさせぬよう、にっこり笑ってみせる。
勃起ごときに動じるリーリウスではないが、ここまでの会話のどこにそうなる要素があったのだろうと考えていると、「い、いいえっ!」と切羽詰まった声が思考を遮った。
「見て、くださいっ」
「は?」
「こ、こんなに恥ずかしいぼくを、見てほしいんです……!」
(予想外の要望が出された)
無言のまま、望み通り相手の股間に視線を下ろすと、「ああぁ」と喘ぎ声が漏れる。マリウスは自分で自分を抱きしめて、紅潮した顔に恍惚とした表情を浮かべていた。
リーリウスは改めて、自身の見る目の確かさに自信を持った。
(この人は大変オモシロイ)
とても恥ずかしがり屋でおとなしい人と、親からも世間からも認識されている青年なのに。
何にいきなり興奮したのかは定かでないが、見られて感じる開けっぴろげな性癖らしいということはわかった。しかも、
「お願いです、リーリウス殿下。たった一度でいいのです。絶対に今後ご迷惑をおかけすることはありませんから、どうか、どうか、抱いてくださいっ!」
とっても積極的。
おまけに、「よかったら」と上着の内ポケットから取り出し渡されたのは、潤滑油らしきものが入った小瓶。ポンと栓をはずすと、薔薇の香りが立ちのぼった。
「これ、常備してるの?」
「はい」
オモシロすぎる。
頬を染め、恥ずかしそうに目を伏せているが、要求は直球である。
リーリウスはこういう人も好きだ。
だが、まずはどうしてこうなったかが知りたかった。
息を乱して擦り寄ってくるマリウスを「よしよし、そう焦らず」と優しく押しとどめて、探求心をぶつけてみる。
「そなたのような綺麗な子に求められるのは光栄だ。けれど、なぜいきなり?」
「ごめんなさい……実はぼく、も、ものすごく、その……性欲が強くて」
「あ、それは私も」
「で、殿下も!? いえでも、ぼくはその……好みの方といるともう、たまらなくなって、我慢できなくて。実は殿下にも、初めてお目にかかったときから憧れていたので……だからこうして、ご本人がすぐそばにいらっしゃると思ったら、か、躰が勝手に」
切ない股間をもてあましながらも、質問にはきっちり答えてくれた。
ご褒美にトラウザーズを押し上げている箇所をじいっと注視してやると、「見ないでくださいぃ」と嬉しそうな声が上がる。そしてもちろん、隠さない。
(本当にオモシロイ)
「見られるのが好きなのだね」
「……実はそう、なんです。両親にいろいろ隠しているうちに、反動で、すべて見せてしまいたく、なって」
言葉が途切れるのは、リーリウスが股間に視線を戻すたびにビクンビクンと躰をくねらせるからだ。感度良好である。
「お願……殿下ぁ」
可愛くおねだりするのを見るのは楽しいが、このままではさすがに気の毒だ。張り詰めた股間のしんどさは同じ男としてよくわかるゆえ、相談に乗りがてら慰めてやることにした。
「ではマリウス。先ほどの話に戻るのだが」
「お話より、抱いてくださいっ」
「マリウス……耐えれば耐えるほど、その先の開放が甘美になるのだよ。熟した果実のようにね。きみだって母君が探しに来るまでに戻らねばならないのだから、イくのも訊くのも同時進行でいこうではないか」
リーリウスはマリウスの唐突な変化が気になって仕方ない。何やら危うい感じがするので、もう少し彼について知りたくなった。
しかしマリウスは快感を追うことに夢中で、リーリウスの言葉を拒否と受け取ったか、若葉色の瞳を悲しそうに曇らせる。が、
「同時進行と言ったろう。さあ、その恥ずかしい股間を隠すものをすべて脱ぐのだ。そこに立って、はしたない下半身を晒しなさい」
命じた途端、歓喜の笑みに変わった。
思った通り、見られるのが好きなマリウスは、言葉で辱められるのもお好みらしい。そうと当たりをつけるや即実行に移すのがリーリウスである。
一方マリウスは、下半身を晒せと言ったのに、いそいそとすべて脱ぎ捨てようとしている。それもすぐさま叱りつけた。
「誰が全部脱げと言った? 下半身だけ晒せと命じたはずだ」
「は、はいっ! 申しわけありませんっ」
マリウスの震える手が、もどかしそうに細身のトラウザーズを下着ごとずり下ろす。と同時に、桃色の性器が弾むように飛び出した。
つるりと赤い先端から先走りが糸を引き、明るい陽光を受けて光る。
王妃の茶会に昼の礼装姿でやって来たマリウスが、今は上半身のみレースを施したシャツと濃紺のベルベットの上着を纏い、下半身は性器まで丸出し。上向いた鈴口から透明な液体が滑り落ちるのも、隠すものは何もない。
露出した白い肌と着衣の色の対比が、ひどく卑猥で、綺麗だった。
あなたにおすすめの小説
【完結】最初で最後の恋をしましょう
関鷹親
BL
家族に搾取され続けたフェリチアーノはある日、搾取される事に疲れはて、ついに家族を捨てる決意をする。
そんな中訪れた夜会で、第四王子であるテオドールに出会い意気投合。
恋愛を知らない二人は、利害の一致から期間限定で恋人同士のふりをすることに。
交流をしていく中で、二人は本当の恋に落ちていく。
《ワンコ系王子×幸薄美人》
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました!
