王子殿下が恋した人は誰ですか

月齢

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7・運命の人

昼になっても

 リーリウス第二王子と、その側近レダリオの婚約発表は、イルギアス王国の民から驚愕と熱狂、そして落胆と歓喜をもって迎えられた。

「結婚したい男トップ3」を保持し続けてきた人気者同士の婚約ゆえ、それはもう大騒ぎで。続けざまに婚儀の日取りまで発表されると、国中がお祭り騒ぎになった。

 彼らの妻の座を狙っていた者たちが次々ショックで寝込んだりもしたが、「言われてみれば、これほど似合いの組み合わせはない」と祝福する者が大半で、中でも「リー×レダ推し」派が狂喜乱舞した。

 ちなみに「結婚したい男」の残るひとりとなったシュナイゼは、

「これで俺が人気独占ですね!」

 と得意になっていたが、すぐに番付の項目が「愛人になりたい男トップ3」に変わったため相変わらず同じ三人の名が並び、文句タラタラだった。

 国を挙げてのお祝いムードは周辺国にも波及し、各国の主だった貴族たちは、確実に婚礼に招待されるよう懸命に根回しを始めた。

 当然、二人が行くところ、どこも大歓声が沸き起こる。
 城内はだいぶ落ち着いてきたものの、街に出ると、祝福の意を表そうとする人々が危ういほど集まってくるので、迂闊に出歩けなくなってしまった。

 民らのお祭り騒ぎは盛り上がる一方で、商店街にはこの機に乗じて関連グッズが並んだ。あまり似ていない肖像画や、イニシャルを刺繍してあるだけのハンカチまでも、なぜだか飛ぶように売れていた。

 そして、当の二人はというと――

 
☆ ★ ☆


「も、いいかげんにしてくださ……あっ」

 いつものように、開け放した窓から爽やかな風が入る、リーリウスの執務室。
 そしていつものように書類を届けに来たレダリオを捕獲したリーリウスは、「激務の癒し」と主張して、机の上に組み敷いた愛しい人を味わっていた。

「レダリオがいけない。そんな淫らな姿で私を誘うから」
「誘ってません! あなたが『どうしても』と言ったんでしょう!」
「そうだね……本当に魅惑的だ。やはりアガーテは天才だな」

 リーリウスは奥で揺するように腰を動かしながら、懸命に声を抑えようとするレダリオを見下ろした。彼はとうに衣服を剥がされているが、実は今朝から、リーリウスたっての願いで、アガーテ・ボンボンの下着を着けさせられていた。

「こんなの、下着じゃ、ない……ッ! んあぁ」

 レダリオの言う通り、下着としての機能はアヤしい。
 彼の真珠のような裸体に、ベルベットと皮の中間のような黒い紐が、蛇のように巻き付いているだけなのだから。おまけに淡いピンクの乳首と性器は、ことさら淫らに見えるよう強調されている。
 つまり覆い隠す用途とは真逆の、露出させる意匠なのだ。

 リーリウスはうっとりと、熱い吐息を漏らした。

「これ以上ないほど美しいそなたが、さらに蠱惑的に輝いているではないか。素晴らしい。やはり本人を直接見てもらって大正解だった」
「バカッ! ひあっ! やっ、あっ、あっ」

 そう。実はレダリオをアガーテの店に使いにやったのは、店主に会ってもらった上で、最も似合いそうな特製の下着を作ってもらうためでもあった。
 そうして出来上がったのが、この紐状のものなのだが……
 ずるりと引き抜くと、抗議の声が引っくり返った。
 続けざまに浅く深く突き挿れるたび、結合部からいやらしい音がする。

「んんっ、あ……あ、そこダメ、もう躰、変……っ」
「変じゃない、すごく可愛く感じてるだけだろう」

 アガーテ渾身の作は、性器ばかりか秘所まで晒しているので、可憐な蕾を熱り立ったものが出入りするのも丸見えだ。
(本当に下着ではないな)
 と思ったが、それを言うとまた怒られるので黙っておく。

 抽挿しながら乳首を愛撫すると、ビクビクと躰が仰け反った。
 その拍子に締め付けが強くなって、肉壁を広げているものもさらに勢いを増す。

「なんでッ、おっきくな……はあっ、んあっ! あーっ!」

 レダリオの中は熱くて狭くて、最高に気持ち良い。
 少し荒い動きで突き上げると、甘い嬌声が上がった。
 奥まで含ませてから先端だけ残して引き抜くことを繰り返すと、すでに一度中で放出した精液が漏れ出し、ぐちゅぐちゅと泡立った。

「やあっ、それだめ、ああっ……イイ、あ、イイ……ッ!」
「ああ……私もだ」

 明るい午後の陽が射し込む部屋で、リーリウスの猛りを突き挿れられるたび性器から蜜を振りこぼす姿は、普段のレダリオからは信じられないほど淫らだ。

「そんな、見ないでくだ……ああっ、ああ!」
「見るさ。そなたの夫の特権だ」
「うーっ」

 眉根を寄せて瞳を潤ませるのも、目眩がするほど愛おしい。
 腰を突き上げながら伸び上がり、深く口づけた。
 舌を絡ませながら激しく腰を打ちつけ、内壁を奥の奥まで押し広げて侵入すると、ひときわ官能的な声が上がった。

「ああぁ! そんな、やっ、あーっ、あーっ、あー……ッ」

 リーリウスの硬い腹に擦られたレダリオの性器が、新たな白蜜にまみれる。
 搾り取るように収縮する後孔に思わず呻きながら、リーリウスは激しく奥を穿った。腰を揺すり捻じ込むようにして射精すると、レダリオが切なげに喘ぐ。その声を心地よく聴きながら、放出しきって腰を引いた。
 ひくつく蕾が呑み込み切れなかった精液が、コプッと追うように溢れ出てくる。
 
「……愛している。レダリオ」
「わたしも……愛してます、リーリウス……」

 息を乱し、とろんとした目つきで抱きついてくるのが可愛くて、綺麗な顔じゅうにキスを降らせた。

「中に入れたものを、出さないとね」
「あ……じ、自分で」

 にわかに真っ赤になって起き上がろうとするのを、リーリウスは笑顔で制する。

「そなたの指ではとどかないから、これで」

 さっさと回復し、隆々と勃ち上がっているものを示すと、レダリオが小さく悲鳴を上げた。

「さっきもそう言ったじゃないですか!」
「うむ。こうなるとエンドレスだね」
「もういいかげんに……あー……っ」

 
☆ ★ ☆


「……ほんといいかげんにしてほしい」

 ときを同じくして、執務室の扉の外で、呟く人物がいた。
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