ありがとうございました!!
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
【完結】義妹(いもうと)を応援してたら、俺が騎士に溺愛されました
未希かずは(Miki)
BL
第13回BL大賞 奨励賞 受賞しました。
皆さまありがとうございます。
「ねえ、私だけを見て」
これは受けを愛しすぎて様子のおかしい攻めのフィンと、攻めが気になる受けエリゼオの恋のお話です。
エリゼオは母の再婚により、義妹(いもうと)ができた。彼には前世の記憶があり、その前世の後悔から、エリゼオは今度こそ義妹を守ると誓う。そこに現れた一人の騎士、フィン。彼は何と、義妹と両想いらしい。まだ付き合えていない義妹とフィンの恋を応援しようとするエリゼオ。けれどフィンの優しさに触れ、気付けば自分がフィンを好きになってしまった。
「この恋、早く諦めなくちゃ……」
本人の思いとはうらはらに、フィンはエリゼオを放っておかない。
この恋、どうなる!? じれキュン転生ファンタジー。ハピエンです。
番外編。
リナルド×ガルディア。王族と近衞騎士の恋。
――忠誠を誓った相手を、愛してはいけないと思っていた。切ない身分差、年の差の恋。恋の自覚は、相手が成人してからになります。
愛され少年と嫌われ少年
透
BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。
顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。
元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。
【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】
※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。
高貴なオメガは、ただ愛を囁かれたい【本編完結】
きど
BL
愛されていないのに形だけの番になるのは、ごめんだ。
オメガの王族でもアルファと番えば王位継承を認めているエステート王国。
そこの第一王子でオメガのヴィルムには長年思い続けている相手がいる。それは幼馴染で王位継承権を得るための番候補でもあるアルファのアーシュレイ・フィリアス。
アーシュレイは、自分を王太子にするために、番になろうとしてると勘違いしているヴィルムは、アーシュレイを拒絶し続ける。しかし、発情期の度にアーシュレイに抱かれる幻想をみてしまい思いに蓋をし続けることが難しくなっていた。
そんな時に大国のアルファの王族から番になる打診が来て、アーシュレイを諦めるためにそれを受けようとしたら、とうとうアーシュレイが痺れを切らして…。
二人の想いは無事通じ合うのか。
現在、スピンオフ作品の
ヤンデレベータ×性悪アルファを連載中
【完結】お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
【完結】悪妻オメガの俺、離縁されたいんだけど旦那様が溺愛してくる
古井重箱
BL
【あらすじ】劣等感が強いオメガ、レムートは父から南域に嫁ぐよう命じられる。結婚相手はヴァイゼンなる偉丈夫。見知らぬ土地で、見知らぬ男と結婚するなんて嫌だ。悪妻になろう。そして離縁されて、修道士として生きていこう。そう決意したレムートは、悪妻になるべくワガママを口にするのだが、ヴァイゼンにかえって可愛らがれる事態に。「どうすれば悪妻になれるんだ!?」レムートの試練が始まる。【注記】海のように心が広い攻(25)×気難しい美人受(18)。ラブシーンありの回には*をつけます。オメガバースの一般的な解釈から外れたところがあったらごめんなさい。更新は気まぐれです。アルファポリスとムーンライトノベルズ、pixivに投稿。